実験 / experiment_organic

アルケンの識別実験

臭素水の脱色、過マンガン酸カリウム水溶液の変化を利用して、アルケンに含まれるC=C二重結合を識別する実験教材です。
実験教材
難易度:標準 目安:35分
# 実験 # 有機化学 # アルケン # 不飽和炭化水素 # 臭素水 # 過マンガン酸カリウム # 識別反応

この教材で学ぶこと

到達目標

  • アルケンが臭素水を脱色する理由を説明できる
  • アルケンと過マンガン酸カリウム水溶液の反応を説明できる
  • アルケン・アルカン・フェノールの識別ポイントを比較できる
  • C=C二重結合に特有の付加反応を理解できる

前提知識

  • アルカンとアルケン
  • 付加反応
  • 酸化反応
  • 有機化合物の識別反応早覚え表

図・写真

※スマホで画像が見づらい場合は、画像を拡大表示するか、別タブで開くと確認しやすいです。

STEP 1 臭素水の脱色
アルケンに臭素水を加えると脱色する模式図
アルケンはC=C二重結合に臭素が付加するため、臭素水の赤褐色が消える。
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Credit: ChemStudy 自作図 License: Original
STEP 2 KMnO₄水溶液の変化
アルケンに薄い過マンガン酸カリウム水溶液を加えると色が変化する模式図
アルケンは酸化されやすく、薄い過マンガン酸カリウム水溶液の紫色を脱色する。
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Credit: ChemStudy 自作図 License: Original
STEP 3 識別反応の比較
アルケン・アルカン・フェノールの識別反応を比較する模式図
アルケンは臭素水を脱色する。フェノールは臭素水で白色沈殿を生じるため、観察結果を区別して覚える。
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Credit: ChemStudy 自作図 License: Original

実験情報

目的

臭素水や過マンガン酸カリウム水溶液を用いて、アルケンのC=C二重結合を識別する。

原理

アルケンはC=C二重結合をもつ不飽和炭化水素であり、臭素と付加反応を起こす。そのため、臭素水の赤褐色が消える。また、アルケンは酸化されやすく、薄い過マンガン酸カリウム水溶液の色を変化させる。アルカンは通常これらの反応を示しにくいため、アルケンとの識別に利用できる。

器具

  • 試験管
  • 試験管立て
  • スポイト
  • 保護メガネ
  • 手袋

試薬

  • アルケンを含む試料
  • アルカンを含む比較試料
  • 臭素水
  • 薄い過マンガン酸カリウム水溶液

手順

  1. 保護メガネと手袋を着用し、臭素水や過マンガン酸カリウム水溶液を直接触れないようにする。
  2. 試験管にアルケンを含む試料を少量入れる。
  3. 臭素水を数滴加え、赤褐色が消えるか観察する。
  4. 別の試験管にアルカンを含む比較試料を入れ、同じように臭素水を加えて比較する。
  5. 別の試験管にアルケン試料を入れ、薄い過マンガン酸カリウム水溶液を数滴加える。
  6. 紫色が薄くなるか、褐色沈殿が生じるかを観察する。
  7. 臭素水と過マンガン酸カリウム水溶液の結果を表にまとめる。
  8. アルケン・アルカン・フェノールの違いを整理する。

観察結果

試料 結果
アルケン + 臭素水 臭素水の赤褐色が消える
アルカン + 臭素水 通常、暗所では大きな変化は見られにくい
アルケン + 薄いKMnO₄水溶液 紫色が薄くなる。条件によって褐色沈殿が見られる
アルカン + 薄いKMnO₄水溶液 通常、大きな変化は見られにくい
フェノール + 臭素水 白色沈殿を生じる

安全上の注意

  • 臭素水は刺激性があるため、皮膚や目につけない。
  • 過マンガン酸カリウム水溶液は酸化剤なので、衣服や皮膚につけない。
  • 試薬を直接におわない。
  • 試験管の口を人に向けない。
  • こぼした場合は自己判断で処理せず、教員や指導者に知らせる。

廃液・廃棄

  • 臭素水を含む廃液は、指導者の指示に従って処理する。
  • 過マンガン酸カリウムを含む廃液は、指定された廃液容器に入れる。
  • 有機化合物を含む廃液は、通常の流しに捨てない。
  • 沈殿を含む試験管は、指定された方法で洗浄する。

早覚え表

印刷・PDF保存・CSVダウンロードに対応しています。

アルケンの代表的な識別反応

対象 試薬・操作 観察結果 判断できること
アルケン 臭素水 赤褐色が消える C=C二重結合をもつ
アルケン 薄いKMnO₄水溶液 紫色が薄くなる 酸化されやすい不飽和結合をもつ
アルカン 臭素水 通常、暗所では変化しにくい C=C二重結合をもたない
フェノール 臭素水 白色沈殿 アルケンの脱色とは区別する

アルケン・アルカン・フェノールの比較

分類 構造の特徴 臭素水 KMnO₄水溶液 覚えるポイント
アルケン C=C二重結合 脱色 脱色・沈殿 不飽和結合の検出
アルカン C-C単結合のみ 通常変化しにくい 通常変化しにくい 飽和炭化水素
フェノール ベンゼン環にOH 白色沈殿 主な識別には使わない 臭素水では沈殿に注目

覚え方・暗記ポイント

アルケンは臭素水を脱色する。
臭素水の脱色は、C=C二重結合への付加反応で起こる。
アルケンは薄いKMnO₄水溶液の色も変化させる。
アルカンは通常、臭素水やKMnO₄水溶液に大きな変化を示しにくい。
フェノールは臭素水で白色沈殿を生じるので、アルケンの脱色と区別する。
目次

1 臭素水によるアルケンの識別

アルケンはC=C二重結合をもつため、臭素と付加反応を起こします。
臭素水は赤褐色をしていますが、アルケンに加えると臭素が反応に使われるため、色が消えます。
この脱色は、不飽和結合の有無を調べる代表的な識別反応です。
アルケンへの臭素の付加
C=C + Br₂ → Br-C-C-Br
二重結合が開いて、臭素原子が2つ付加します。
確認ポイント
  • アルケンが臭素水を脱色する理由を説明できる
  • 付加反応として説明できる
  • アルカンとの違いを説明できる
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2 過マンガン酸カリウム水溶液による識別

アルケンは酸化されやすく、薄い過マンガン酸カリウム水溶液の色を変化させます。
実験条件によって、紫色が薄くなったり、褐色の沈殿が見えたりします。
この反応もC=C二重結合をもつ化合物の識別に利用されます。
アルケンの酸化
アルケン + KMnO₄ → 酸化生成物
高校範囲では、細かい生成物よりも色の変化を重視します。
確認ポイント
  • KMnO₄水溶液で確認できる性質を説明できる
  • 色の変化を識別反応として使える
  • 臭素水との共通点を説明できる
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3 フェノールとの違い

フェノールも臭素水に変化を与えますが、フェノールでは2,4,6-トリブロモフェノールの白色沈殿が生じます。
アルケンでは主に臭素水の脱色に注目し、フェノールでは白色沈殿に注目します。
同じ臭素水を使う反応でも、観察結果を区別して覚えることが重要です。
確認ポイント
  • アルケンとフェノールの臭素水反応を区別できる
  • 脱色と白色沈殿の違いを説明できる
  • 識別反応を表で整理できる
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