実験 / experiment_inorganic

両性水酸化物の溶解実験

Al(OH)₃やZn(OH)₂が、酸にも過剰な強塩基にも溶けることを観察し、両性水酸化物と錯イオン形成を理解する実験教材です。
実験教材
難易度:発展 目安:40分
# 実験 # 無機化学 # 両性水酸化物 # 水酸化アルミニウム # 水酸化亜鉛 # 錯イオン # 沈殿

この教材で学ぶこと

到達目標

  • 両性水酸化物が酸にも塩基にも反応することを説明できる
  • Al(OH)₃とZn(OH)₂の白色沈殿を説明できる
  • 過剰NaOHで沈殿が溶ける理由を理解できる
  • Zn(OH)₂とAl(OH)₃のアンモニア水への溶解性の違いを整理できる

前提知識

  • 沈殿反応
  • 金属イオン
  • 錯イオン
  • 酸と塩基
  • アルミニウム
  • 亜鉛

図・写真

※スマホで画像が見づらい場合は、画像を拡大表示するか、別タブで開くと確認しやすいです。

STEP 1 水酸化アルミニウム
水酸化アルミニウムの白色固体の写真
水酸化アルミニウムは白色の水酸化物で、実験ではAl³⁺に少量のOH⁻を加えると白色沈殿として観察される。
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Credit: Chemicalinterest / Wikimedia Commons License: Public domain Source
STEP 2 両性水酸化物の溶解
Al(OH)3やZn(OH)2が少量NaOHで沈殿し、過剰NaOHで溶ける流れの模式図
Al³⁺やZn²⁺に少量のNaOHを加えると白色沈殿を生じるが、過剰NaOHでは錯イオンを作って溶ける。
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Credit: ChemStudy 自作図 License: Original

実験情報

目的

Al(OH)₃やZn(OH)₂の沈殿生成と、過剰な酸・塩基への溶解を観察し、両性水酸化物の性質を確認する。

原理

両性水酸化物は、酸とも塩基とも反応する水酸化物である。Al³⁺やZn²⁺を含む溶液に少量のNaOH水溶液を加えると、Al(OH)₃やZn(OH)₂の白色沈殿が生じる。さらに過剰のNaOH水溶液を加えると、これらの沈殿は錯イオンを形成して溶ける。Al(OH)₃は過剰NH₃水には溶けにくいが、Zn(OH)₂は過剰NH₃水にも溶けやすい。

器具

  • 試験管
  • 試験管立て
  • スポイト
  • 保護メガネ
  • 手袋

試薬

  • アルミニウムイオンを含む水溶液
  • 亜鉛イオンを含む水溶液
  • 水酸化ナトリウム水溶液
  • アンモニア水
  • 希塩酸
  • 蒸留水

手順

  1. 保護メガネと手袋を着用する。
  2. 試験管にAl³⁺を含む水溶液を少量入れる。
  3. NaOH水溶液を少量ずつ加え、白色沈殿が生じるか観察する。
  4. さらに過剰のNaOH水溶液を加え、沈殿が溶けるか観察する。
  5. 別の試験管でZn²⁺を含む水溶液にも同じ操作を行う。
  6. 必要に応じて、過剰NH₃水への溶解性も比較する。
  7. 酸を加えたときに沈殿が溶けるか確認する。

観察結果

試料 結果
Al³⁺ + 少量NaOH Al(OH)₃の白色沈殿が生じる
Al(OH)₃ + 過剰NaOH 沈殿が溶ける
Zn²⁺ + 少量NaOH Zn(OH)₂の白色沈殿が生じる
Zn(OH)₂ + 過剰NaOH 沈殿が溶ける
Zn(OH)₂ + 過剰NH₃水 沈殿が溶けやすい
Al(OH)₃ + 過剰NH₃水 沈殿は溶けにくい

安全上の注意

  • NaOH水溶液は強塩基なので、皮膚や目につけない。
  • アンモニア水は刺激臭があるため、直接におわない。
  • 金属イオンを含む廃液を流しに捨てない。
  • 試験管の口を人に向けない。
  • こぼした場合は教員や指導者に知らせる。

廃液・廃棄

  • 金属イオンを含む廃液は指定された重金属廃液容器に入れる。
  • 強塩基性・酸性の廃液は指導者の指示に従って処理する。
  • 使用後の試験管は十分に洗浄する。

早覚え表

印刷・PDF保存・CSVダウンロードに対応しています。

両性水酸化物の基本

水酸化物 少量NaOH 過剰NaOH 過剰NH₃水
Al(OH)₃ 白色沈殿 溶ける 溶けにくい
Zn(OH)₂ 白色沈殿 溶ける 溶けやすい
Pb(OH)₂ 白色沈殿 溶ける 通常あまり扱わない
Cu(OH)₂ 青白色沈殿 基本的に両性ではない 過剰NH₃水で深青色錯体

代表的な反応式

反応 反応式 ポイント
Al(OH)₃の沈殿 Al³⁺ + 3OH⁻ → Al(OH)₃↓ 白色沈殿
Al(OH)₃の溶解 Al(OH)₃ + OH⁻ → [Al(OH)₄]⁻ 過剰NaOHで溶ける
Zn(OH)₂の沈殿 Zn²⁺ + 2OH⁻ → Zn(OH)₂↓ 白色沈殿
Zn(OH)₂の溶解 Zn(OH)₂ + 2OH⁻ → [Zn(OH)₄]²⁻ 過剰NaOHで溶ける

覚え方・暗記ポイント

両性水酸化物は酸にも塩基にも反応する。
Al(OH)₃とZn(OH)₂は白色沈殿。
Al(OH)₃は過剰NaOHに溶けるが、過剰NH₃水には溶けにくい。
Zn(OH)₂は過剰NaOHにも過剰NH₃水にも溶けやすい。
過剰NaOHで溶けるのは錯イオンを作るため。
Al、Zn、Pbの水酸化物は両性としてよく出る。
目次

1 両性水酸化物とは

両性水酸化物とは、酸にも塩基にも反応する水酸化物です。
代表例として、Al(OH)₃、Zn(OH)₂、Pb(OH)₂などがあります。
少量のNaOH水溶液を加えると沈殿しますが、過剰に加えると錯イオンを作って溶けることがあります。
確認ポイント
  • 両性水酸化物の意味を説明できる
  • 代表例を答えられる
  • 少量NaOHと過剰NaOHで結果が変わる理由を説明できる
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2 Al(OH)₃とZn(OH)₂の違い

Al(OH)₃とZn(OH)₂は、どちらも少量のNaOHで白色沈殿を作ります。
どちらも過剰のNaOH水溶液には溶けます。
一方で、過剰のアンモニア水に対しては違いがあり、Zn(OH)₂は溶けやすく、Al(OH)₃は溶けにくいという違いがあります。
確認ポイント
  • Al(OH)₃とZn(OH)₂の共通点を説明できる
  • 過剰NaOHへの溶解を説明できる
  • 過剰NH₃水への溶解性の違いを説明できる
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