実験 / experiment_inorganic

錯イオン形成実験

銅(II)イオンにアンモニア水を加えたときの沈殿生成と、過剰アンモニアによる深青色錯イオン形成を観察する実験教材です。
実験教材
難易度:標準 目安:35分
# 実験 # 無機化学 # 錯イオン # 銅(II)イオン # アンモニア # 沈殿 # 深青色

この教材で学ぶこと

到達目標

  • 錯イオンが配位子と金属イオンからできることを説明できる
  • 銅(II)イオンとアンモニア水の反応を段階的に説明できる
  • 少量のアンモニア水と過剰のアンモニア水で結果が変わることを理解できる
  • 深青色のテトラアンミン銅(II)イオンを識別できる

前提知識

  • 金属イオン
  • 沈殿反応
  • アンモニア
  • 錯イオン
  • 配位結合

図・写真

※スマホで画像が見づらい場合は、画像を拡大表示するか、別タブで開くと確認しやすいです。

STEP 1 深青色錯体溶液
テトラアンミン銅(II)硫酸塩の深青色溶液の写真
テトラアンミン銅(II)イオンを含む溶液は深青色を示す。銅(II)イオンと過剰のアンモニア水の反応でよく出る色である。
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Credit: Choij / Wikimedia Commons License: Public domain Source
STEP 2 アンモニア水添加時の様子
硫酸銅(II)水溶液にアンモニア水を加えたときの深青色溶液と沈殿の写真
硫酸銅(II)水溶液にアンモニア水を加えると、青白色沈殿を経て、過剰アンモニアにより深青色錯体が生じる。
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Credit: Jovus-1 / Wikimedia Commons License: CC BY 4.0 Source
STEP 3 錯イオン形成の流れ
銅(II)イオンに少量アンモニア水、過剰アンモニア水を加えたときの変化の模式図
Cu²⁺に少量のNH₃水を加えるとCu(OH)₂の青白色沈殿が生じ、過剰のNH₃水で[Cu(NH₃)₄]²⁺の深青色溶液になる。
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Credit: ChemStudy 自作図 License: Original

実験情報

目的

銅(II)イオンにアンモニア水を加え、沈殿生成と錯イオン形成による色の変化を観察する。

原理

金属イオンは、アンモニアや水などの分子・イオンと結合して錯イオンを作ることがある。銅(II)イオンを含む水溶液に少量のアンモニア水を加えると、水酸化銅(II)の青白色沈殿が生じる。さらに過剰のアンモニア水を加えると、沈殿が溶け、テトラアンミン銅(II)イオン[Cu(NH₃)₄]²⁺を含む深青色溶液になる。

器具

  • 試験管
  • 試験管立て
  • スポイト
  • 保護メガネ
  • 手袋

試薬

  • 硫酸銅(II)水溶液
  • アンモニア水
  • 蒸留水

手順

  1. 保護メガネと手袋を着用する。
  2. 試験管に硫酸銅(II)水溶液を少量入れる。
  3. アンモニア水を少量ずつ加え、沈殿の生成を観察する。
  4. さらにアンモニア水を過剰に加える。
  5. 沈殿が溶け、溶液が深青色になるか観察する。
  6. 少量添加時と過剰添加時の違いを記録する。

観察結果

試料 結果
Cu²⁺水溶液 淡青色
少量のNH₃水を加える Cu(OH)₂の青白色沈殿が生じる
過剰のNH₃水を加える 沈殿が溶け、深青色溶液になる
深青色溶液 [Cu(NH₃)₄]²⁺を含む

安全上の注意

  • アンモニア水は刺激臭があり、直接におわない。
  • アンモニア水を皮膚や目につけない。
  • 硫酸銅(II)水溶液を飲み込んだり触れたりしない。
  • 試験管の口を人に向けない。
  • こぼした場合は教員や指導者に知らせる。

廃液・廃棄

  • 銅イオンを含む廃液は指定された重金属廃液容器に入れる。
  • アンモニアを含む廃液は指導者の指示に従って処理する。
  • 試験管は十分に洗浄する。

早覚え表

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銅(II)イオンとアンモニア水

操作 観察結果 主な化学種 ポイント
Cu²⁺水溶液 淡青色 水和銅(II)イオン 銅(II)は青系
少量NH₃水 青白色沈殿 Cu(OH)₂ まず沈殿が生じる
過剰NH₃水 沈殿が溶けて深青色 [Cu(NH₃)₄]²⁺ 錯イオン形成
深青色溶液 強い青色 テトラアンミン銅(II)イオン 無機化学で頻出

錯イオン形成でよく出る例

金属イオン 配位子 錯イオン 色・特徴
Cu²⁺ NH₃ [Cu(NH₃)₄]²⁺ 深青色
Ag⁺ NH₃ [Ag(NH₃)₂]⁺ AgClが溶ける
Zn²⁺ NH₃ [Zn(NH₃)₄]²⁺ 無色
Al³⁺ OH⁻ [Al(OH)₄]⁻ 両性水酸化物として重要
Fe³⁺ SCN⁻ [FeSCN]²⁺など 血赤色

覚え方・暗記ポイント

銅(II)イオンは青系の色で覚える。
少量NH₃水ではCu(OH)₂の青白色沈殿。
過剰NH₃水では深青色の[Cu(NH₃)₄]²⁺。
錯イオンは金属イオンに配位子が結合したもの。
AgClがアンモニア水に溶けるのも錯イオン形成で説明できる。
目次

1 錯イオンとは何か

錯イオンは、金属イオンに分子やイオンが結合してできるイオンです。
金属イオンに結合する分子やイオンを配位子といいます。
アンモニアNH₃は代表的な配位子で、銅(II)イオンや銀イオンなどと錯イオンを作ります。
確認ポイント
  • 錯イオンの意味を説明できる
  • 配位子の意味を説明できる
  • アンモニアが配位子になることを説明できる
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2 銅(II)イオンとアンモニア水

硫酸銅(II)水溶液に少量のアンモニア水を加えると、まず水酸化銅(II)の青白色沈殿が生じます。
さらにアンモニア水を過剰に加えると、沈殿が溶けて深青色の錯イオン溶液になります。
この深青色は、テトラアンミン銅(II)イオン[Cu(NH₃)₄]²⁺によるものです。
確認ポイント
  • 少量NH₃水で起こる変化を説明できる
  • 過剰NH₃水で起こる変化を説明できる
  • 深青色の原因を説明できる
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