実験 / experiment_inorganic

鉄イオン Fe²⁺ / Fe³⁺ の確認実験

Fe²⁺とFe³⁺を、チオシアン酸イオンやヘキサシアノ鉄酸イオンとの反応による色の変化で確認する実験教材です。
実験教材
難易度:発展 目安:40分
# 実験 # 無機化学 # 鉄イオン # Fe2+ # Fe3+ # チオシアン酸イオン # 定性分析 # 錯イオン

この教材で学ぶこと

到達目標

  • Fe²⁺とFe³⁺の違いを説明できる
  • Fe³⁺がチオシアン酸イオンと血赤色錯体を作ることを説明できる
  • Fe²⁺の確認にヘキサシアノ鉄(III)酸イオンが使われることを理解できる
  • Fe²⁺が酸化されてFe³⁺になりやすいことを説明できる

前提知識

  • 酸化還元反応
  • 錯イオン
  • 遷移金属イオン
  • 沈殿反応
  • 定性分析

図・写真

※スマホで画像が見づらい場合は、画像を拡大表示するか、別タブで開くと確認しやすいです。

STEP 1 鉄(III)-チオシアン酸錯体
鉄(III)イオンとチオシアン酸イオンの反応で生じた赤色錯体の写真
Fe³⁺にチオシアン酸イオンSCN⁻を加えると、血赤色の錯体を生じる。Fe³⁺の確認反応として重要である。
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Credit: Keministi / Wikimedia Commons License: CC0 1.0 Source
STEP 2 定性分析の色変化
さまざまな金属イオンの定性反応による色の変化の写真
定性分析では、金属イオンごとに特徴的な色や沈殿を利用する。鉄イオンも錯体形成による色変化で確認できる。
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Credit: Alina.Popova.26 / Wikimedia Commons License: CC BY 4.0 Source
STEP 3 Fe²⁺ / Fe³⁺確認の流れ
Fe2+とFe3+の確認反応を比較した模式図
Fe³⁺はKSCNで血赤色、Fe²⁺は赤血塩で濃青色沈殿を生じる反応が確認に使われる。
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Credit: ChemStudy 自作図 License: Original

実験情報

目的

Fe²⁺とFe³⁺を含む試料を、試薬との反応による色の変化で識別する。

原理

鉄にはFe²⁺とFe³⁺のように酸化数の異なるイオンが存在する。Fe³⁺はチオシアン酸イオンSCN⁻と反応して血赤色の錯体を作るため、Fe³⁺の確認に利用できる。Fe²⁺はヘキサシアノ鉄(III)酸イオンと反応して濃青色沈殿を生じる反応が確認に使われる。Fe²⁺は空気中の酸素などでFe³⁺へ酸化されやすい点にも注意が必要である。

器具

  • 試験管
  • 試験管立て
  • スポイト
  • 保護メガネ
  • 手袋

試薬

  • Fe²⁺を含む水溶液
  • Fe³⁺を含む水溶液
  • チオシアン酸カリウム水溶液
  • ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム水溶液
  • 希塩酸
  • 蒸留水

手順

  1. 保護メガネと手袋を着用する。
  2. Fe³⁺を含む試料溶液を試験管に少量入れる。
  3. チオシアン酸カリウム水溶液を数滴加え、色の変化を観察する。
  4. Fe²⁺を含む試料溶液を別の試験管に少量入れる。
  5. ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム水溶液を数滴加え、沈殿や色の変化を観察する。
  6. 必要に応じてFe²⁺が酸化された場合の変化も比較する。

観察結果

試料 結果
Fe³⁺ + SCN⁻ 血赤色の錯体を生じる
Fe²⁺ + ヘキサシアノ鉄(III)酸イオン 濃青色沈殿を生じる
Fe²⁺溶液を放置 空気酸化によりFe³⁺を含むようになることがある
鉄イオンの確認 色や沈殿の違いで判定する

安全上の注意

  • 鉄塩やチオシアン酸塩を皮膚や目につけない。
  • 試薬を直接におわない。
  • シアン錯体を含む試薬は指導者の指示に従って慎重に扱う。
  • 試験管の口を人に向けない。
  • こぼした場合は教員や指導者に知らせる。

廃液・廃棄

  • 鉄イオンや錯体を含む廃液は指定された廃液容器に入れる。
  • チオシアン酸塩やヘキサシアノ鉄酸塩を含む廃液は指導者の指示に従う。
  • 使用後の試験管は十分に洗浄する。

早覚え表

印刷・PDF保存・CSVダウンロードに対応しています。

Fe²⁺ / Fe³⁺ の確認反応

イオン 試薬 観察結果 ポイント
Fe³⁺ KSCN 血赤色 チオシアン酸錯体
Fe²⁺ 赤血塩 濃青色沈殿 Fe²⁺の確認に使う
Fe³⁺ 黄血塩 濃青色沈殿 Fe³⁺の確認に使う
Fe²⁺ 放置・酸化 Fe³⁺へ変化しやすい 酸化還元と関連

鉄イオンで覚えるポイント

項目 内容
Fe²⁺ 鉄(II)イオン。還元された側で、Fe³⁺へ酸化されやすい
Fe³⁺ 鉄(III)イオン。KSCNで血赤色を示す
血赤色 Fe³⁺とSCN⁻による錯体形成
濃青色 ヘキサシアノ鉄酸イオンとの反応で出る重要な色
注意 試薬名とFe²⁺/Fe³⁺の対応を混同しやすい

覚え方・暗記ポイント

Fe³⁺ + SCN⁻ は血赤色。
Fe³⁺確認にはチオシアン酸イオンがよく使われる。
Fe²⁺は酸化されてFe³⁺になりやすい。
鉄イオンの確認は色と沈殿で覚える。
赤血塩・黄血塩は名前が紛らわしいので表で整理する。
目次

1 Fe³⁺の確認

Fe³⁺はチオシアン酸イオンSCN⁻と反応して、血赤色の錯体を作ります。
この色は非常に特徴的なので、Fe³⁺の確認反応としてよく使われます。
遷移金属イオンの定性分析では、錯体形成による色の変化が重要です。
確認ポイント
  • Fe³⁺の確認試薬を答えられる
  • 血赤色の原因を説明できる
  • 錯イオン形成と色変化を結びつけられる
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2 Fe²⁺とFe³⁺の違い

Fe²⁺とFe³⁺は、鉄の酸化数が異なるイオンです。
Fe²⁺は空気中の酸素などで酸化され、Fe³⁺になりやすい性質があります。
そのため、鉄イオンの確認では、酸化還元の視点もあわせて考えることが大切です。
確認ポイント
  • Fe²⁺とFe³⁺の違いを説明できる
  • Fe²⁺が酸化されやすいことを説明できる
  • 確認反応と酸化還元を結びつけられる
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