実験 / experiment_inorganic

金属のイオン化傾向実験

亜鉛と硫酸銅(II)水溶液、亜鉛と酸の反応などを通して、金属のイオン化傾向と置換反応を学ぶ実験教材です。
実験教材
難易度:標準 目安:40分
# 実験 # 無機化学 # イオン化傾向 # 金属 # 置換反応 # 酸化還元 # 亜鉛 # 銅

この教材で学ぶこと

到達目標

  • 金属のイオン化傾向の意味を説明できる
  • 亜鉛が銅(II)イオンを還元して銅を析出させることを説明できる
  • 置換反応を酸化還元反応として理解できる
  • 金属と酸の反応による水素発生を説明できる

前提知識

  • 酸化還元反応
  • 金属イオン
  • 電子の授受
  • 電池
  • 水素の発生

図・写真

※スマホで画像が見づらい場合は、画像を拡大表示するか、別タブで開くと確認しやすいです。

STEP 1 亜鉛と硫酸銅(II)の反応
亜鉛と硫酸銅(II)水溶液の反応で銅が生じた写真
亜鉛は銅よりイオン化傾向が大きいため、Cu²⁺をCuに還元し、自身はZn²⁺になる。
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Credit: Chemicalinterest / Wikimedia Commons License: Public domain Source
STEP 2 亜鉛と塩酸の反応
亜鉛が塩酸と反応して水素を発生している写真
亜鉛は希塩酸と反応して水素を発生する。酸と反応しやすい金属ほど、水素を発生しやすい。
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Credit: LuisBrudna / Wikimedia Commons License: CC BY-SA 4.0 Source
STEP 3 イオン化傾向実験の流れ
亜鉛と銅イオンの置換反応、亜鉛と酸の反応を示す模式図
ZnはCuよりイオン化傾向が大きいため、Zn + Cu²⁺ → Zn²⁺ + Cu の置換反応が起こる。
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Credit: ChemStudy 自作図 License: Original

実験情報

目的

金属の反応性の違いを、金属と金属イオンの置換反応や酸との反応から確認する。

原理

金属のイオン化傾向とは、金属が電子を失って陽イオンになりやすい傾向のことである。イオン化傾向が大きい金属は、よりイオン化傾向が小さい金属のイオンを還元して金属単体として析出させることができる。例えば、亜鉛は銅よりイオン化傾向が大きいため、Cu²⁺をCuに還元し、自身はZn²⁺になる。また、水素よりイオン化傾向が大きい金属は、希酸と反応してH₂を発生しやすい。

器具

  • 試験管
  • ビーカー
  • ピンセット
  • 金属片
  • 保護メガネ
  • 手袋

試薬

  • 亜鉛片
  • 銅片
  • 硫酸銅(II)水溶液
  • 硫酸亜鉛水溶液
  • 希塩酸
  • 蒸留水

手順

  1. 保護メガネと手袋を着用する。
  2. 試験管に硫酸銅(II)水溶液を入れる。
  3. 亜鉛片を硫酸銅(II)水溶液に入れる。
  4. 金属表面や溶液の色の変化を観察する。
  5. 別の試験管に希塩酸を入れ、亜鉛片を加える。
  6. 気体が発生するか観察する。
  7. 必要に応じて、銅片を希塩酸に入れた場合と比較する。

観察結果

試料 結果
Zn + CuSO₄水溶液 亜鉛表面に銅が析出し、青色が薄くなることがある
Cu + ZnSO₄水溶液 反応は起こりにくい
Zn + 希塩酸 水素が発生する
Cu + 希塩酸 通常は反応しにくい

安全上の注意

  • 希塩酸を皮膚や目につけない。
  • 発生した水素は可燃性なので火気を近づけない。
  • 金属片で手を切らないようにする。
  • 硫酸銅(II)水溶液を直接触らない。
  • こぼした場合は教員や指導者に知らせる。

廃液・廃棄

  • 銅イオンや亜鉛イオンを含む廃液は指定された重金属廃液容器に入れる。
  • 酸性廃液は指導者の指示に従って処理する。
  • 金属片は洗浄または指定の方法で回収する。

早覚え表

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金属のイオン化傾向と反応

実験 観察結果 反応の意味
ZnをCuSO₄水溶液に入れる Cuが析出する ZnがCu²⁺を還元する
CuをZnSO₄水溶液に入れる 反応しにくい CuはZn²⁺を還元できない
Znを希塩酸に入れる H₂が発生する ZnはH⁺を還元できる
Cuを希塩酸に入れる 反応しにくい CuはHよりイオン化傾向が小さい

代表的なイオン化傾向

大きい 中間 小さい
K, Ca, Na Mg, Al, Zn, Fe Cu, Hg, Ag, Pt, Au
水と反応しやすいものもある 酸と反応してH₂を出しやすい 酸と反応しにくいものが多い
強い還元剤になりやすい 置換反応で比較しやすい 単体として析出しやすい

反応式まとめ

反応 反応式 酸化還元の見方
亜鉛と銅(II)イオン Zn + Cu²⁺ → Zn²⁺ + Cu Znが酸化、Cu²⁺が還元
亜鉛と塩酸 Zn + 2H⁺ → Zn²⁺ + H₂ Znが酸化、H⁺が還元
亜鉛の酸化 Zn → Zn²⁺ + 2e⁻ 電子を出す
銅(II)イオンの還元 Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu 電子を受け取る

覚え方・暗記ポイント

イオン化傾向は陽イオンになりやすさ。
大きい金属は電子を出しやすい。
ZnはCuよりイオン化傾向が大きい。
Zn + Cu²⁺ → Zn²⁺ + Cu は置換反応。
水素よりイオン化傾向が大きい金属は希酸と反応してH₂を出しやすい。
Cu、Ag、Auは反応しにくい金属として覚える。
目次

1 イオン化傾向とは

イオン化傾向とは、金属が電子を失って陽イオンになりやすい傾向です。
イオン化傾向が大きい金属ほど、電子を出しやすく、酸化されやすいといえます。
そのため、金属の反応性や電池のしくみを考えるときに重要です。
確認ポイント
  • イオン化傾向の意味を説明できる
  • 電子を出しやすい金属を判断できる
  • 酸化されやすさと結びつけられる
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2 置換反応と酸化還元

亜鉛を硫酸銅(II)水溶液に入れると、亜鉛がZn²⁺になり、Cu²⁺がCuとして析出します。
これは、亜鉛が銅よりイオン化傾向が大きいためです。
この反応は、金属の置換反応であると同時に、電子の授受をともなう酸化還元反応でもあります。
確認ポイント
  • ZnとCu²⁺の反応式を書ける
  • 酸化される物質と還元される物質を判断できる
  • 置換反応とイオン化傾向を結びつけられる
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