実験 / experiment_electrochemistry

酸化還元滴定実験

過マンガン酸カリウム滴定を例に、酸化剤と還元剤の反応を利用して濃度を求める酸化還元滴定の基本を学ぶ実験教材です。
実験教材
難易度:発展 目安:45分
# 実験 # 酸化還元 # 滴定 # 過マンガン酸カリウム # モール塩 # 電気化学

この教材で学ぶこと

到達目標

  • 酸化還元滴定が酸化剤と還元剤の量的関係を利用することを説明できる
  • 過マンガン酸カリウム滴定の終点を説明できる
  • 半反応式から反応比を考えられる
  • 滴定結果から未知試料の濃度を計算できる

前提知識

  • 酸化還元反応
  • 酸化剤と還元剤
  • 半反応式
  • 中和滴定
  • モル計算

図・写真

※スマホで画像が見づらい場合は、画像を拡大表示するか、別タブで開くと確認しやすいです。

STEP 1 過マンガン酸カリウム滴定の写真
過マンガン酸カリウムを用いた酸化還元滴定の写真
過マンガン酸カリウム滴定では、KMnO₄の赤紫色が終点判断の目印になる。
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Credit: ECM00 / Wikimedia Commons License: CC BY 4.0 Source
STEP 2 滴定の流れ
過マンガン酸カリウム滴定の流れを示す模式図
KMnO₄標準液を滴下し、赤紫色が消えなくなったところを終点として扱う。
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Credit: ChemStudy 自作図 License: Original

実験情報

目的

過マンガン酸カリウム標準液を用いて、還元剤を含む試料の濃度を求める。

原理

酸化還元滴定は、酸化剤と還元剤が一定の物質量比で反応することを利用する。酸性条件下で過マンガン酸イオンMnO₄⁻は強い酸化剤として働き、自身はMn²⁺に還元される。過マンガン酸カリウム水溶液は赤紫色をしており、反応が完了して過剰のKMnO₄が残ると、溶液に薄い赤紫色が残る。この色の変化を終点として利用できる。

器具

  • ビュレット
  • ホールピペット
  • 三角フラスコ
  • ビーカー
  • 保護メガネ

試薬

  • 過マンガン酸カリウム標準液
  • 還元剤を含む試料溶液
  • 希硫酸
  • 蒸留水

手順

  1. 保護メガネを着用し、器具を洗浄する。
  2. ビュレットに過マンガン酸カリウム標準液を入れる。
  3. ホールピペットで試料溶液を一定量取り、三角フラスコに入れる。
  4. 三角フラスコに希硫酸を加え、酸性条件にする。
  5. 過マンガン酸カリウム標準液を少しずつ滴下し、よく振り混ぜる。
  6. 滴下した赤紫色がすぐ消える間は滴定を続ける。
  7. 薄い赤紫色がしばらく残るところを終点とする。
  8. 加えたKMnO₄標準液の体積から、試料中の還元剤の濃度を計算する。

観察結果

試料 結果
滴定初期 KMnO₄の赤紫色がすぐに消える
終点付近 赤紫色が消えにくくなる
終点 薄い赤紫色が残る
滴定しすぎ 赤紫色が濃く残り、誤差が大きくなる

安全上の注意

  • 過マンガン酸カリウムは酸化剤なので、皮膚や衣服につけない。
  • 希硫酸を扱うため、目や皮膚に触れないようにする。
  • 三角フラスコを振るときに液を飛ばさない。
  • こぼした場合は自己判断で処理せず、教員や指導者に知らせる。

廃液・廃棄

  • マンガンを含む廃液は指定された廃液容器に入れる。
  • 酸性廃液は指導者の指示に従って処理する。
  • 使用後の器具は十分に洗浄する。

早覚え表

印刷・PDF保存・CSVダウンロードに対応しています。

過マンガン酸カリウム滴定の基本

項目 内容 ポイント
酸化剤 KMnO₄ 赤紫色をしている
条件 酸性条件 通常、希硫酸を加える
終点 薄い赤紫色が残る KMnO₄が少し過剰になった合図
指示薬 原則不要 KMnO₄自身の色を利用する
注意 滴定しすぎない 濃い赤紫色まで入れると誤差が大きい

酸化還元滴定と中和滴定の比較

項目 中和滴定 酸化還元滴定
利用する反応 酸と塩基の中和 酸化剤と還元剤の反応
代表例 HClとNaOH KMnO₄とFe²⁺
終点判断 指示薬の色変化 KMnO₄の赤紫色など
計算 H⁺とOH⁻の量的関係 電子の授受・反応比

覚え方・暗記ポイント

KMnO₄滴定では指示薬が不要なことが多い。
KMnO₄自身の赤紫色が終点の目印になる。
終点は薄い赤紫色が残るところ。
酸性条件では希硫酸を使う。
酸化還元滴定では半反応式から反応比を確認する。
目次

1 酸化還元滴定の考え方

酸化還元滴定は、酸化剤と還元剤が一定の比で反応することを利用して濃度を求める方法です。
中和滴定が酸と塩基の反応を利用するのに対し、酸化還元滴定では電子の授受を利用します。
過マンガン酸カリウム滴定では、KMnO₄が酸化剤として働き、還元剤を酸化します。
確認ポイント
  • 酸化還元滴定の目的を説明できる
  • 中和滴定との違いを説明できる
  • 酸化剤と還元剤を区別できる
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2 終点の見方

過マンガン酸カリウム水溶液は赤紫色をしています。
還元剤が残っている間は、加えたKMnO₄の色が消えます。
還元剤がすべて反応し終わると、少量過剰になったKMnO₄の赤紫色が消えずに残ります。これを終点とします。
確認ポイント
  • KMnO₄の色を説明できる
  • 赤紫色が残る理由を説明できる
  • 滴定しすぎによる誤差を説明できる
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