無機化学 / alkaline_earth_metal

アルカリ土類金属

2族元素のうち、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属について、性質、炎色反応、水との反応、硫酸塩・炭酸塩の沈殿をまとめた教材です。
難易度:標準 目安:35分
# 無機化学 # アルカリ土類金属 # 2族元素 # カルシウム # バリウム

この教材で学ぶこと

到達目標

  • アルカリ土類金属が周期表のどこにあるか説明できる
  • カルシウム、ストロンチウム、バリウムの炎色反応を答えられる
  • アルカリ土類金属が2価の陽イオンになりやすいことを説明できる
  • 硫酸塩や炭酸塩の沈殿を判断できる
  • カルシウム化合物の代表例を区別できる

前提知識

  • 周期表の族と周期
  • 金属元素の基本
  • 炎色反応
  • 沈殿反応の基礎
目次

1 アルカリ土類金属とは

アルカリ土類金属とは、周期表の2族元素のうち、主にカルシウム Ca、ストロンチウム Sr、バリウム Ba などを指します。
ベリリウム Be とマグネシウム Mg は2族元素ですが、高校化学では典型的なアルカリ土類金属としては扱いが少し異なることがあります。
アルカリ土類金属は価電子を2個もち、2価の陽イオンになりやすい性質があります。
アルカリ金属ほどではありませんが、反応性が比較的大きく、水や酸と反応します。
高校化学では、炎色反応、硫酸塩の沈殿、炭酸塩の沈殿、カルシウム化合物がよく出題されます。
主なアルカリ土類金属
元素記号 元素名 主なイオン 特徴
Ca カルシウム Ca²⁺ 石灰石、貝殻、骨などに関係する
Sr ストロンチウム Sr²⁺ 炎色反応は紅色
Ba バリウム Ba²⁺ 炎色反応は黄緑色。硫酸イオンの検出に重要
Mg マグネシウム Mg²⁺ 2族元素。燃焼で強い白色光を出す
確認ポイント
  • アルカリ土類金属が主に2族元素であることを説明できる
  • Ca、Sr、Baの元素名と元素記号を対応させられる
  • アルカリ土類金属が2価の陽イオンになりやすいことを説明できる
↑ 目次へ戻る

2 共通する性質

アルカリ土類金属は、価電子を2個もち、2価の陽イオン M²⁺ になりやすいです。
アルカリ金属よりは反応性が小さいですが、金属元素として反応性は比較的大きいです。
周期表で下に行くほど原子半径が大きくなり、価電子を失いやすくなるため、反応性は大きくなります。
水との反応性は元素によって異なり、カルシウムは水と反応して水素を発生します。
バリウムは硫酸イオン SO₄²⁻ と反応して白色沈殿 BaSO₄ をつくるため、硫酸イオンの検出に使われます。
アルカリ土類金属の共通性質
項目 内容
価電子 2個
なりやすいイオン 2価の陽イオン M²⁺
反応性 下に行くほど大きい
炎色反応 Caは橙赤色、Srは紅色、Baは黄緑色
沈殿 BaSO₄、CaCO₃などが重要
注意:アルカリ金属は1価の陽イオン、アルカリ土類金属は2価の陽イオンになりやすい、という違いを必ず区別しましょう。
注意:BaSO₄は水に溶けにくい白色沈殿として非常に重要です。
確認ポイント
  • アルカリ金属とアルカリ土類金属の違いを説明できる
  • 2価の陽イオンになりやすいことを説明できる
  • 下に行くほど反応性が大きくなることを説明できる
↑ 目次へ戻る

3 炎色反応

アルカリ土類金属では、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの炎色反応が重要です。
カルシウムは橙赤色、ストロンチウムは紅色、バリウムは黄緑色を示します。
炎色反応は、アルカリ金属と合わせて暗記すると効率がよいです。
特にバリウムの黄緑色と銅の青緑色は混同しやすいので注意しましょう。
アルカリ土類金属の炎色反応
元素記号 元素名 炎色 覚え方
Ca カルシウム 橙赤色 借りるとう → 橙赤
Sr ストロンチウム 紅色 するも → 紅
Ba バリウム 黄緑色 馬力 → 黄緑
例題:炎色反応で黄緑色を示す元素はどれか。
答え:バリウム Ba
バリウムは炎色反応で黄緑色を示します。銅の青緑色と混同しないようにしましょう。
例題:炎色反応で橙赤色を示す元素はどれか。
答え:カルシウム Ca
カルシウムは橙赤色を示します。
確認ポイント
  • Ca、Sr、Baの炎色を答えられる
  • Baの黄緑色とCuの青緑色を区別できる
  • アルカリ金属の炎色反応と合わせて整理できる
↑ 目次へ戻る

4 水や酸との反応

アルカリ土類金属は、酸と反応して水素を発生します。
カルシウムは常温の水とも反応し、水酸化カルシウム Ca(OH)₂ と水素 H₂ を生じます。
マグネシウムは冷水とは反応しにくいですが、熱水や水蒸気とは反応します。
アルカリ土類金属の水酸化物は塩基性を示します。
ただし、水酸化マグネシウムは水に溶けにくく、水酸化バリウムは比較的水に溶けやすいなど、溶解性には違いがあります。
カルシウムと水の反応
Ca + 2H₂O → Ca(OH)₂ + H₂
水酸化カルシウムと水素が生成します。水溶液は塩基性を示します。
マグネシウムと塩酸の反応
Mg + 2HCl → MgCl₂ + H₂
金属と酸の反応では水素が発生します。
水との反応性
元素 水との反応 ポイント
Mg 冷水とは反応しにくい 熱水・水蒸気とは反応しやすい
Ca 常温の水と反応する Ca(OH)₂とH₂を生成
Ba 水と反応しやすい 反応性が大きい
確認ポイント
  • Caと水の反応式を書ける
  • 金属と酸の反応で水素が発生することを説明できる
  • MgとCaの水との反応性の違いを説明できる
↑ 目次へ戻る

5 沈殿反応と検出

アルカリ土類金属では、硫酸塩や炭酸塩の沈殿が重要です。
バリウムイオン Ba²⁺ は硫酸イオン SO₄²⁻ と反応して、白色沈殿の硫酸バリウム BaSO₄ を生じます。
この反応は、硫酸イオンの検出に利用されます。
カルシウムイオン Ca²⁺ は炭酸イオン CO₃²⁻ と反応して、白色沈殿の炭酸カルシウム CaCO₃ を生じます。
炭酸カルシウムは石灰石や貝殻の主成分としても重要です。
硫酸バリウムの沈殿
Ba²⁺ + SO₄²⁻ → BaSO₄
BaSO₄は水に溶けにくい白色沈殿です。硫酸イオンの検出に使われます。
炭酸カルシウムの沈殿
Ca²⁺ + CO₃²⁻ → CaCO₃
CaCO₃は白色沈殿で、石灰石の主成分です。
重要な沈殿
イオン 反応するイオン 沈殿
Ba²⁺ SO₄²⁻ BaSO₄ 白色
Ca²⁺ CO₃²⁻ CaCO₃ 白色
Ba²⁺ CO₃²⁻ BaCO₃ 白色
注意:BaSO₄は非常に溶けにくい白色沈殿として頻出です。
注意:CaCO₃は石灰石、貝殻、チョークなどと関連して出題されることがあります。
確認ポイント
  • BaSO₄の沈殿反応を説明できる
  • 硫酸イオンの検出にBa²⁺が使われることを説明できる
  • CaCO₃が白色沈殿であることを覚えている
↑ 目次へ戻る

6 代表的なカルシウム化合物

カルシウム化合物は、無機化学で非常によく出題されます。
炭酸カルシウム CaCO₃ は石灰石や貝殻の主成分です。
酸化カルシウム CaO は生石灰、水酸化カルシウム Ca(OH)₂ は消石灰と呼ばれます。
水酸化カルシウム水溶液は石灰水と呼ばれ、二酸化炭素の検出に使われます。
石灰水に二酸化炭素を通じると、白色沈殿の炭酸カルシウムが生じて白くにごります。
石灰石の熱分解
CaCO₃ → CaO + CO₂
炭酸カルシウムを強熱すると、生石灰 CaO と二酸化炭素が生じます。
生石灰と水の反応
CaO + H₂O → Ca(OH)₂
酸化カルシウムに水を加えると、消石灰 Ca(OH)₂ ができます。
石灰水と二酸化炭素
Ca(OH)₂ + CO₂ → CaCO₃ + H₂O
白色沈殿のCaCO₃が生じるため、石灰水が白くにごります。
代表的なカルシウム化合物
化学式 名称 別名・特徴
CaCO₃ 炭酸カルシウム 石灰石、貝殻の主成分
CaO 酸化カルシウム 生石灰
Ca(OH)₂ 水酸化カルシウム 消石灰。石灰水の成分
CaSO₄ 硫酸カルシウム 石こうに関係する
確認ポイント
  • CaCO₃、CaO、Ca(OH)₂の名称を答えられる
  • 石灰水がCO₂で白くにごる理由を説明できる
  • 生石灰と消石灰を区別できる
↑ 目次へ戻る

7 テストでの出題パターン

アルカリ土類金属は、炎色反応、沈殿反応、カルシウム化合物の性質として出題されやすいです。
特に、BaSO₄の白色沈殿、CaCO₃の白色沈殿、石灰水によるCO₂の検出は頻出です。
また、アルカリ金属との比較として、価電子数やイオンの価数を問われることもあります。
例題:硫酸イオン SO₄²⁻ の検出に用いられる金属イオンは何か。
答え:バリウムイオン Ba²⁺
Ba²⁺はSO₄²⁻と反応して、水に溶けにくい白色沈殿 BaSO₄ を生じます。
例題:石灰水に二酸化炭素を通じると白くにごる理由を答えよ。
答え:白色沈殿の炭酸カルシウム CaCO₃ が生じるため。
Ca(OH)₂ + CO₂ → CaCO₃ + H₂O の反応で、CaCO₃が沈殿します。
例題:炎色反応で黄緑色を示す元素は何か。
答え:バリウム Ba
バリウムは炎色反応で黄緑色を示します。
確認ポイント
  • BaSO₄の沈殿反応を答えられる
  • 石灰水によるCO₂検出を説明できる
  • Ca、Sr、Baの炎色反応を答えられる
  • アルカリ金属との違いを説明できる
↑ 目次へ戻る

関連する化学図鑑

この内容の問題へ 問題へ 教材一覧へ ホームへ
ホーム