この教材で学ぶこと
到達目標
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アンモニア NH₃ の性質を説明できる
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アンモニアの実験室的製法を反応式で説明できる
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アンモニアの検出方法を説明できる
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アンモニウム塩と強塩基の反応を説明できる
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アンモニア水による錯イオン形成を説明できる
前提知識
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気体の製法
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酸・塩基
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中和反応
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錯イオン
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銅・亜鉛・銀の化合物
1
アンモニアとは
アンモニア NH₃ は、窒素と水素からなる無色の気体です。
刺激臭をもち、水に非常によく溶ける性質があります。
水に溶けると一部が水と反応し、アンモニウムイオン NH₄⁺ と水酸化物イオン OH⁻ を生じます。
そのため、アンモニア水は弱い塩基性を示します。
無機化学では、気体の製法、塩基性、アンモニウム塩、錯イオン形成としてよく出題されます。
アンモニアの基本情報
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項目
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内容
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化学式
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NH₃
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名称
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アンモニア
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色・におい
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無色・刺激臭
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水への溶解
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非常によく溶ける
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水溶液の性質
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弱塩基性
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空気との比較
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空気より軽い
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確認ポイント
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アンモニアの化学式がNH₃であることを答えられる
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アンモニアが無色・刺激臭の気体であることを説明できる
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アンモニア水が弱塩基性を示すことを説明できる
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2
アンモニアの実験室的製法
アンモニアは、アンモニウム塩に強塩基を加えて加熱することで発生させることができます。
代表例は、塩化アンモニウム NH₄Cl と水酸化カルシウム Ca(OH)₂ を混ぜて加熱する方法です。
この反応では、アンモニア NH₃、塩化カルシウム CaCl₂、水 H₂O が生成します。
アンモニアは水に非常によく溶けるため、水上置換では集められません。
また、アンモニアは空気より軽いため、上方置換で集めます。
アンモニアの実験室的製法
2NH₄Cl + Ca(OH)₂ → CaCl₂ + 2NH₃ + 2H₂O
アンモニウム塩と強塩基を加熱してアンモニアを発生させます。
アンモニアの発生と捕集
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項目
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内容
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原料
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NH₄ClとCa(OH)₂
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操作
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混合して加熱
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発生する気体
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NH₃
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水上置換
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不可。水に非常によく溶けるため
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捕集方法
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上方置換
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乾燥剤
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酸化カルシウム CaO など
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注意:アンモニアは水に非常によく溶けるので、水上置換で集めることはできません。
注意:濃硫酸は酸性なので、塩基性のアンモニアを吸収してしまいます。アンモニアの乾燥剤には向きません。
確認ポイント
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アンモニアの実験室的製法の反応式を書ける
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アンモニアを水上置換で集めない理由を説明できる
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アンモニアを上方置換で集める理由を説明できる
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3
アンモニアの性質
アンモニアは、水に非常によく溶ける気体です。
アンモニアが水に溶けると、アンモニア水になります。
アンモニア水では、アンモニアの一部が水と反応し、NH₄⁺ と OH⁻ を生じます。
OH⁻が生じるため、アンモニア水は塩基性を示します。
ただし、NaOHやKOHのように完全に電離する強塩基ではなく、アンモニアは弱塩基として扱われます。
アンモニアと水
NH₃ + H₂O ⇄ NH₄⁺ + OH⁻
OH⁻が生じるため、アンモニア水は弱塩基性を示します。
アンモニアの性質まとめ
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性質
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内容
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におい
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刺激臭
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水への溶解
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非常によく溶ける
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水溶液
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弱塩基性
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リトマス紙
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湿った赤色リトマス紙を青色にする
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塩化水素との反応
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白煙を生じる
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確認ポイント
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NH₃ + H₂O ⇄ NH₄⁺ + OH⁻ を説明できる
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アンモニア水が弱塩基性であることを説明できる
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アンモニアが湿った赤色リトマス紙を青色にすることを答えられる
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4
アンモニアの検出
アンモニアは、刺激臭をもつ気体ですが、直接においをかぐのは危険です。
実験では、手であおぐようにして少量の気体を確認します。
アンモニアは塩基性の気体なので、湿った赤色リトマス紙を青色に変えます。
また、塩化水素 HCl と反応して白煙を生じます。
この白煙は、塩化アンモニウム NH₄Cl の微粒子です。
アンモニアと塩化水素
NH₃ + HCl → NH₄Cl
白煙の塩化アンモニウムが生じます。
アンモニアの検出方法
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方法
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結果
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理由
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湿った赤色リトマス紙
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青色になる
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アンモニアが塩基性を示すため
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塩化水素を近づける
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白煙が生じる
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NH₄Clの微粒子が生じるため
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におい
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刺激臭
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ただし直接かがない
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例題:アンモニアを検出するために湿った赤色リトマス紙を近づけるとどうなるか。
答え:青色になる。
アンモニアは水に溶けてOH⁻を生じるため、塩基性を示します。
例題:アンモニアと塩化水素を近づけると生じる白煙の正体は何か。
答え:塩化アンモニウム NH₄Cl
NH₃ + HCl → NH₄Cl の反応で、塩化アンモニウムの白煙が生じます。
確認ポイント
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アンモニアの検出方法を説明できる
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NH₃ + HCl → NH₄Cl を書ける
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アンモニアを直接かいではいけないことを理解している
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5
アンモニウムイオン NH₄⁺
アンモニウムイオン NH₄⁺ は、アンモニア NH₃ が水素イオン H⁺ を受け取ってできる陽イオンです。
NH₄⁺ は、金属イオンではありませんが、1価の陽イオンとして塩をつくります。
アンモニウムイオンを含む塩をアンモニウム塩といいます。
アンモニウム塩に強塩基を加えて加熱すると、アンモニアが発生します。
この性質は、アンモニウムイオンの検出にも利用できます。
アンモニアが水素イオンを受け取る反応
NH₃ + H⁺ → NH₄⁺
アンモニアは塩基としてH⁺を受け取ります。
アンモニウムイオンと水酸化物イオン
NH₄⁺ + OH⁻ → NH₃ + H₂O
強塩基を加えるとアンモニアが発生します。
アンモニウムイオンのポイント
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項目
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内容
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化学式
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NH₄⁺
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名称
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アンモニウムイオン
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電荷
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+1
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でき方
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NH₃がH⁺を受け取る
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重要反応
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OH⁻と反応してNH₃を発生
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確認ポイント
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NH₄⁺がアンモニウムイオンであることを答えられる
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NH₃ + H⁺ → NH₄⁺ を説明できる
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NH₄⁺ + OH⁻ → NH₃ + H₂O を説明できる
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6
アンモニウム塩
アンモニウム塩とは、アンモニウムイオン NH₄⁺ を含む塩です。
代表的なアンモニウム塩には、塩化アンモニウム NH₄Cl、硝酸アンモニウム NH₄NO₃、硫酸アンモニウム (NH₄)₂SO₄ などがあります。
アンモニウム塩は、肥料や実験室でのアンモニア発生に関係します。
アンモニウム塩に強塩基を加えて加熱すると、アンモニアが発生します。
化学式では、NH₄⁺を1価の陽イオンとして扱うと整理しやすいです。
塩化アンモニウムと水酸化ナトリウム
NH₄Cl + NaOH → NH₃ + NaCl + H₂O
アンモニウム塩に強塩基を加えると、アンモニアが発生します。
代表的なアンモニウム塩
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化学式
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名称
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含むイオン
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NH₄Cl
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塩化アンモニウム
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NH₄⁺、Cl⁻
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NH₄NO₃
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硝酸アンモニウム
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NH₄⁺、NO₃⁻
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(NH₄)₂SO₄
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硫酸アンモニウム
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NH₄⁺、SO₄²⁻
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NH₄HCO₃
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炭酸水素アンモニウム
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NH₄⁺、HCO₃⁻
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例題:(NH₄)₂SO₄の名称を答えよ。
答え:硫酸アンモニウム
NH₄⁺とSO₄²⁻からなる塩です。SO₄²⁻は2価の陰イオンなので、NH₄⁺が2個必要です。
確認ポイント
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アンモニウム塩の意味を説明できる
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NH₄Cl、NH₄NO₃、(NH₄)₂SO₄の名称を答えられる
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アンモニウム塩と強塩基の反応でNH₃が発生することを説明できる
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7
アンモニア水と金属イオン
アンモニア水は、金属イオンの沈殿反応や錯イオン形成で重要です。
アンモニア水は弱塩基性なので、金属イオンに加えると水酸化物の沈殿を生じることがあります。
さらに、アンモニアを過剰に加えると、金属イオンによってはアンミン錯イオンをつくって沈殿が溶けます。
特にCu²⁺、Zn²⁺、Ag⁺はアンモニアとの反応でよく出題されます。
沈殿の色と、過剰アンモニア水で溶けるかどうかをセットで整理しましょう。
アンモニア水と代表的な金属イオン
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金属イオン
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少量NH₃水
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過剰NH₃水
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重要ポイント
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Cu²⁺
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青白色沈殿
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深青色溶液になる
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[Cu(NH₃)₄]²⁺をつくる
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Zn²⁺
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白色沈殿
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無色溶液になる
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[Zn(NH₃)₄]²⁺をつくる
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Ag⁺
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沈殿を生じることがある
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錯イオンをつくる
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[Ag(NH₃)₂]⁺をつくる
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Al³⁺
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白色沈殿
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溶けにくい
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Zn²⁺との区別で重要
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確認ポイント
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アンモニア水が金属イオンの沈殿反応に関係することを説明できる
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Cu²⁺が過剰NH₃水で深青色になることを説明できる
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Zn²⁺が過剰NH₃水で溶けることを説明できる
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Al(OH)₃が過剰NH₃水に溶けにくいことを説明できる
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8
アンミン錯イオン
アンモニア NH₃ は、金属イオンに配位して錯イオンをつくることがあります。
アンモニアが配位した錯イオンを、アンミン錯イオンといいます。
代表例には、テトラアンミン銅(II)イオン [Cu(NH₃)₄]²⁺、テトラアンミン亜鉛(II)イオン [Zn(NH₃)₄]²⁺、ジアンミン銀(I)イオン [Ag(NH₃)₂]⁺ があります。
Cu²⁺では、過剰アンモニア水によって深青色の錯イオンができます。
AgClがアンモニア水に溶けるのも、銀がアンミン錯イオンをつくるためです。
銅(II)イオンとアンモニア
Cu(OH)₂ + 4NH₃ → [Cu(NH₃)₄]²⁺ + 2OH⁻
深青色のテトラアンミン銅(II)イオンができます。
亜鉛イオンとアンモニア
Zn(OH)₂ + 4NH₃ → [Zn(NH₃)₄]²⁺ + 2OH⁻
無色のテトラアンミン亜鉛(II)イオンができます。
塩化銀とアンモニア
AgCl + 2NH₃ → [Ag(NH₃)₂]⁺ + Cl⁻
ジアンミン銀(I)イオンができ、AgClが溶けます。
代表的なアンミン錯イオン
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錯イオン
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名称
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色・特徴
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[Cu(NH₃)₄]²⁺
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テトラアンミン銅(II)イオン
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深青色
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[Zn(NH₃)₄]²⁺
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テトラアンミン亜鉛(II)イオン
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無色
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[Ag(NH₃)₂]⁺
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ジアンミン銀(I)イオン
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AgClが溶ける原因
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例題:Cu²⁺に過剰のアンモニア水を加えると何色になるか。
答え:深青色
テトラアンミン銅(II)イオン [Cu(NH₃)₄]²⁺ ができるためです。
例題:AgClがアンモニア水に溶ける理由を答えよ。
答え:ジアンミン銀(I)イオン [Ag(NH₃)₂]⁺ をつくるため。
AgClのAg⁺がNH₃と錯イオンをつくることで、沈殿が溶けます。
確認ポイント
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アンミン錯イオンの意味を説明できる
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[Cu(NH₃)₄]²⁺が深青色であることを答えられる
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[Ag(NH₃)₂]⁺がAgClの溶解に関係することを説明できる
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9
アンモニアの工業的製法
アンモニアは工業的には、窒素 N₂ と水素 H₂ を反応させてつくられます。
この方法はハーバー・ボッシュ法と呼ばれます。
反応式は N₂ + 3H₂ ⇄ 2NH₃ です。
実際には、高温・高圧条件と鉄触媒を用いて反応を進めます。
アンモニアは肥料、硝酸、さまざまな窒素化合物の原料として重要です。
ハーバー・ボッシュ法
N₂ + 3H₂ ⇄ 2NH₃
窒素と水素からアンモニアを合成します。鉄触媒、高温・高圧条件が使われます。
ハーバー・ボッシュ法のポイント
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項目
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内容
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原料
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N₂とH₂
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生成物
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NH₃
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触媒
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鉄触媒
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条件
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高温・高圧
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用途
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肥料、硝酸、窒素化合物の原料
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確認ポイント
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ハーバー・ボッシュ法の反応式を書ける
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アンモニアの工業的製法を説明できる
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アンモニアが肥料や硝酸の原料になることを理解している
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10
テストでの出題パターン
アンモニア・アンモニウム塩は、気体の製法、塩基性、検出、アンモニウム塩、錯イオン形成として出題されやすいです。
特に、2NH₄Cl + Ca(OH)₂ → CaCl₂ + 2NH₃ + 2H₂O の反応式は重要です。
アンモニアが水に非常によく溶けるため水上置換で集めないこと、空気より軽いため上方置換で集めることもよく問われます。
また、NH₃ + HCl → NH₄Cl による白煙、NH₄⁺ + OH⁻ → NH₃ + H₂O によるアンモニア発生も頻出です。
錯イオンでは、Cu²⁺の深青色、Zn²⁺の無色、AgClの溶解を整理しましょう。
例題:アンモニアの実験室的製法の反応式を書け。
答え:2NH₄Cl + Ca(OH)₂ → CaCl₂ + 2NH₃ + 2H₂O
アンモニウム塩と強塩基を加熱してアンモニアを発生させます。
例題:アンモニアを水上置換で集めない理由を答えよ。
答え:水に非常によく溶けるため。
NH₃は水に非常によく溶けるので、水上置換では集められません。
例題:アンモニアと塩化水素を近づけると生じる白煙の正体は何か。
答え:塩化アンモニウム NH₄Cl
NH₃ + HCl → NH₄Cl により、白煙が生じます。
例題:アンモニウム塩に強塩基を加えて加熱すると発生する気体は何か。
答え:アンモニア NH₃
NH₄⁺ + OH⁻ → NH₃ + H₂O の反応によりアンモニアが発生します。
例題:Cu²⁺に過剰のアンモニア水を加えると生じる錯イオンは何か。
答え:[Cu(NH₃)₄]²⁺
深青色のテトラアンミン銅(II)イオンが生じます。
確認ポイント
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アンモニアの製法を反応式で説明できる
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アンモニアの性質と検出方法を説明できる
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アンモニウム塩と強塩基の反応を説明できる
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アンミン錯イオンの代表例を答えられる
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ハーバー・ボッシュ法の反応式を書ける
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