この教材で学ぶこと
到達目標
-
マグネシウムが2族元素であることを説明できる
-
マグネシウムの燃焼反応を説明できる
-
MgO、Mg(OH)₂、MgCl₂を区別できる
-
マグネシウムと水・酸との反応性を説明できる
-
Mg²⁺が硬水に関係することを説明できる
前提知識
-
周期表の基礎
-
アルカリ土類金属
-
燃焼反応
-
酸・塩基
-
沈殿反応の基礎
1
マグネシウムとは
マグネシウム Mg は、周期表の2族に属する金属元素です。
価電子を2個もち、2価の陽イオン Mg²⁺ になりやすい性質があります。
マグネシウムは軽い金属で、合金や花火、フラッシュ、医薬品などに関係します。
2族元素ですが、カルシウム、ストロンチウム、バリウムとは水との反応性や沈殿の性質に違いがあります。
高校化学では、燃焼、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、硬水との関係が重要です。
マグネシウムの基本情報
|
項目
|
内容
|
|
元素記号
|
Mg
|
|
分類
|
2族元素・金属元素
|
|
主なイオン
|
Mg²⁺
|
|
単体の特徴
|
銀白色で軽い金属
|
|
重要な化合物
|
MgO、Mg(OH)₂、MgCl₂
|
|
関連
|
硬水、燃焼、酸との反応
|
確認ポイント
-
マグネシウムの元素記号がMgであることを答えられる
-
マグネシウムが2族元素であることを説明できる
-
マグネシウムがMg²⁺になりやすいことを理解している
↑ 目次へ戻る
2
マグネシウムの燃焼
マグネシウムは空気中で強く加熱すると、まぶしい白色の光を出して燃焼します。
燃焼すると、酸化マグネシウム MgO が生成します。
この反応は、金属の燃焼反応の代表例としてよく扱われます。
マグネシウムの燃焼は非常に強い光を出すため、直接見続けるのは危険です。
昔はフラッシュや花火などにも利用されました。
マグネシウムの燃焼
2Mg + O₂ → 2MgO
まぶしい白色光を出して燃焼し、酸化マグネシウムを生じます。
マグネシウムの燃焼のポイント
|
項目
|
内容
|
|
反応する物質
|
MgとO₂
|
|
生成物
|
MgO
|
|
光
|
まぶしい白色光
|
|
反応の種類
|
燃焼・酸化
|
|
注意点
|
強い光を直接見続けない
|
例題:マグネシウムを燃焼させると生じる白色の物質は何か。
答え:酸化マグネシウム MgO
マグネシウムは酸素と反応して酸化マグネシウムを生じます。反応式は 2Mg + O₂ → 2MgO です。
確認ポイント
-
マグネシウムの燃焼反応式を書ける
-
燃焼でMgOが生じることを答えられる
-
マグネシウムが白色光を出して燃えることを説明できる
↑ 目次へ戻る
3
酸化マグネシウム MgO
酸化マグネシウム MgO は、マグネシウムが燃焼したときに生じる白色の固体です。
MgOは塩基性酸化物として扱われます。
水とは反応しにくいですが、水と反応すると水酸化マグネシウム Mg(OH)₂ を生じます。
酸化マグネシウムは融点が高く、耐火材料などにも関係します。
MgOは、Mg²⁺とO²⁻からなるイオン結晶として考えることができます。
酸化マグネシウムと水
MgO + H₂O → Mg(OH)₂
水酸化マグネシウムを生じます。ただし反応はあまり激しくありません。
酸化マグネシウムと塩酸
MgO + 2HCl → MgCl₂ + H₂O
塩基性酸化物なので、酸と反応して塩と水を生じます。
酸化マグネシウムのポイント
|
項目
|
内容
|
|
化学式
|
MgO
|
|
名称
|
酸化マグネシウム
|
|
色
|
白色
|
|
分類
|
塩基性酸化物
|
|
水との関係
|
Mg(OH)₂を生じる
|
|
酸との反応
|
塩と水を生じる
|
確認ポイント
-
MgOが酸化マグネシウムであることを答えられる
-
MgOが塩基性酸化物であることを説明できる
-
MgOと酸の反応を説明できる
↑ 目次へ戻る
4
水酸化マグネシウム Mg(OH)₂
水酸化マグネシウム Mg(OH)₂ は、白色の固体で、水に溶けにくい塩基です。
マグネシウムイオン Mg²⁺ に水酸化物イオン OH⁻ を加えると、Mg(OH)₂ の白色沈殿が生じます。
Mg(OH)₂は水に溶けにくいため、強塩基であるNaOHやKOHとは性質が大きく異なります。
水酸化マグネシウムは、制酸剤として胃酸を中和する用途にも関係します。
沈殿反応では、Mg(OH)₂が白色沈殿であることを覚えましょう。
Mg²⁺とOH⁻の沈殿反応
Mg²⁺ + 2OH⁻ → Mg(OH)₂
白色沈殿の水酸化マグネシウムが生じます。
水酸化マグネシウムと塩酸
Mg(OH)₂ + 2HCl → MgCl₂ + 2H₂O
塩酸と中和して、塩化マグネシウムと水を生じます。
水酸化マグネシウムのポイント
|
項目
|
内容
|
|
化学式
|
Mg(OH)₂
|
|
名称
|
水酸化マグネシウム
|
|
色
|
白色
|
|
水への溶解
|
溶けにくい
|
|
分類
|
塩基
|
|
用途
|
制酸剤など
|
注意:Mg(OH)₂は白色沈殿として出題されることがあります。
注意:NaOHやKOHは水に溶けやすい強塩基ですが、Mg(OH)₂は水に溶けにくい塩基です。
確認ポイント
-
Mg(OH)₂が白色沈殿であることを答えられる
-
Mg²⁺とOH⁻の沈殿反応式を書ける
-
Mg(OH)₂が水に溶けにくいことを説明できる
↑ 目次へ戻る
5
マグネシウムと水・酸の反応
マグネシウムは、冷水とは反応しにくい金属です。
しかし、熱水や水蒸気とは反応し、水素を発生します。
酸とは反応しやすく、塩酸と反応すると塩化マグネシウム MgCl₂ と水素 H₂ を生じます。
カルシウムは常温の水とも反応しますが、マグネシウムは冷水とは反応しにくい点が違いです。
この水との反応性の違いは、2族元素の比較で出題されることがあります。
マグネシウムと塩酸
Mg + 2HCl → MgCl₂ + H₂
金属と酸の反応により水素が発生します。
マグネシウムと水蒸気
Mg + H₂O → MgO + H₂
高温の水蒸気とは反応して水素を発生します。
MgとCaの水との反応性
|
金属
|
冷水との反応
|
ポイント
|
|
Mg
|
反応しにくい
|
熱水・水蒸気とは反応する
|
|
Ca
|
反応する
|
Ca(OH)₂とH₂を生じる
|
|
Ba
|
反応しやすい
|
2族の下ほど反応性が大きい
|
例題:マグネシウムと塩酸が反応したときに発生する気体は何か。
答え:水素 H₂
Mg + 2HCl → MgCl₂ + H₂ の反応で水素が発生します。
確認ポイント
-
Mgと塩酸の反応式を書ける
-
Mgが冷水とは反応しにくいことを説明できる
-
MgとCaの水との反応性の違いを説明できる
↑ 目次へ戻る
6
塩化マグネシウム MgCl₂
塩化マグネシウム MgCl₂ は、マグネシウムイオン Mg²⁺ と塩化物イオン Cl⁻ からなる塩です。
マグネシウムと塩酸が反応すると、塩化マグネシウムと水素が生じます。
MgCl₂は水に溶けやすく、海水中にもマグネシウムイオンとして含まれています。
にがりには塩化マグネシウムなどが含まれ、豆腐を固めるために利用されます。
MgCl₂は、Mg²⁺とCl⁻の電荷のつり合いから化学式を考える練習にもなります。
塩化マグネシウムのポイント
|
項目
|
内容
|
|
化学式
|
MgCl₂
|
|
名称
|
塩化マグネシウム
|
|
含むイオン
|
Mg²⁺、Cl⁻
|
|
水への溶解
|
溶けやすい
|
|
身近な関係
|
にがり、海水
|
|
生成例
|
Mg + 2HCl → MgCl₂ + H₂
|
確認ポイント
-
MgCl₂が塩化マグネシウムであることを答えられる
-
Mg²⁺とCl⁻からMgCl₂の化学式を考えられる
-
にがりにマグネシウム化合物が関係することを知っている
↑ 目次へ戻る
7
硬水との関係
硬水とは、カルシウムイオン Ca²⁺ やマグネシウムイオン Mg²⁺ を比較的多く含む水のことです。
反対に、これらのイオンが少ない水を軟水といいます。
硬水では、石けんが泡立ちにくくなることがあります。
これは、石けんの成分がCa²⁺やMg²⁺と反応して、水に溶けにくい塩をつくるためです。
日本の水は比較的軟水が多いですが、地域によって硬度に違いがあります。
硬水と軟水
|
種類
|
特徴
|
関係するイオン
|
|
硬水
|
石けんが泡立ちにくい。ミネラル分が多い
|
Ca²⁺、Mg²⁺
|
|
軟水
|
石けんが泡立ちやすい。ミネラル分が少ない
|
Ca²⁺、Mg²⁺が少ない
|
例題:硬水に多く含まれる代表的な金属イオンを2つ答えよ。
答え:Ca²⁺とMg²⁺
硬水はカルシウムイオンやマグネシウムイオンを比較的多く含む水です。
確認ポイント
-
硬水にCa²⁺とMg²⁺が関係することを説明できる
-
硬水で石けんが泡立ちにくい理由を説明できる
-
硬水と軟水の違いを説明できる
↑ 目次へ戻る
8
テストでの出題パターン
マグネシウムとその化合物は、燃焼、水酸化物の沈殿、酸との反応、硬水として出題されやすいです。
特に、マグネシウムが白色光を出して燃え、MgOを生じる反応は基本です。
また、Mg(OH)₂が白色沈殿で水に溶けにくいこと、Mgと塩酸の反応で水素が発生することも重要です。
カルシウムと比較して、Mgは冷水とは反応しにくい点も押さえましょう。
硬水では、Ca²⁺とMg²⁺が石けんの泡立ちにくさに関係します。
例題:マグネシウムを燃焼させたときの反応式を書け。
答え:2Mg + O₂ → 2MgO
マグネシウムは酸素と反応し、酸化マグネシウムを生じます。
例題:Mg²⁺にOH⁻を加えると生じる沈殿は何か。
答え:水酸化マグネシウム Mg(OH)₂
Mg²⁺ + 2OH⁻ → Mg(OH)₂ の反応で、白色沈殿が生じます。
例題:マグネシウムと塩酸が反応したときに発生する気体は何か。
答え:水素 H₂
Mg + 2HCl → MgCl₂ + H₂ の反応で水素が発生します。
例題:硬水に多く含まれる代表的な金属イオンを答えよ。
答え:Ca²⁺、Mg²⁺
硬水はカルシウムイオンやマグネシウムイオンを比較的多く含む水です。
確認ポイント
-
Mgの燃焼反応を書ける
-
MgOとMg(OH)₂を区別できる
-
Mgと塩酸の反応を説明できる
-
Mgが冷水とは反応しにくいことを説明できる
-
硬水とMg²⁺の関係を説明できる
↑ 目次へ戻る