無機化学 / potassium

カリウムとその化合物

カリウム K の性質、水との反応、炎色反応、水酸化カリウム、硝酸カリウム、過マンガン酸カリウム、二クロム酸カリウムをまとめた教材です。
難易度:標準 目安:40分
# 無機化学 # カリウム # アルカリ金属 # 過マンガン酸カリウム # 酸化剤

この教材で学ぶこと

到達目標

  • カリウムがアルカリ金属であることを説明できる
  • カリウムと水の反応式を書ける
  • カリウムの炎色反応を答えられる
  • KOH、KNO₃、KMnO₄、K₂Cr₂O₇を区別できる
  • 過マンガン酸カリウムや二クロム酸カリウムが酸化剤として重要であることを説明できる

前提知識

  • アルカリ金属
  • 炎色反応
  • 酸・塩基
  • 酸化還元
  • ナトリウムとその化合物
目次

1 カリウムとは

カリウム K は、周期表の1族に属するアルカリ金属です。
価電子を1個もち、1価の陽イオン K⁺ になりやすい性質があります。
単体のカリウムは銀白色のやわらかい金属で、非常に反応性が大きいです。
カリウムはナトリウムよりも反応性が大きく、水とさらに激しく反応します。
高校化学では、カリウムの炎色反応、KOH、KNO₃、KMnO₄、K₂Cr₂O₇ が重要です。
カリウムの基本情報
項目 内容
元素記号 K
分類 アルカリ金属・1族元素
主なイオン K⁺
単体の特徴 銀白色でやわらかい金属
反応性 Naより大きい
炎色反応 淡紫色
確認ポイント
  • カリウムの元素記号がKであることを答えられる
  • カリウムが1族のアルカリ金属であることを説明できる
  • カリウムがナトリウムより反応性が大きいことを理解している
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2 カリウムと水の反応

カリウムは水と非常に激しく反応します。
水と反応すると、水酸化カリウム KOH と水素 H₂ が生成します。
生成した水酸化カリウムは強塩基なので、水溶液は強い塩基性を示します。
カリウムはナトリウムより反応性が大きく、反応時に発生する熱で水素が燃えることもあります。
アルカリ金属は周期表で下に行くほど反応性が大きくなることを意識しましょう。
カリウムと水の反応
2K + 2H₂O → 2KOH + H₂
水酸化カリウムと水素が生成します。水溶液は強い塩基性になります。
カリウムと水の反応のポイント
項目 内容
反応する物質 KとH₂O
生成物 KOHとH₂
発生する気体 水素 H₂
水溶液の性質 強い塩基性
反応性 Naより大きい
例題:カリウムと水が反応したときに発生する気体は何か。
答え:水素 H₂
2K + 2H₂O → 2KOH + H₂ の反応で水素が発生します。
確認ポイント
  • カリウムと水の反応式を書ける
  • 発生する気体が水素であることを答えられる
  • KがNaより水と激しく反応することを説明できる
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3 炎色反応

カリウムは炎色反応で淡紫色を示します。
カリウムの淡紫色は見分けにくく、ナトリウムの強い黄色に隠れやすいことがあります。
炎色反応では、リチウムの赤色、ナトリウムの黄色、カリウムの淡紫色をセットで覚えるとよいです。
語呂合わせでは、カリウムは「K村 → 紫」と覚えることがあります。
アルカリ金属の炎色反応
元素記号 元素名 炎色 覚え方
Li リチウム 赤色 リアカー → 赤
Na ナトリウム 黄色 なき → 黄
K カリウム 淡紫色 K村 → 紫
注意:カリウムの淡紫色は、ナトリウムの黄色に比べると見分けにくいです。
注意:炎色反応では、元素名・元素記号・色をセットで覚えましょう。
確認ポイント
  • カリウムの炎色反応が淡紫色であることを答えられる
  • Li、Na、Kの炎色を区別できる
  • Kの炎色が見分けにくいことを理解している
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4 水酸化カリウム KOH

水酸化カリウム KOH は、代表的な強塩基です。
水に非常によく溶け、水溶液中では K⁺ と OH⁻ にほぼ完全に電離します。
KOHはNaOHと同じく強い腐食性をもつため、実験で扱うときは注意が必要です。
酸との中和反応、油脂のけん化、アルカリ性水溶液の調製などに関係します。
NaOHとKOHはどちらも強塩基ですが、含まれる陽イオンがNa⁺かK⁺かで区別します。
水酸化カリウムの電離
KOH → K⁺ + OH⁻
強塩基として水溶液中でほぼ完全に電離します。
塩酸との中和反応
KOH + HCl → KCl + H₂O
酸と塩基が反応して塩と水を生じます。
KOHとNaOHの比較
項目 KOH NaOH
名称 水酸化カリウム 水酸化ナトリウム
分類 強塩基 強塩基
電離 K⁺ + OH⁻ Na⁺ + OH⁻
性質 水によく溶ける。腐食性が強い 水によく溶ける。腐食性が強い
共通点 酸と中和する 酸と中和する
確認ポイント
  • KOHが水酸化カリウムであることを答えられる
  • KOHが強塩基であることを説明できる
  • KOHとNaOHの共通点と違いを説明できる
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5 硝酸カリウム KNO₃

硝酸カリウム KNO₃ は、カリウムイオン K⁺ と硝酸イオン NO₃⁻ からなる塩です。
硝酸塩は一般に水に溶けやすいものが多く、KNO₃も水に溶けます。
硝酸カリウムは、肥料や酸化剤として知られています。
加熱により酸素を発生する性質があり、酸化剤として働くことがあります。
無機化学では、KNO₃を硝酸イオン NO₃⁻ を含む塩として読めることが大切です。
硝酸カリウムの熱分解
2KNO₃ → 2KNO₂ + O₂
加熱により酸素を発生します。酸化剤として関係します。
硝酸カリウムのポイント
項目 内容
化学式 KNO₃
名称 硝酸カリウム
含むイオン K⁺、NO₃⁻
水への溶解 溶けやすい
性質 酸化剤として働くことがある
用途 肥料、酸化剤など
確認ポイント
  • KNO₃が硝酸カリウムであることを答えられる
  • KNO₃が硝酸イオンNO₃⁻を含むことを説明できる
  • KNO₃が酸化剤として関係することを理解している
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6 過マンガン酸カリウム KMnO₄

過マンガン酸カリウム KMnO₄ は、酸化還元で非常に重要な物質です。
KMnO₄は紫色の固体で、水溶液も赤紫色を示します。
酸性条件では強い酸化剤として働き、過マンガン酸イオン MnO₄⁻ は Mn²⁺ に還元されます。
酸化還元滴定では、過マンガン酸カリウム水溶液が酸化剤として使われることがあります。
KMnO₄は色が濃く、反応後に色が消えることがあるため、指示薬なしで終点を判断できる場合があります。
酸性条件での過マンガン酸イオンの還元
MnO₄⁻ + 8H⁺ + 5e⁻ → Mn²⁺ + 4H₂O
酸性条件でMnO₄⁻はMn²⁺に還元されます。酸化剤として働きます。
KMnO₄のポイント
項目 内容
化学式 KMnO₄
名称 過マンガン酸カリウム
紫色・赤紫色
重要性 強い酸化剤
酸性条件での変化 MnO₄⁻ → Mn²⁺
関連単元 酸化還元、酸化還元滴定
例題:酸性条件で過マンガン酸イオン MnO₄⁻ は何になるか。
答え:Mn²⁺
酸性条件では MnO₄⁻ + 8H⁺ + 5e⁻ → Mn²⁺ + 4H₂O の半反応式で表されます。
例題:過マンガン酸カリウム水溶液の色は何色か。
答え:赤紫色
KMnO₄水溶液は赤紫色を示します。酸化還元滴定でも重要です。
確認ポイント
  • KMnO₄が過マンガン酸カリウムであることを答えられる
  • KMnO₄が強い酸化剤であることを説明できる
  • 酸性条件でMnO₄⁻がMn²⁺になることを説明できる
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7 二クロム酸カリウム K₂Cr₂O₇

二クロム酸カリウム K₂Cr₂O₇ も、酸化還元で重要な酸化剤です。
K₂Cr₂O₇は橙赤色の物質として知られています。
酸性条件では、二クロム酸イオン Cr₂O₇²⁻ が Cr³⁺ に還元されます。
Cr³⁺ は緑色を示すため、反応により色の変化が見られます。
過マンガン酸カリウムと同じく、酸化還元反応や酸化還元滴定で重要です。
酸性条件での二クロム酸イオンの還元
Cr₂O₇²⁻ + 14H⁺ + 6e⁻ → 2Cr³⁺ + 7H₂O
酸性条件でCr₂O₇²⁻はCr³⁺に還元されます。酸化剤として働きます。
K₂Cr₂O₇のポイント
項目 内容
化学式 K₂Cr₂O₇
名称 二クロム酸カリウム
橙赤色
重要性 酸化剤
酸性条件での変化 Cr₂O₇²⁻ → Cr³⁺
Cr³⁺の色 緑色
例題:酸性条件で二クロム酸イオン Cr₂O₇²⁻ は何になるか。
答え:Cr³⁺
Cr₂O₇²⁻は電子を受け取り、Cr³⁺に還元されます。
確認ポイント
  • K₂Cr₂O₇が二クロム酸カリウムであることを答えられる
  • 二クロム酸イオンが酸性条件でCr³⁺になることを説明できる
  • K₂Cr₂O₇が酸化剤として重要であることを理解している
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8 重要なカリウム化合物のまとめ

カリウム化合物は、強塩基、硝酸塩、酸化剤として登場することが多いです。
KOHは強塩基、KNO₃は硝酸塩、KMnO₄とK₂Cr₂O₇は酸化剤として重要です。
化学式を見たときに、K⁺とどの陰イオンが結びついているかを考えると整理しやすくなります。
特に、KMnO₄とK₂Cr₂O₇は酸化還元の半反応式とセットで覚えましょう。
代表的なカリウム化合物
化学式 名称 重要ポイント
KOH 水酸化カリウム 強塩基
KNO₃ 硝酸カリウム 硝酸塩。酸化剤として関係
KMnO₄ 過マンガン酸カリウム 赤紫色。強い酸化剤
K₂Cr₂O₇ 二クロム酸カリウム 橙赤色。酸化剤
KCl 塩化カリウム K⁺とCl⁻からなる塩
確認ポイント
  • KOH、KNO₃、KMnO₄、K₂Cr₂O₇の名称を答えられる
  • KMnO₄とK₂Cr₂O₇が酸化剤であることを説明できる
  • カリウム化合物をK⁺と陰イオンの組み合わせで読める
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9 テストでの出題パターン

カリウムとその化合物は、炎色反応、水との反応、強塩基、酸化剤として出題されやすいです。
特に、カリウムの炎色反応が淡紫色であること、カリウムと水の反応で水素が発生することは基本です。
また、KMnO₄とK₂Cr₂O₇は酸化還元の問題で頻出です。
酸性条件で、MnO₄⁻はMn²⁺へ、Cr₂O₇²⁻はCr³⁺へ還元されることを覚えましょう。
例題:カリウムの炎色反応は何色か。
答え:淡紫色
カリウムは炎色反応で淡紫色を示します。
例題:カリウムと水が反応したときに発生する気体は何か。
答え:水素 H₂
2K + 2H₂O → 2KOH + H₂ の反応で水素が発生します。
例題:KMnO₄の名称を答えよ。
答え:過マンガン酸カリウム
KMnO₄は酸化還元で重要な強い酸化剤です。
例題:酸性条件でMnO₄⁻は何に還元されるか。
答え:Mn²⁺
酸性条件では、MnO₄⁻ + 8H⁺ + 5e⁻ → Mn²⁺ + 4H₂O となります。
例題:K₂Cr₂O₇の名称を答えよ。
答え:二クロム酸カリウム
K₂Cr₂O₇は二クロム酸イオンCr₂O₇²⁻を含むカリウム塩です。
確認ポイント
  • Kの炎色反応を答えられる
  • Kと水の反応式を書ける
  • KOHが強塩基であることを説明できる
  • KMnO₄とK₂Cr₂O₇を酸化剤として説明できる
  • 酸性条件でのMnO₄⁻とCr₂O₇²⁻の変化を説明できる
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