この教材で学ぶこと
到達目標
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硫黄を含む代表的な化合物を答えられる
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硫化水素の性質と沈殿反応を説明できる
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二酸化硫黄の性質を説明できる
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濃硫酸の性質を整理できる
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硫黄化合物と酸化還元の関係を理解できる
前提知識
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酸化還元の基本
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酸・塩基の基本
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沈殿反応の基礎
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気体の発生と性質
1
硫黄と硫黄化合物
硫黄 S は16族元素で、酸素と同じ族に属します。
硫黄を含む代表的な物質には、硫化水素 H₂S、二酸化硫黄 SO₂、硫酸 H₂SO₄ などがあります。
硫黄化合物は、酸化還元反応、沈殿反応、気体の性質などと関連して出題されます。
単なる暗記だけでなく、硫黄の酸化数の変化にも注目すると理解しやすくなります。
代表的な硫黄化合物
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物質
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化学式
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特徴
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硫化水素
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H₂S
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腐卵臭をもつ有毒な気体
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二酸化硫黄
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SO₂
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刺激臭をもつ気体、酸化剤にも還元剤にもなる
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硫酸
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H₂SO₄
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強酸、濃硫酸は脱水作用や酸化作用をもつ
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硫化物
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S²⁻を含む物質
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金属イオンと沈殿をつくることがある
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硫酸塩
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SO₄²⁻を含む物質
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BaSO₄などは水に溶けにくい
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確認ポイント
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H₂S、SO₂、H₂SO₄ の名称と化学式を答えられる
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硫黄化合物が酸化還元や沈殿反応と関係することを理解できる
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2
硫化水素 H₂S
硫化水素 H₂S は、無色で腐った卵のようなにおいをもつ有毒な気体です。
水に少し溶け、弱酸性を示します。
硫化水素は還元性をもち、酸化剤によって酸化されることがあります。
また、金属イオンと反応して硫化物の沈殿をつくるため、金属イオンの検出にも関係します。
硫化水素の発生
FeS + 2HCl → FeCl₂ + H₂S
硫化鉄(Ⅱ)に希塩酸を加えると硫化水素が発生します。
硫化水素の性質
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項目
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内容
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色
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無色
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におい
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腐卵臭
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毒性
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有毒
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水への溶解
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少し溶ける
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液性
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弱酸性
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性質
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還元性をもつ
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注意:硫化水素は有毒なので、実験では直接においをかがないようにします。
注意:腐卵臭という言葉はテストでよく出ます。
確認ポイント
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H₂Sが腐卵臭をもつ有毒気体であることを覚える
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H₂Sの発生反応式を書ける
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H₂Sが還元性をもつことを説明できる
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3
硫化物の沈殿
硫化水素や硫化物イオン S²⁻ は、金属イオンと反応して硫化物の沈殿をつくることがあります。
硫化物沈殿の色は金属イオンによって異なります。
特に CuS、PbS、ZnS などは重要です。
硫化銅(Ⅱ)の沈殿
Cu²⁺ + S²⁻ → CuS
CuSは黒色沈殿です。
硫化亜鉛の沈殿
Zn²⁺ + S²⁻ → ZnS
ZnSは白色沈殿です。
代表的な硫化物沈殿
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金属イオン
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沈殿
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色
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ポイント
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Cu²⁺
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CuS
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黒色
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銅(Ⅱ)イオンの検出に関係
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Pb²⁺
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PbS
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黒色
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鉛(Ⅱ)イオンの硫化物
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Ag⁺
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Ag₂S
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黒色
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銀の黒ずみに関係
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Zn²⁺
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ZnS
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白色
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黒色でない点に注意
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Cd²⁺
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CdS
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黄色
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黄色沈殿として重要
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注意:硫化物沈殿は黒色が多いですが、ZnSは白色、CdSは黄色なので区別しましょう。
確認ポイント
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代表的な硫化物沈殿の色を答えられる
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CuSやPbSが黒色沈殿であることを覚える
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ZnSが白色沈殿であることを覚える
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4
二酸化硫黄 SO₂
二酸化硫黄 SO₂ は、無色で刺激臭をもつ気体です。
水に溶けると亜硫酸 H₂SO₃ を生じ、酸性を示します。
SO₂ は酸化剤としても還元剤としても働くことがある重要な物質です。
特に酸化還元の問題では、SO₂がどちらとして働くかを判断する必要があります。
二酸化硫黄が水に溶ける反応
SO₂ + H₂O ⇄ H₂SO₃
亜硫酸を生じ、水溶液は酸性を示します。
二酸化硫黄の酸化
SO₂ + 2H₂O → SO₄²⁻ + 4H⁺ + 2e⁻
SO₂が電子を失う場合、SO₂は還元剤として働きます。
SO₂の性質
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項目
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内容
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色
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無色
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におい
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刺激臭
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水への溶解
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溶ける
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水溶液
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酸性
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酸化還元
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酸化剤にも還元剤にもなる
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確認ポイント
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SO₂が刺激臭をもつ気体であることを覚える
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SO₂が水に溶けて酸性を示すことを説明できる
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SO₂が酸化剤にも還元剤にもなることを理解できる
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5
硫酸 H₂SO₄
硫酸 H₂SO₄ は、強酸として重要な物質です。
希硫酸は強酸として酸の性質を示します。
一方、濃硫酸は脱水作用、吸湿性、酸化作用など、特有の性質をもちます。
希硫酸と濃硫酸では注目すべき性質が異なるため、分けて整理しましょう。
熱濃硫酸と銅の反応
Cu + 2H₂SO₄ → CuSO₄ + SO₂ + 2H₂O
熱濃硫酸は酸化剤として働き、銅を酸化します。
希硫酸と濃硫酸
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種類
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主な性質
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ポイント
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希硫酸
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強酸
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水素イオン H⁺ を生じる酸として働く
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濃硫酸
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吸湿性
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水分を吸収しやすい
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濃硫酸
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脱水作用
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有機物から水を奪う
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熱濃硫酸
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酸化作用
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銅などを酸化する
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注意:濃硫酸を薄めるときは、必ず水に濃硫酸を少しずつ加えます。
注意:濃硫酸に水を加えると激しく発熱して危険です。
確認ポイント
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希硫酸と濃硫酸の違いを説明できる
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濃硫酸の脱水作用・吸湿性・酸化作用を区別できる
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熱濃硫酸が銅を酸化する反応を理解できる
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6
硫黄化合物の例題
硫黄化合物は、気体の性質、沈殿反応、酸化還元、強酸の性質が混ざって出題されます。
それぞれの物質を個別に覚えるだけでなく、どの反応分野と関係するかも整理しましょう。
例題:硫化水素 H₂S の特徴的なにおいを答えなさい。
答え:腐卵臭
H₂Sは腐った卵のようなにおいをもつ有毒な気体です。
例題:SO₂が水に溶けると何性を示すか。
答え:酸性
SO₂は水に溶けて亜硫酸 H₂SO₃ を生じるため、酸性を示します。
例題:濃硫酸が有機物から水を奪う性質を何というか。
答え:脱水作用
濃硫酸は強い脱水作用をもち、糖類などから水を奪って炭化させることがあります。
確認ポイント
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H₂S、SO₂、H₂SO₄ の性質を区別できる
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硫黄化合物と酸化還元の関係を説明できる
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濃硫酸の性質を整理して答えられる
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