この教材で学ぶこと
到達目標
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SO₂とSO₃の性質を説明できる
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SOxが硫黄酸化物の総称であることを説明できる
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SO₂やSO₃が酸性雨の原因になることを説明できる
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硫黄酸化物から硫酸が生じる流れを説明できる
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NOxとSOxを比較できる
前提知識
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窒素酸化物と環境問題
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酸・塩基
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酸化還元
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硫黄化合物
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硫酸の基礎
1
硫黄酸化物とは
硫黄酸化物とは、硫黄 S と酸素 O からなる化合物の総称です。
高校化学で特に重要なのは、二酸化硫黄 SO₂ と三酸化硫黄 SO₃ です。
SO₂やSO₃などをまとめて SOx と表すことがあります。
SOxは大気汚染や酸性雨の原因物質として重要です。
NOxが硝酸につながるのに対して、SOxは主に硫酸につながると整理すると覚えやすいです。
代表的な硫黄酸化物
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化学式
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名称
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特徴
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環境問題との関係
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SO₂
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二酸化硫黄
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無色・刺激臭。有毒。還元性をもつ
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酸性雨の原因
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SO₃
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三酸化硫黄
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水と激しく反応して硫酸を生じる
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酸性雨・硫酸の生成に関係
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SOx
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硫黄酸化物の総称
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SO₂、SO₃など
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大気汚染物質として重要
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確認ポイント
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SO₂が二酸化硫黄であることを答えられる
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SO₃が三酸化硫黄であることを答えられる
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SOxが硫黄酸化物の総称であることを説明できる
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2
二酸化硫黄 SO₂
二酸化硫黄 SO₂ は、無色で刺激臭をもつ有毒な気体です。
硫黄を燃焼させると、二酸化硫黄が生じます。
SO₂は水に溶けると亜硫酸 H₂SO₃ を生じ、酸性を示します。
また、SO₂は還元性をもつ物質としても重要です。
酸性雨や大気汚染の原因物質として、環境問題でもよく出題されます。
硫黄の燃焼
S + O₂ → SO₂
硫黄が燃焼すると、二酸化硫黄が生じます。
二酸化硫黄と水
SO₂ + H₂O ⇄ H₂SO₃
亜硫酸を生じるため、水溶液は酸性を示します。
SO₂のポイント
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項目
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内容
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化学式
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SO₂
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名称
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二酸化硫黄
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色・におい
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無色・刺激臭
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毒性
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有毒
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水との反応
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亜硫酸 H₂SO₃ を生じる
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重要性
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酸性雨の原因、還元剤として働く
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注意:SO₂は無色ですが、刺激臭をもつ有毒な気体です。
注意:SO₂は酸性雨だけでなく、還元性や漂白作用でも出題されます。
確認ポイント
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SO₂が無色・刺激臭の気体であることを答えられる
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硫黄の燃焼でSO₂が生じることを説明できる
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SO₂が水に溶けて酸性を示すことを説明できる
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3
三酸化硫黄 SO₃
三酸化硫黄 SO₃ は、硫黄酸化物の一つです。
SO₂がさらに酸化されると、SO₃が生じます。
SO₃は水と反応して硫酸 H₂SO₄ を生じます。
この反応は非常に発熱的で、工業的な硫酸製造にも関係します。
大気中でSO₃が水分と反応すると、硫酸が生じ、酸性雨の原因になります。
二酸化硫黄の酸化
2SO₂ + O₂ → 2SO₃
SO₂が酸化されてSO₃になります。接触法ではV₂O₅触媒が使われます。
三酸化硫黄と水
SO₃ + H₂O → H₂SO₄
SO₃が水と反応して硫酸を生じます。
SO₃のポイント
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項目
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内容
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化学式
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SO₃
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名称
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三酸化硫黄
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でき方
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SO₂が酸化されてできる
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水との反応
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H₂SO₄を生じる
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関連
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硫酸製造、酸性雨
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確認ポイント
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SO₃が三酸化硫黄であることを答えられる
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SO₂が酸化されてSO₃になることを説明できる
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SO₃と水からH₂SO₄ができることを説明できる
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4
SOxの発生源
SOxは、硫黄を含む燃料を燃焼させたときに発生することがあります。
石炭や石油には、硫黄分を含むものがあります。
これらを燃焼させると、硫黄が酸化されてSO₂が発生します。
工場、火力発電所、船舶などの燃焼設備は、SOxの発生源になることがあります。
現在は燃料の低硫黄化や排煙脱硫などにより、SOxの排出を減らす工夫が行われています。
硫黄を含む燃料の燃焼の基本
S + O₂ → SO₂
燃料中の硫黄分が燃焼してSO₂を生じます。
SOxの主な発生源
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発生源
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理由
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石炭の燃焼
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硫黄分を含むことがある
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石油の燃焼
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硫黄分を含むことがある
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火力発電所
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燃料の燃焼でSOxが発生することがある
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工場のボイラー
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燃料中の硫黄が酸化される
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船舶
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燃料由来のSOxが問題になることがある
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確認ポイント
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SOxが硫黄を含む燃料の燃焼で発生することを説明できる
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石炭や石油がSOxの発生源になりうることを理解している
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SOxの排出を減らす工夫があることを説明できる
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5
硫黄酸化物と酸性雨
硫黄酸化物は、酸性雨の原因物質の一つです。
SO₂は大気中で酸化されてSO₃になり、SO₃は水と反応して硫酸 H₂SO₄ を生じます。
また、SO₂が水に溶けて亜硫酸 H₂SO₃ を生じることもあります。
硫酸や亜硫酸が雨水に溶けると、雨水の酸性が強くなります。
このようにして、通常より酸性の強い雨が降る現象を酸性雨といいます。
SO₂から硫酸ができる流れ
2SO₂ + O₂ → 2SO₃
SO₂が酸化されてSO₃になります。
SO₃から硫酸
SO₃ + H₂O → H₂SO₄
SO₃が水と反応して硫酸を生じます。
全体のイメージ
2SO₂ + O₂ + 2H₂O → 2H₂SO₄
SO₂が酸化され、水と反応して硫酸になる流れをまとめた式です。
SOxによる酸性雨の流れ
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段階
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内容
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1
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硫黄を含む燃料が燃焼してSO₂が発生する
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2
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SO₂が大気中で酸化されてSO₃になる
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3
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SO₃が水と反応してH₂SO₄になる
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4
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H₂SO₄が雨水に溶けて酸性雨になる
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例題:SOxが酸性雨の原因になる理由を簡単に説明せよ。
答え:大気中で硫酸などを生じ、雨水に溶けて酸性を強くするため。
SO₂が酸化されてSO₃となり、SO₃が水と反応してH₂SO₄を生じます。
確認ポイント
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SOxが酸性雨の原因になることを説明できる
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SO₂からH₂SO₄ができる流れを説明できる
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酸性雨が雨水の酸性を強くする現象であることを理解している
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6
酸性雨の影響
酸性雨は、自然環境や建造物にさまざまな影響を与えます。
森林や植物にダメージを与えることがあります。
湖や川の水質を酸性にし、生物に影響を与えることがあります。
石灰岩や大理石など、炭酸カルシウム CaCO₃ を含む建材を溶かすことがあります。
金属の腐食を進めることもあります。
酸性雨と炭酸カルシウム
CaCO₃ + 2H⁺ → Ca²⁺ + CO₂ + H₂O
酸によって炭酸カルシウムが溶けます。石灰岩や大理石の劣化につながります。
酸性雨の主な影響
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対象
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影響
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森林・植物
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葉や土壌に影響を与えることがある
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湖沼
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水が酸性化し、生物に影響することがある
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建造物
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石灰岩や大理石が溶けることがある
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金属
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腐食が進みやすくなる
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土壌
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養分の流出や金属イオンの溶出が起こることがある
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確認ポイント
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酸性雨が森林や湖沼に影響することを説明できる
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酸性雨が石灰岩や大理石を傷める理由を説明できる
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酸性雨が金属の腐食に関係することを理解している
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7
二酸化硫黄の還元性と漂白作用
二酸化硫黄 SO₂ は、還元性をもつ物質としても重要です。
SO₂は相手を還元し、自分自身は酸化されて硫酸イオン SO₄²⁻ などになります。
SO₂には漂白作用があり、色素を還元して色を消すことがあります。
ただし、塩素の漂白作用とはしくみが異なります。
塩素は酸化作用による漂白、二酸化硫黄は還元作用による漂白として区別しましょう。
塩素と二酸化硫黄の漂白作用
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物質
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漂白のしくみ
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ポイント
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Cl₂
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酸化作用
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酸化によって色素を変化させる
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SO₂
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還元作用
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還元によって色素を変化させる
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注意:SO₂は酸性雨の原因物質であるだけでなく、還元剤としてもよく出題されます。
注意:漂白作用では、Cl₂は酸化、SO₂は還元と対比して覚えましょう。
確認ポイント
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SO₂が還元性をもつことを説明できる
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SO₂の漂白作用が還元作用によることを説明できる
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Cl₂とSO₂の漂白作用の違いを説明できる
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8
排煙脱硫
SOxは酸性雨や大気汚染の原因になるため、排出を減らす必要があります。
工場や火力発電所の排ガスからSOxを取り除く操作を排煙脱硫といいます。
排煙脱硫では、石灰石 CaCO₃ や石灰乳 Ca(OH)₂ などを使ってSO₂を吸収・中和する方法があります。
SO₂をカルシウム化合物と反応させることで、亜硫酸カルシウム CaSO₃ や硫酸カルシウム CaSO₄ として除去します。
このように、酸性酸化物であるSO₂を塩基性物質で処理する考え方が重要です。
石灰石によるSO₂の除去のイメージ
CaCO₃ + SO₂ → CaSO₃ + CO₂
石灰石がSO₂を吸収し、亜硫酸カルシウムを生じます。
亜硫酸カルシウムの酸化
2CaSO₃ + O₂ → 2CaSO₄
亜硫酸カルシウムが酸化されて硫酸カルシウムになります。
石灰乳によるSO₂の吸収
Ca(OH)₂ + SO₂ → CaSO₃ + H₂O
水酸化カルシウムがSO₂を中和的に吸収します。
排煙脱硫のポイント
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項目
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内容
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目的
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排ガス中のSOxを減らす
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使う物質
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CaCO₃、Ca(OH)₂など
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除去される物質
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SO₂など
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生成物
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CaSO₃、CaSO₄など
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考え方
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酸性酸化物を塩基性物質で処理する
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例題:排煙脱硫で石灰石を使う目的を答えよ。
答え:排ガス中のSO₂を吸収・除去するため。
CaCO₃やCa(OH)₂などのカルシウム化合物を使ってSO₂を処理します。
確認ポイント
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排煙脱硫の意味を説明できる
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SO₂の除去にCaCO₃やCa(OH)₂が使われることを説明できる
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SO₂を酸性酸化物として理解できる
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9
硫酸の工業的製法との関係
SO₂やSO₃は、硫酸の工業的製法とも関係します。
硫酸は接触法によって工業的につくられます。
接触法では、まず硫黄や硫化鉱を燃焼させてSO₂をつくります。
次に、SO₂を酸化してSO₃にします。このとき、五酸化バナジウム V₂O₅ が触媒として使われます。
最終的にSO₃を処理して硫酸 H₂SO₄ を得ます。
硫黄から二酸化硫黄
S + O₂ → SO₂
硫黄を燃焼させてSO₂をつくります。
二酸化硫黄から三酸化硫黄
2SO₂ + O₂ ⇄ 2SO₃
V₂O₅触媒を用いてSO₂を酸化します。
三酸化硫黄から硫酸
SO₃ + H₂O → H₂SO₄
基本式としてはSO₃と水から硫酸ができます。工業的には発熱などに注意して処理されます。
接触法の流れ
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段階
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反応・内容
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ポイント
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1
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S → SO₂
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硫黄や硫化鉱を燃焼させる
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2
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SO₂ → SO₃
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V₂O₅触媒で酸化する
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3
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SO₃ → H₂SO₄
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硫酸を得る
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確認ポイント
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接触法が硫酸の工業的製法であることを答えられる
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SO₂からSO₃をつくる段階でV₂O₅触媒が使われることを説明できる
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SO₂、SO₃、H₂SO₄の流れを説明できる
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10
NOxとの比較
酸性雨の原因物質として、NOxとSOxはセットで出題されやすいです。
NOxは窒素酸化物の総称で、主に硝酸 HNO₃ につながります。
SOxは硫黄酸化物の総称で、主に硫酸 H₂SO₄ につながります。
NOxは酸性雨だけでなく、光化学スモッグにも関係します。
SOxは酸性雨や大気汚染、排煙脱硫と関係します。
NOxとSOxの比較
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項目
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NOx
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SOx
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意味
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窒素酸化物の総称
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硫黄酸化物の総称
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代表例
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NO、NO₂
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SO₂、SO₃
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つながる酸
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硝酸 HNO₃
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硫酸 H₂SO₄
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主な環境問題
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酸性雨、光化学スモッグ
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酸性雨、大気汚染
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発生源
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高温燃焼、自動車、工場など
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硫黄を含む燃料の燃焼など
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例題:NOxは主に何という酸につながるか。
答え:硝酸 HNO₃
NO₂などの窒素酸化物は大気中で硝酸を生じ、酸性雨の原因になります。
例題:SOxは主に何という酸につながるか。
答え:硫酸 H₂SO₄
SO₂やSO₃などの硫黄酸化物は大気中で硫酸を生じ、酸性雨の原因になります。
確認ポイント
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NOxとSOxを比較できる
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NOxがHNO₃、SOxがH₂SO₄につながることを説明できる
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酸性雨の原因物質としてNOxとSOxを答えられる
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11
安全面での注意
二酸化硫黄 SO₂ は有毒な気体で、吸い込むと危険です。
刺激臭があるため気づきやすい場合もありますが、直接においをかいではいけません。
SO₂やSO₃は水と反応して酸性を示すため、目や粘膜への刺激にも注意が必要です。
硫酸の生成に関係する反応は発熱をともなうことがあります。
実験で硫黄酸化物や濃硫酸を扱うときは、必ず保護具を着用し、教員や指導者の指示に従います。
硫黄酸化物の注意点
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物質
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注意点
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SO₂
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有毒・刺激臭。吸い込まない
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SO₃
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水と反応して硫酸を生じる
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H₂SO₄
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強酸。脱水作用や発熱に注意
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SOx
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大気汚染・酸性雨に関係する
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確認ポイント
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SO₂が有毒な気体であることを説明できる
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SO₃が水と反応して硫酸を生じることを理解している
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硫黄酸化物や硫酸を扱うときの注意点を説明できる
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12
テストでの出題パターン
硫黄酸化物と酸性雨では、SO₂、SO₃、SOx、硫酸、酸性雨、排煙脱硫がよく出題されます。
SO₂は無色・刺激臭の有毒な気体で、硫黄の燃焼により発生します。
SO₂は酸化されてSO₃となり、SO₃は水と反応して硫酸 H₂SO₄ を生じます。
SOxは酸性雨の原因物質であり、NOxと比較して問われることが多いです。
排煙脱硫では、CaCO₃やCa(OH)₂を用いてSO₂を除去する考え方が重要です。
例題:硫黄を燃焼させると生じる気体は何か。
答え:二酸化硫黄 SO₂
S + O₂ → SO₂ の反応で、二酸化硫黄が生じます。
例題:SO₃と水が反応すると何が生じるか。
答え:硫酸 H₂SO₄
SO₃ + H₂O → H₂SO₄ により硫酸が生じます。
例題:SOxが酸性雨の原因になる理由を答えよ。
答え:大気中で硫酸などを生じ、雨水に溶けるため。
SO₂が酸化されてSO₃となり、SO₃が水と反応してH₂SO₄を生じます。
例題:排煙脱硫でSO₂を除去するために使われる代表的な物質を答えよ。
答え:石灰石 CaCO₃ や水酸化カルシウム Ca(OH)₂
カルシウム化合物を用いてSO₂を吸収・中和的に除去します。
例題:NOxとSOxのうち、硫酸につながるのはどちらか。
答え:SOx
SO₂やSO₃などの硫黄酸化物は、硫酸H₂SO₄につながります。
確認ポイント
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SO₂とSO₃の性質を説明できる
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SOxが酸性雨の原因になることを説明できる
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SO₂からH₂SO₄ができる流れを説明できる
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排煙脱硫の考え方を説明できる
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NOxとSOxを比較できる
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