有機化学 / alkane

アルカン

単結合のみをもつ飽和炭化水素であるアルカンについて、一般式、命名、構造異性体、燃焼、置換反応をまとめた教材です。
難易度:基礎 目安:30分
# 有機化学 # 炭化水素 # アルカン # 飽和炭化水素 # 構造異性体 # 置換反応

この教材で学ぶこと

到達目標

  • アルカンの一般式を答えられる
  • 代表的なアルカンの名前と分子式を対応させられる
  • アルカンが飽和炭化水素であることを説明できる
  • 構造異性体の考え方を理解できる
  • アルカンの燃焼反応と置換反応を説明できる

前提知識

  • 炭素原子の結合
  • 共有結合
  • 分子式と構造式
  • 有機化合物の基本
目次

1 アルカンとは

アルカンとは、炭素原子どうしが単結合だけでつながった炭化水素です。
炭化水素とは、炭素 C と水素 H だけからできた有機化合物です。
アルカンは炭素原子の結合がすべて単結合であり、これ以上水素を付加しにくいため、飽和炭化水素と呼ばれます。
代表的なアルカンには、メタン、エタン、プロパン、ブタンなどがあります。
アルカンの一般式
CₙH₂ₙ₊₂
鎖式アルカンでは、炭素数をnとすると分子式はCₙH₂ₙ₊₂で表されます。
アルカンの結合の特徴
C-C 単結合のみ
二重結合や三重結合を含まない飽和炭化水素です。
確認ポイント
  • アルカンが単結合のみをもつ炭化水素であることを説明できる
  • アルカンの一般式 CₙH₂ₙ₊₂ を答えられる
  • 飽和炭化水素という言葉の意味を理解できる
↑ 目次へ戻る

2 代表的なアルカン

アルカンは炭素数によって名前が変わります。
炭素数1のメタン CH₄、炭素数2のエタン C₂H₆、炭素数3のプロパン C₃H₈、炭素数4のブタン C₄H₁₀ は特に基本です。
有機化学では、炭素数と名前を対応させることが重要です。
メタン・エタン・プロパン・ブタンまでは最初に確実に覚えましょう。
メタン
CH₄
最も簡単なアルカンです。
エタン
CH₃-CH₃
炭素原子2個が単結合でつながっています。
プロパン
CH₃-CH₂-CH₃
家庭用燃料としても知られる炭化水素です。
代表的なアルカン
炭素数 名称 分子式 構造式イメージ
1 メタン CH₄ CH₄
2 エタン C₂H₆ CH₃-CH₃
3 プロパン C₃H₈ CH₃-CH₂-CH₃
4 ブタン C₄H₁₀ CH₃-CH₂-CH₂-CH₃
5 ペンタン C₅H₁₂ CH₃-CH₂-CH₂-CH₂-CH₃
確認ポイント
  • メタン、エタン、プロパン、ブタンの分子式を答えられる
  • 炭素数からアルカンの分子式を求められる
↑ 目次へ戻る

3 構造異性体

構造異性体とは、分子式は同じでも、原子のつながり方が異なる化合物です。
アルカンでは、炭素数が4以上になると構造異性体が現れます。
たとえば、C₄H₁₀ には直鎖状のブタンと、枝分かれした2-メチルプロパンがあります。
分子式が同じでも構造が違えば、沸点などの性質も変わります。
ブタン
CH₃-CH₂-CH₂-CH₃
炭素が一直線につながった構造です。
2-メチルプロパン
CH₃-CH(CH₃)-CH₃
炭素骨格が枝分かれした構造です。
C₄H₁₀の構造異性体
名称 構造式イメージ 特徴
ブタン CH₃-CH₂-CH₂-CH₃ 直鎖状
2-メチルプロパン CH₃-CH(CH₃)-CH₃ 枝分かれ構造
注意:構造異性体では、分子式だけを見るのではなく、炭素骨格のつながり方を見ることが重要です。
確認ポイント
  • 構造異性体の意味を説明できる
  • C₄H₁₀に2種類の構造異性体があることを理解できる
↑ 目次へ戻る

4 アルカンの燃焼

アルカンは燃焼すると、十分な酸素がある場合、二酸化炭素 CO₂ と水 H₂O を生じます。
この反応は発熱反応であり、燃料として利用される理由にも関係します。
メタン、プロパン、ブタンなどは燃料として身近な物質です。
燃焼反応式では、炭素数と水素数から CO₂ と H₂O の係数を決め、最後に O₂ の係数を合わせます。
メタンの完全燃焼
CH₄ + 2O₂ → CO₂ + 2H₂O
メタン1分子からCO₂が1分子、水が2分子できます。
プロパンの完全燃焼
C₃H₈ + 5O₂ → 3CO₂ + 4H₂O
プロパンは燃料として使われる代表的なアルカンです。
ブタンの完全燃焼
2C₄H₁₀ + 13O₂ → 8CO₂ + 10H₂O
係数に分数が出る場合は、全体を2倍して整数にします。
例題:メタン CH₄ が完全燃焼すると何が生じるか。
答え:二酸化炭素 CO₂ と水 H₂O
炭化水素の完全燃焼では、十分な酸素があるとCO₂とH₂Oが生成します。
確認ポイント
  • アルカンの完全燃焼でCO₂とH₂Oが生じることを説明できる
  • 簡単な燃焼反応式の係数を合わせられる
↑ 目次へ戻る

5 アルカンの置換反応

アルカンは比較的反応性が低いですが、光の存在下でハロゲンと置換反応を起こします。
置換反応とは、分子中の原子や原子団が別の原子や原子団に置き換わる反応です。
たとえば、メタンに塩素を作用させると、メタン中の水素原子が塩素原子に置き換わり、クロロメタンができます。
この反応では、さらに置換が進むとジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタンが生じることもあります。
メタンの塩素置換
CH₄ + Cl₂ → CH₃Cl + HCl
光の存在下で進み、クロロメタンが生成します。
さらに置換が進む場合
CH₃Cl → CH₂Cl₂ → CHCl₃ → CCl₄
水素が順番に塩素へ置換されていきます。
メタンの塩素置換生成物
生成物 分子式 名前
CH₃Cl CH₃Cl クロロメタン
CH₂Cl₂ CH₂Cl₂ ジクロロメタン
CHCl₃ CHCl₃ トリクロロメタン
CCl₄ CCl₄ テトラクロロメタン
確認ポイント
  • アルカンが置換反応を起こすことを説明できる
  • メタンと塩素の反応でCH₃Clができることを答えられる
↑ 目次へ戻る

6 アルカンの例題

アルカンの問題では、一般式、構造異性体、燃焼反応、置換反応がよく問われます。
まずはCₙH₂ₙ₊₂を使って分子式を求められるようにしましょう。
例題:炭素数5の鎖式アルカンの分子式を答えなさい。
答え:C₅H₁₂
アルカンの一般式はCₙH₂ₙ₊₂です。n=5を代入するとC₅H₁₂になります。
例題:C₄H₁₀の構造異性体を2つ答えなさい。
答え:ブタン、2-メチルプロパン
C₄H₁₀には直鎖状のブタンと枝分かれした2-メチルプロパンがあります。
例題:アルカンは付加反応と置換反応のどちらを起こしやすいか。
答え:置換反応
アルカンは単結合のみをもつ飽和炭化水素であり、ハロゲンとは置換反応を起こします。
確認ポイント
  • アルカンの一般式を使える
  • 代表的な構造異性体を考えられる
  • 燃焼反応と置換反応を説明できる
↑ 目次へ戻る

関連する化学図鑑

この内容の問題へ 問題へ 教材一覧へ ホームへ
ホーム