早覚え表 / quick_inorganic

金属イオンの系統分析早覚え表

金属イオンを塩酸、硫化水素、アンモニア水、炭酸アンモニウムなどで分離・確認する流れをまとめた早覚え表です。
早覚え表
難易度:発展 目安:30分
# 早覚え表 # 無機化学 # 金属イオン # 系統分析 # 沈殿 # 確認反応

この教材で学ぶこと

到達目標

  • 金属イオンの系統分析の大まかな流れを説明できる
  • 塩酸で沈殿するイオンを覚えられる
  • 硫化水素で沈殿する金属イオンを整理できる
  • アンモニア水や炭酸アンモニウムによる分離を理解できる
  • 代表的な沈殿の色を覚えられる

前提知識

  • 沈殿反応
  • 無機イオンの沈殿早覚え表
  • 金属イオンの性質
  • 錯イオン

早覚え表

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金属イオン系統分析の大まかな流れ

段階 加える試薬 沈殿する主なイオン 沈殿・特徴 覚えるポイント
第1属 希塩酸 Ag⁺, Pb²⁺ AgCl 白色, PbCl₂ 白色 塩化物として沈殿
第2属 酸性でH₂S Cu²⁺, Pb²⁺など CuS 黒色, PbS 黒色 酸性でも硫化物が沈殿
第3属 NH₃水 Fe³⁺, Al³⁺, Cr³⁺など 水酸化物沈殿 水酸化物として沈殿
第4属 塩基性でH₂S Zn²⁺, Mn²⁺, Ni²⁺など 硫化物沈殿 塩基性で沈殿しやすい
第5属 (NH₄)₂CO₃ Ba²⁺, Ca²⁺, Sr²⁺ 炭酸塩沈殿 アルカリ土類金属の一部
第6属 残るもの Na⁺, K⁺, NH₄⁺, Mg²⁺など 沈殿しにくい 炎色反応や別試薬で確認

塩酸で沈殿するイオン

イオン 沈殿 確認ポイント
Ag⁺ AgCl 白色 アンモニア水に溶けてジアンミン銀(I)イオンを作る
Pb²⁺ PbCl₂ 白色 熱水に溶けやすく、冷やすと再結晶しやすい
Hg₂²⁺ Hg₂Cl₂ 白色 高校範囲では扱わないことも多い

硫化水素で沈殿する代表的なイオン

条件 イオン 沈殿 ポイント
酸性 Cu²⁺ CuS 黒色 酸性でも沈殿しやすい
酸性 Pb²⁺ PbS 黒色 塩酸で残ったPb²⁺が沈殿することがある
酸性 Cd²⁺ CdS 黄色 黄色沈殿として有名
塩基性 Zn²⁺ ZnS 白色 酸性では沈殿しにくい
塩基性 Mn²⁺ MnS 淡紅色 色で覚える
塩基性 Ni²⁺ NiS 黒色 黒色硫化物

アンモニア水で沈殿・錯イオンを作るイオン

イオン 少量のNH₃水 過剰のNH₃水 覚えるポイント
Cu²⁺ Cu(OH)₂ 青白色沈殿 深青色溶液 [Cu(NH₃)₄]²⁺を作る
Ag⁺ Ag₂Oなどの沈殿 無色に溶ける [Ag(NH₃)₂]⁺を作る
Zn²⁺ Zn(OH)₂ 白色沈殿 無色に溶ける [Zn(NH₃)₄]²⁺を作る
Al³⁺ Al(OH)₃ 白色沈殿 過剰NH₃には溶けにくい 両性水酸化物だがNH₃では溶けにくい
Fe²⁺ Fe(OH)₂ 緑白色沈殿 溶けにくい 空気中で酸化されやすい
Fe³⁺ Fe(OH)₃ 赤褐色沈殿 溶けにくい 赤褐色が重要

沈殿色の重要まとめ

沈殿 対応イオン 覚え方
AgCl 白色 Ag⁺ 銀の塩化物は白
PbCl₂ 白色 Pb²⁺ 熱水に溶けやすい
Cu(OH)₂ 青白色 Cu²⁺ 銅(II)は青系
CuS 黒色 Cu²⁺ 硫化銅は黒
Fe(OH)₂ 緑白色 Fe²⁺ 鉄(II)は緑系
Fe(OH)₃ 赤褐色 Fe³⁺ 鉄(III)は赤褐色
Al(OH)₃ 白色 Al³⁺ 両性水酸化物
Zn(OH)₂ 白色 Zn²⁺ 両性水酸化物
BaSO₄ 白色 Ba²⁺ 硫酸イオンの確認にも使う
CaCO₃ 白色 Ca²⁺ 炭酸塩沈殿

覚え方・暗記ポイント

塩酸で沈殿するのはAg⁺とPb²⁺をまず覚える。
Cu²⁺はNH₃過剰で深青色溶液になる。
Ag⁺はNH₃過剰で無色に溶ける。
Fe²⁺は緑白色、Fe³⁺は赤褐色で覚える。
Al(OH)₃とZn(OH)₂は白色沈殿で、どちらも両性水酸化物。
Ba²⁺、Ca²⁺は炭酸塩や硫酸塩の白色沈殿でよく出る。
系統分析は全部丸暗記ではなく、塩化物・硫化物・水酸化物・炭酸塩の順に整理する。
目次

1 系統分析は沈殿を利用した分離

金属イオンの系統分析では、試薬を順番に加えて、沈殿するイオンと溶液中に残るイオンを分けます。
代表的な流れは、塩酸、硫化水素、アンモニア水、硫化水素、炭酸アンモニウムという順番です。
高校化学では、すべての細かい分類よりも、代表的なイオンと沈殿色を確実に覚えることが重要です。
確認ポイント
  • 系統分析が沈殿による分離であることを説明できる
  • 塩酸で沈殿するイオンを答えられる
  • 代表的な沈殿色を覚えられる
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2 塩酸で沈殿するイオン

希塩酸を加えると、塩化物として沈殿しやすいイオンが分離されます。
特にAg⁺とPb²⁺は重要です。AgClとPbCl₂はどちらも白色沈殿ですが、PbCl₂は熱水に溶けやすいという違いがあります。
AgClはアンモニア水に溶けるため、銀イオンの確認に使われます。
確認ポイント
  • AgClの色を答えられる
  • PbCl₂の性質を説明できる
  • AgClがNH₃水に溶けることを覚えられる
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3 錯イオンを作る反応に注意

金属イオンの中には、アンモニア水を過剰に加えると錯イオンを作って溶けるものがあります。
Cu²⁺は過剰のアンモニア水で深青色溶液になります。
Ag⁺やZn²⁺もアンモニアと錯イオンを作って溶けるため、沈殿が再び消える反応としてよく問われます。
確認ポイント
  • Cu²⁺が過剰NH₃で深青色になることを説明できる
  • Ag⁺がアンモニア水に溶けることを説明できる
  • 錯イオン形成と沈殿の溶解を結びつけられる
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