早覚え表 / quick_organic

有機反応経路早覚え表① アルケン・アルキン / アルコール酸化

アルケン・アルキンの付加反応と、アルコール・アルデヒド・カルボン酸のつながりを1ページで整理した早覚え教材です。
早覚え表
難易度:標準 目安:20分
# 早覚え表 # 有機化学 # 脂肪族 # 反応経路 # アルケン # アルキン # アルコール # アルデヒド # カルボン酸

この教材で学ぶこと

到達目標

  • アルケン・アルキンの代表的な付加反応を説明できる
  • アルコールの酸化で何ができるか判断できる
  • アルデヒドからカルボン酸への流れを説明できる
  • 脂肪族反応経路を図で整理できる

前提知識

  • アルカン・アルケン・アルキン
  • アルコールとエーテル
  • アルデヒドとケトン
  • カルボン酸

反応経路図

骨格式で主要な反応経路をまとめています。構造式をクリックすると拡大表示できます。

① アルケン・アルキン中心

アルケン・アルキンは付加反応を中心に整理します。特にエチレンとアセチレンの反応経路は頻出です。

エチレン → エタン
二重結合に水素が付加して、単結合のアルカンになります。
エチレンの構造式
エチレン
CH₂=CH₂
アルケン
H₂付加
エタンの構造式
エタン
CH₃-CH₃
アルカン
エチレン → エタノール
アルケンに水が付加するとアルコールになります。エタノール製法として重要です。
エチレンの構造式
エチレン
CH₂=CH₂
アルケン
H₂O付加
エタノールの構造式
エタノール
CH₃CH₂OH
アルコール
エチレン → クロロエタン
アルケンにハロゲン化水素が付加すると、ハロゲン化アルキルになります。
エチレンの構造式
エチレン
CH₂=CH₂
アルケン
HCl付加
クロロエタンの構造式
クロロエタン
CH₃CH₂Cl
ハロゲン化物
エチレン → ポリエチレン
エチレンが多数つながると、代表的な高分子であるポリエチレンになります。
エチレンの構造式
エチレン
CH₂=CH₂
モノマー
付加重合
ポリエチレンの構造式
ポリエチレン
[-CH₂-CH₂-]ₙ
高分子
アセチレン → アセトアルデヒド
アセチレンに水を付加すると、最終的にアセトアルデヒドになります。
アセチレンの構造式
アセチレン
HC≡CH
アルキン
H₂O付加
アセトアルデヒドの構造式
アセトアルデヒド
CH₃CHO
アルデヒド
アセチレン → 塩化ビニル
アセチレンに塩化水素が付加すると、ポリ塩化ビニルの原料である塩化ビニルになります。
アセチレンの構造式
アセチレン
HC≡CH
アルキン
HCl付加
塩化ビニルの構造式
塩化ビニル
CH₂=CHCl
PVC原料
アセチレン → ベンゼン
アセチレン3分子が集まるとベンゼンになります。芳香族への入り口として覚えます。
アセチレンの構造式
アセチレン
HC≡CH
アルキン
三量化
ベンゼンの構造式
ベンゼン
C₆H₆
芳香族

② アルコール・アルデヒド・カルボン酸

第一級アルコールは、アルデヒドを経てカルボン酸へ酸化されます。第二級アルコールはケトンになります。

エテン → エタノール → アセトアルデヒド → 酢酸
第一級アルコールの酸化は、アルデヒドを経てカルボン酸へ進みます。
エテンの構造式
エテン
CH₂=CH₂
アルケン
H₂O付加
エタノールの構造式
エタノール
CH₃CH₂OH
第一級アルコール
酸化
アセトアルデヒドの構造式
アセトアルデヒド
CH₃CHO
アルデヒド
さらに酸化
酢酸の構造式
酢酸
CH₃COOH
カルボン酸
酢酸 → 酢酸エチル
カルボン酸とアルコールを濃硫酸存在下で加熱すると、エステルができます。
酢酸の構造式
酢酸
CH₃COOH
カルボン酸
エタノール + 濃硫酸・加熱
酢酸エチルの構造式
酢酸エチル
CH₃COOC₂H₅
エステル
第二級アルコール → ケトン
第二級アルコールは酸化されるとケトンになります。アルデヒドにはなりません。
2-プロパノールの構造式
2-プロパノール
CH₃CHOHCH₃
第二級アルコール
酸化
アセトンの構造式
アセトン
CH₃COCH₃
ケトン

①補足 ハロゲン化アルキル

ハロゲン化アルキルは、NaOH水溶液では置換反応、KOHエタノール溶液では脱離反応を起こします。

クロロエタン → エタノール
ハロゲン化アルキルにNaOH水溶液を作用させると、OHに置き換わってアルコールになります。
クロロエタンの構造式
クロロエタン
CH₃CH₂Cl
ハロゲン化アルキル
NaOH水溶液
エタノールの構造式
エタノール
CH₃CH₂OH
アルコール
クロロエタン → エチレン
ハロゲン化アルキルにKOHエタノール溶液を作用させると、HXが取れてアルケンになります。
クロロエタンの構造式
クロロエタン
CH₃CH₂Cl
ハロゲン化アルキル
KOHエタノール溶液
エチレンの構造式
エチレン
CH₂=CH₂
アルケン
※ 高分子やジアゾニウム塩など、単一の構造式SVGで表しにくいものは代表構造・単量体・模式表示で整理しています。

早覚え表

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アルケン・アルキンの主要反応

出発物質 反応・条件 生成物 覚えるポイント
アルケン H₂付加 アルカン 二重結合に付加
アルケン H₂O付加 アルコール 水和反応
アルケン Br₂付加 ジハロゲン化物 臭素水の脱色
アルケン HX付加 ハロゲン化アルキル 付加反応
アルケン 付加重合 高分子 ポリエチレンなど
アルキン H₂付加 アルケン → アルカン 段階的に水素付加
アルキン H₂O付加 アルデヒド・ケトン アセチレンはアセトアルデヒド
アルキン HCl付加 ハロゲン化物 アセチレンから塩化ビニルが重要
アセチレン 三量化 ベンゼン 工業的・頻出の流れ
ハロゲン化アルキル NaOH水溶液 アルコール 置換反応・加水分解
ハロゲン化アルキル KOHエタノール溶液 アルケン 脱離反応

アルコール・アルデヒド・カルボン酸の主要反応

出発物質 反応・条件 生成物 覚えるポイント
第一級アルコール 酸化 アルデヒド さらに酸化でカルボン酸
第二級アルコール 酸化 ケトン アルデヒドにはならない
アルデヒド 酸化 カルボン酸 銀鏡反応・フェーリング反応と関係
エタノール 酸化 アセトアルデヒド 第一級アルコールの代表
アセトアルデヒド 酸化 酢酸 アルデヒドからカルボン酸へ
エタノール 濃硫酸・約170℃ エテン 脱水反応
エテン H₂O付加 エタノール 水和反応
カルボン酸 + アルコール 濃硫酸・加熱 エステル 次ページにつながる重要反応

覚え方・暗記ポイント

アルケンは付加反応の中心。
アルキンも付加反応をするが、生成物が段階的に変わる。
アセチレンの水和でアセトアルデヒドができるのは頻出。
第一級アルコール → アルデヒド → カルボン酸。
第二級アルコール → ケトン。
エタノール ⇄ エテン は脱水と水和でセットで覚える。
ハロゲン化アルキルはNaOH水溶液でアルコール、KOHエタノール溶液でアルケンになる。
目次

1 このページの覚え方

まずはアルケンを中心に、何が付加するかを整理しましょう。
次にアルキンでは、アセチレンからアセトアルデヒド、塩化ビニル、ベンゼンにつながる流れを押さえます。
後半は、第一級アルコールの酸化でアルデヒド、さらにカルボン酸になる流れを確認します。
確認ポイント
  • アルケンの代表的付加反応を説明できる
  • アセチレンから生じる代表生成物を言える
  • 第一級アルコールと第二級アルコールの酸化生成物を区別できる
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