理論化学 / colloid

コロイド

通常の溶液より大きな粒子が分散したコロイドについて、チンダル現象、ブラウン運動、透析、凝析、塩析、保護コロイドをまとめた教材です。
難易度:標準 目安:40分
# 理論化学 # コロイド # チンダル現象 # ブラウン運動 # 透析 # 凝析 # 塩析

この教材で学ぶこと

到達目標

  • コロイドの意味を説明できる
  • 真の溶液とコロイド溶液を区別できる
  • チンダル現象とブラウン運動を説明できる
  • 透析の仕組みを理解できる
  • 凝析と塩析を区別できる
  • 保護コロイドの働きを説明できる

前提知識

  • 溶液
  • 溶質・溶媒
  • イオン
  • 粒子
  • 水溶液の基本
目次

1 コロイドとは

コロイドとは、普通の分子やイオンより大きな粒子が、液体や気体などの中に分散している状態です。
コロイド粒子は、通常の溶質粒子より大きいですが、ろ紙を通り抜ける程度には小さい粒子です。
コロイド粒子が分散している液体をコロイド溶液といいます。
身近な例として、牛乳、豆乳、墨汁、霧、ゼリーなどがあります。
コロイドの例
分散しているもの 特徴
牛乳 脂肪などの粒子 白く濁って見える
墨汁 炭素粒子 黒い粒子が分散
水滴 空気中に水滴が分散
ゼリー 水など ゲル状のコロイド
確認ポイント
  • コロイドが大きめの粒子が分散した状態であることを説明できる
  • 身近なコロイドの例を答えられる
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2 真の溶液とコロイド溶液

真の溶液では、溶質が分子やイオンの大きさで均一に溶けています。
一方、コロイド溶液では、真の溶液より大きな粒子が分散しています。
真の溶液は透明に見えることが多いですが、コロイド溶液は濁って見えることがあります。
ただし、コロイド粒子はろ紙を通り抜けるため、普通のろ過では分離しにくいです。
真の溶液とコロイド溶液
項目 真の溶液 コロイド溶液
粒子の大きさ 小さい 比較的大きい
見た目 透明なことが多い 濁って見えることがある
ろ紙 通り抜ける 通り抜ける
半透膜 通り抜けることが多い 通り抜けにくい
確認ポイント
  • 真の溶液とコロイド溶液の違いを説明できる
  • コロイド粒子がろ紙を通り抜けることを理解できる
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3 チンダル現象

チンダル現象とは、コロイド溶液に光を当てると、光の通路が明るく見える現象です。
コロイド粒子が光を散乱するために起こります。
真の溶液では粒子が小さすぎるため、光の通路は見えにくいです。
暗い部屋で光の筋が見えたり、霧の中でライトの光が見えたりする現象も、チンダル現象に関係します。
チンダル現象のイメージ
コロイド粒子が光を散乱 → 光の通路が見える
コロイド粒子が比較的大きいために起こります。
例題:コロイド溶液に光を当てると光の通路が見える現象を何というか。
答え:チンダル現象
コロイド粒子が光を散乱するため、光の通路が見えます。
確認ポイント
  • チンダル現象を説明できる
  • チンダル現象が光の散乱によって起こることを理解できる
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4 ブラウン運動

ブラウン運動とは、コロイド粒子が不規則に動く現象です。
これは、周囲の水分子などがコロイド粒子に不規則に衝突することで起こります。
コロイド粒子自身が意思をもって動いているわけではありません。
ブラウン運動によって、コロイド粒子は沈みにくく、分散した状態を保ちやすくなります。
ブラウン運動の原因
分散媒の分子の不規則な衝突
水分子などがコロイド粒子に衝突して不規則な動きが生じます。
確認ポイント
  • ブラウン運動がコロイド粒子の不規則な運動であることを説明できる
  • ブラウン運動の原因が周囲の分子の衝突であることを理解できる
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5 透析

透析とは、半透膜を使って、コロイド粒子と小さなイオンや分子を分離する操作です。
半透膜は、小さなイオンや分子は通しますが、大きなコロイド粒子は通しにくい膜です。
この性質を利用すると、コロイド溶液中に混ざった余分なイオンを取り除くことができます。
人工透析も、血液中の不要な小分子を取り除くという点で、透析の考え方と関係しています。
半透膜を通るかどうか
粒子 半透膜
小さなイオン 通りやすい
小さな分子 通りやすい
コロイド粒子 通りにくい
確認ポイント
  • 透析が半透膜を使った分離操作であることを説明できる
  • 半透膜を通る粒子と通りにくい粒子を区別できる
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6 凝析

凝析とは、疎水コロイドに少量の電解質を加えると、コロイド粒子が集まって沈殿する現象です。
疎水コロイドは、水になじみにくい粒子が分散しているコロイドです。
疎水コロイド粒子は、同じ符号の電荷をもつことで互いに反発し、分散状態を保っています。
そこに電解質を加えると、電荷が打ち消されて粒子どうしが集まりやすくなります。
凝析のポイント
項目 内容
対象 疎水コロイド
加えるもの 少量の電解質
結果 粒子が集まり沈殿する
原因 粒子の電荷が打ち消される
例題:疎水コロイドに少量の電解質を加えて沈殿させる現象を何というか。
答え:凝析
電解質によってコロイド粒子の電荷が打ち消され、粒子が集まって沈殿します。
確認ポイント
  • 凝析が疎水コロイドで起こりやすいことを説明できる
  • 凝析に電解質が関係することを理解できる
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7 塩析

塩析とは、親水コロイドに多量の電解質を加えると、コロイド粒子が沈殿する現象です。
親水コロイドは、水となじみやすいコロイドです。
タンパク質などの親水コロイドでは、粒子の周りに水分子が集まり、安定に分散しています。
多量の電解質を加えると、水分子が電解質のイオンに引きつけられ、コロイド粒子の水和が弱まります。
その結果、コロイド粒子が集まって沈殿します。
凝析と塩析の違い
現象 対象 加える電解質の量 主な原因
凝析 疎水コロイド 少量 粒子の電荷が打ち消される
塩析 親水コロイド 多量 水和が弱まる
例題:タンパク質のような親水コロイドに多量の電解質を加えて沈殿させる現象を何というか。
答え:塩析
親水コロイドでは、多量の電解質によって水和が弱まり、沈殿します。
確認ポイント
  • 塩析が親水コロイドで起こることを説明できる
  • 凝析と塩析を区別できる
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8 保護コロイド

保護コロイドとは、疎水コロイドに加えることで、凝析しにくくする親水コロイドのことです。
疎水コロイド粒子の表面を親水コロイドが取り囲むことで、粒子が安定に分散しやすくなります。
ゼラチンなどが保護コロイドとして例に挙げられます。
保護コロイドを加えると、少量の電解質を加えても凝析しにくくなります。
保護コロイド
項目 内容
働き 疎水コロイドを凝析しにくくする
性質 親水コロイド
ゼラチンなど
確認ポイント
  • 保護コロイドの働きを説明できる
  • 保護コロイドが親水コロイドであることを理解できる
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9 コロイドの例題

コロイドの問題では、チンダル現象、ブラウン運動、透析、凝析、塩析がよく問われます。
特に、凝析と塩析は対象となるコロイドと電解質の量で区別しましょう。
例題:コロイド溶液に光を当てると光の通路が見える現象を何というか。
答え:チンダル現象
コロイド粒子が光を散乱することで起こります。
例題:コロイド粒子が不規則に動く現象を何というか。
答え:ブラウン運動
周囲の分子が不規則に衝突することで起こります。
例題:疎水コロイドに少量の電解質を加えて沈殿させる現象を何というか。
答え:凝析
疎水コロイドでは、少量の電解質で電荷が打ち消され沈殿します。
例題:親水コロイドに多量の電解質を加えて沈殿させる現象を何というか。
答え:塩析
親水コロイドでは、多量の電解質により水和が弱まり沈殿します。
確認ポイント
  • コロイドの代表的な現象を説明できる
  • 凝析と塩析を区別できる
  • 透析と半透膜の関係を説明できる
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