この教材で学ぶこと
到達目標
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配位結合の意味を説明できる
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通常の共有結合と配位結合の違いを理解できる
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電子対を与える側と受け取る側を区別できる
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NH₄⁺やH₃O⁺の配位結合を説明できる
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配位結合と錯イオンの関係を理解できる
前提知識
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共有結合
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ルイス構造
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孤立電子対
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イオン
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酸・塩基
1
配位結合とは
配位結合とは、共有結合の一種で、結合に使う電子対を片方の原子やイオンだけが提供してできる結合です。
通常の共有結合では、2つの原子がそれぞれ電子を1個ずつ出し合って電子対を共有します。
一方、配位結合では、一方がすでに持っている孤立電子対を相手に提供して結合を作ります。
結合ができた後は、普通の共有結合と同じように電子対を共有した結合として考えられます。
配位結合は、アンモニウムイオン、オキソニウムイオン、錯イオンなどで重要です。
確認ポイント
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配位結合が一方の粒子から提供された電子対による共有結合であることを説明できる
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配位結合も結合後は共有結合として扱えることを理解できる
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2
普通の共有結合との違い
普通の共有結合では、2つの原子がそれぞれ電子を1個ずつ出し合って、1組の共有電子対を作ります。
たとえば、H₂では2つのH原子がそれぞれ電子を1個ずつ出し合っています。
配位結合では、結合に使う電子対2個を片方の原子やイオンがまとめて提供します。
ただし、結合が完成した後は、どちらが電子を出したかを区別しにくくなります。
そのため、配位結合は『でき方に特徴がある共有結合』と考えると分かりやすいです。
共有結合と配位結合の比較
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結合
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電子対の作られ方
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例
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共有結合
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両方の原子が電子を出し合う
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H-H、O-H
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配位結合
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片方が電子対をまとめて提供する
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NH₄⁺、H₃O⁺、錯イオン
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確認ポイント
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普通の共有結合と配位結合の電子の出し方の違いを説明できる
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配位結合は共有結合の一種であることを理解できる
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3
電子対を与える側と受け取る側
配位結合では、孤立電子対をもつ粒子が電子対を与える側になります。
電子対を与える側は、ルイス塩基として考えることができます。
電子対を受け取る側は、ルイス酸として考えることができます。
たとえば、NH₃はN原子上に孤立電子対をもつため、H⁺に電子対を与えてNH₄⁺を作ります。
このように、配位結合はルイス酸・塩基の考え方とも関係しています。
配位結合における役割
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役割
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意味
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例
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電子対を与える側
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孤立電子対を提供する
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NH₃、H₂O、CN⁻
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電子対を受け取る側
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電子対を受け取る
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H⁺、金属イオン
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ルイス塩基
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電子対を与える粒子
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NH₃
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ルイス酸
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電子対を受け取る粒子
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H⁺、Cu²⁺
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確認ポイント
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電子対を与える側と受け取る側を区別できる
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配位結合とルイス酸・塩基の関係を説明できる
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4
アンモニウムイオン NH₄⁺
アンモニウムイオン NH₄⁺ は、配位結合の代表例です。
アンモニア NH₃ の窒素原子には、孤立電子対が1組あります。
H⁺は電子をもたず、電子対を受け取ることができます。
NH₃がH⁺に孤立電子対を提供すると、N-H結合が新しくでき、NH₄⁺になります。
この新しくできたN-H結合は、でき方としては配位結合です。
アンモニウムイオンの生成
NH₃ + H⁺ → NH₄⁺
NH₃のN上の孤立電子対がH⁺に提供されます。
NH₄⁺の配位結合
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粒子
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役割
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NH₃
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電子対を与える
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H⁺
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電子対を受け取る
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NH₄⁺
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配位結合を含むイオン
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確認ポイント
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NH₄⁺がNH₃とH⁺からできることを説明できる
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NH₃が電子対を与える側であることを理解できる
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5
オキソニウムイオン H₃O⁺
オキソニウムイオン H₃O⁺ も配位結合を含む代表例です。
水 H₂O の酸素原子には、孤立電子対があります。
H₂OがH⁺に孤立電子対を提供すると、新しいO-H結合ができてH₃O⁺になります。
酸が水に溶けると、水分子がH⁺を受け取ってH₃O⁺を作ることがあります。
そのため、酸・塩基の理解にも配位結合の考え方が関係します。
オキソニウムイオンの生成
H₂O + H⁺ → H₃O⁺
H₂OのO上の孤立電子対がH⁺に提供されます。
H₃O⁺の配位結合
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粒子
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役割
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H₂O
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電子対を与える
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H⁺
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電子対を受け取る
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H₃O⁺
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配位結合を含むイオン
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確認ポイント
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H₃O⁺がH₂OとH⁺からできることを説明できる
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水分子が電子対を与える側になることを理解できる
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6
配位結合と錯イオン
錯イオンでは、金属イオンに配位子が配位結合しています。
配位子は、孤立電子対をもつ分子やイオンです。
金属イオンは電子対を受け取る側として働きます。
たとえば、[Cu(NH₃)₄]²⁺ では、Cu²⁺に4個のNH₃が配位しています。
NH₃のN原子が孤立電子対をCu²⁺に提供し、配位結合を作ります。
錯イオンでの配位結合
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部分
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役割
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金属イオン
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電子対を受け取る中心
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配位子
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電子対を与える
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配位結合
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金属イオンと配位子の間の結合
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錯イオン
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金属イオンと配位子からなるイオン
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確認ポイント
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錯イオンが配位結合を含むことを説明できる
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金属イオンが電子対を受け取る側であることを理解できる
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配位子が電子対を与える側であることを説明できる
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7
配位結合の表し方
配位結合は、電子対を与える側から受け取る側へ矢印で表すことがあります。
たとえば、NH₃がH⁺に電子対を与える場合、NからH⁺へ向かう矢印で表します。
ただし、結合ができた後は普通の共有結合と区別せず、単なる線で表すことも多いです。
どちらの表し方でも、電子対がどこから提供されたかを理解しておくことが重要です。
注意:矢印は電子対を与える側から受け取る側へ向けて書きます。
注意:完成後の結合は、通常の共有結合と同様に考えられます。
確認ポイント
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配位結合の矢印が電子対を与える側から受け取る側へ向くことを説明できる
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完成後は共有結合として扱えることを理解できる
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8
配位結合の例題
配位結合の問題では、電子対を与える側と受け取る側を見分けることが重要です。
孤立電子対をもつ粒子は電子対を与える側になりやすく、H⁺や金属イオンは電子対を受け取る側になりやすいです。
例題:NH₃ + H⁺ → NH₄⁺ において、電子対を与えるのはどちらか。
答え:NH₃
NH₃のN原子上の孤立電子対がH⁺へ提供されます。
例題:H₂O + H⁺ → H₃O⁺ において、電子対を受け取るのはどちらか。
答え:H⁺
H⁺は電子対をもたず、水分子の孤立電子対を受け取ります。
例題:錯イオンで、金属イオンと配位子の間にできる結合を何というか。
答え:配位結合
配位子が孤立電子対を金属イオンに提供して結合します。
例題:配位結合は共有結合の一種と考えられるか。
答え:考えられる
でき方は特殊ですが、結合後は電子対を共有した結合として扱えます。
確認ポイント
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配位結合の電子対の流れを説明できる
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NH₄⁺、H₃O⁺、錯イオンの配位結合を説明できる
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配位結合と共有結合の関係を理解できる
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