この教材で学ぶこと
到達目標
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結晶格子の意味を説明できる
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イオン結晶・共有結合結晶・分子結晶・金属結晶を区別できる
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結晶の種類と性質を対応させられる
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融点・硬さ・電気伝導性の違いを説明できる
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代表的な結晶の例を答えられる
前提知識
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イオン結合
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共有結合
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金属結合
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分子間力
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化学結合の基本
1
結晶格子とは
結晶とは、原子・イオン・分子などの粒子が規則正しく並んだ固体です。
その規則正しい粒子の並び方を結晶格子といいます。
結晶では、粒子の種類や結合のしかたによって性質が大きく変わります。
高校化学では、イオン結晶、共有結合結晶、分子結晶、金属結晶の4種類を比較して理解することが重要です。
結晶の分類
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結晶の種類
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構成粒子
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主な結合・力
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イオン結晶
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陽イオンと陰イオン
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イオン結合
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共有結合結晶
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原子
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共有結合
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分子結晶
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分子
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分子間力
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金属結晶
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金属原子・陽イオンと自由電子
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金属結合
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確認ポイント
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結晶が粒子の規則正しい配列であることを説明できる
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結晶を4種類に分類できる
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2
イオン結晶
イオン結晶は、陽イオンと陰イオンが静電気的な引力で規則正しく並んだ結晶です。
代表例には、塩化ナトリウム NaCl、塩化セシウム CsCl、フッ化カルシウム CaF₂ などがあります。
イオン結晶は一般に融点が高く、硬いですが、外から力を加えると割れやすい性質があります。
固体の状態ではイオンが動けないため電気を通しにくいですが、融解状態や水溶液ではイオンが動けるため電気を通します。
イオン結晶の性質
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性質
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理由
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融点が高い
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陽イオンと陰イオンの強い引力がある
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硬いが割れやすい
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ずれると同符号のイオンが反発する
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固体では電気を通しにくい
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イオンが固定されて動けない
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融解状態・水溶液では電気を通す
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イオンが自由に動ける
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例題:NaClの固体は電気を通しにくいが、水溶液では電気を通す理由を説明しなさい。
答え:固体ではイオンが動けないが、水溶液ではNa⁺とCl⁻が自由に動けるから。
電気伝導には電荷をもつ粒子の移動が必要です。
確認ポイント
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イオン結晶の構成粒子を説明できる
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イオン結晶の電気伝導性を状態ごとに説明できる
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イオン結晶が割れやすい理由を説明できる
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3
共有結合結晶
共有結合結晶は、多数の原子が共有結合で立体的につながった結晶です。
代表例には、ダイヤモンド、ケイ素 Si、二酸化ケイ素 SiO₂ などがあります。
共有結合が結晶全体に広がっているため、非常に硬く、融点が高いものが多いです。
多くの共有結合結晶は電気を通しにくいですが、黒鉛のように例外もあります。
共有結合結晶の例
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物質
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特徴
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ダイヤモンド
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炭素原子が正四面体状に結合し、非常に硬い
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黒鉛
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層状構造をもち、電気を通す
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ケイ素 Si
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半導体として利用される
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二酸化ケイ素 SiO₂
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石英やガラスの主成分
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注意:黒鉛は共有結合結晶ですが、層内に動きやすい電子があるため電気を通します。
注意:ダイヤモンドと黒鉛はどちらも炭素からできていますが、構造が違うため性質が大きく異なります。
確認ポイント
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共有結合結晶が原子同士の共有結合でできることを説明できる
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ダイヤモンドと黒鉛の違いを説明できる
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共有結合結晶に融点が高いものが多い理由を理解できる
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4
分子結晶
分子結晶は、分子が分子間力によって規則正しく並んだ結晶です。
代表例には、ヨウ素 I₂、ドライアイス CO₂、氷 H₂O、ナフタレンなどがあります。
分子間力は共有結合やイオン結合より弱いため、分子結晶は融点が低いものが多いです。
分子そのものは電荷を自由に運びにくいため、一般に電気を通しにくいです。
分子結晶の例
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物質
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特徴
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ヨウ素 I₂
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昇華しやすい、紫色の蒸気
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ドライアイス CO₂
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固体二酸化炭素、昇華する
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氷 H₂O
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水分子が水素結合で並ぶ
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ナフタレン
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防虫剤として知られる有機分子
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確認ポイント
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分子結晶が分子間力でできることを説明できる
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分子結晶に融点が低いものが多い理由を説明できる
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代表的な分子結晶を答えられる
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5
金属結晶
金属結晶は、金属原子が規則正しく並び、自由電子によって結びついた結晶です。
金属結合では、金属原子から出た価電子が結晶全体を動き回る自由電子として存在します。
この自由電子があるため、金属は電気や熱をよく通します。
また、金属はたたくと薄く広がる展性、引き伸ばすと線になる延性を示します。
金属結晶の性質
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性質
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理由
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電気をよく通す
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自由電子が動ける
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熱をよく伝える
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自由電子がエネルギーを運ぶ
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金属光沢をもつ
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自由電子が光と相互作用する
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展性・延性をもつ
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結晶がずれても結合が保たれやすい
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確認ポイント
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金属結晶が自由電子をもつことを説明できる
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金属が電気を通す理由を説明できる
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展性・延性の意味を理解できる
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6
結晶の種類と性質の比較
結晶の種類によって、融点、硬さ、電気伝導性などが異なります。
結晶の性質は、構成粒子と粒子間にはたらく力で説明できます。
暗記だけでなく、なぜその性質を示すのかを結合の種類から考えると理解しやすくなります。
結晶の比較
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結晶
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構成粒子
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融点
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電気伝導性
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代表例
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イオン結晶
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陽イオン・陰イオン
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高い
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固体は×、融解・水溶液は○
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NaCl
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共有結合結晶
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原子
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非常に高い
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多くは×、黒鉛は○
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ダイヤモンド、SiO₂
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分子結晶
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分子
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低いものが多い
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×
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I₂、CO₂、氷
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金属結晶
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金属原子・自由電子
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さまざま
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○
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Fe、Cu、Al
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確認ポイント
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結晶の種類ごとの性質を比較できる
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電気伝導性の違いを粒子の動きから説明できる
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7
結晶格子の例題
結晶格子の問題では、結晶の種類、構成粒子、性質、代表例がよく問われます。
特に、固体で電気を通すかどうか、融解するとどうなるかを整理しておきましょう。
例題:NaClはどの種類の結晶か。
答え:イオン結晶
Na⁺とCl⁻がイオン結合で規則正しく並んだ結晶です。
例題:ダイヤモンドはどの種類の結晶か。
答え:共有結合結晶
炭素原子が共有結合で立体的につながっています。
例題:ヨウ素 I₂ の結晶はどの種類の結晶か。
答え:分子結晶
I₂分子が分子間力で並んでいます。
例題:金属が電気をよく通す理由は何か。
答え:自由電子が動けるから。
金属結晶中には、結晶全体を動き回る自由電子があります。
確認ポイント
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代表的な物質を結晶の種類に分類できる
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結晶の性質を結合の種類から説明できる
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