この教材で学ぶこと
到達目標
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電子殻の基本を説明できる
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K殻・L殻・M殻に入る電子数を理解できる
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代表元素の電子配置を答えられる
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価電子の意味を説明できる
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電子配置と周期表の関係を理解できる
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希ガス配置が安定であることを説明できる
1
電子配置とは
電子配置とは、原子の電子がどの電子殻に入っているかを表したものです。
電子は原子核のまわりに存在しますが、好きな場所にばらばらにいるわけではありません。
高校化学では、電子がK殻、L殻、M殻のような電子殻に入ると考えます。
電子配置を理解すると、元素の性質、イオンのでき方、化学結合、周期表の意味が分かりやすくなります。
確認ポイント
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電子配置が電子の入り方を表すことを説明できる
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電子配置が元素の性質と関係することを理解できる
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2
電子殻
電子殻とは、電子が入る層のようなものです。
原子核に近い方から、K殻、L殻、M殻、N殻と呼びます。
各電子殻に入ることができる電子数には上限があります。
K殻には最大2個、L殻には最大8個、M殻には高校化学の基本では最大18個まで入ると考えます。
ただし、初期の元素ではM殻に8個まで入ったところで次のN殻に入る場合があります。
電子殻と最大電子数
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電子殻
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主量子数
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最大電子数
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K殻
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1
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2
|
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L殻
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2
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8
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M殻
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3
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18
|
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N殻
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4
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32
|
注意:高校化学の基本では、原子番号20番くらいまでは 2, 8, 8, 2 のように考えると扱いやすいです。
注意:より詳しくは、s軌道、p軌道、d軌道の順に電子が入るという考え方につながります。
確認ポイント
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K殻に最大2個、L殻に最大8個入ることを覚える
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電子殻が原子核に近い方からK、L、M、Nと呼ばれることを理解できる
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3
代表元素の電子配置
電子配置は、原子番号、つまり中性原子の電子数から考えます。
たとえば、ナトリウム Na の原子番号は11なので、中性のNa原子は電子を11個もちます。
内側のK殻に2個、L殻に8個入ると、残り1個がM殻に入ります。
したがって、Naの電子配置は 2, 8, 1 です。
代表元素の電子配置
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元素
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原子番号
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電子配置
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H
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1
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1
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He
|
2
|
2
|
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Li
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3
|
2, 1
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C
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6
|
2, 4
|
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O
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8
|
2, 6
|
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Ne
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10
|
2, 8
|
|
Na
|
11
|
2, 8, 1
|
|
Mg
|
12
|
2, 8, 2
|
|
Cl
|
17
|
2, 8, 7
|
|
Ar
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18
|
2, 8, 8
|
|
K
|
19
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2, 8, 8, 1
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Ca
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20
|
2, 8, 8, 2
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確認ポイント
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原子番号から電子数を判断できる
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代表元素の電子配置を電子殻で表せる
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Naが2,8,1、Clが2,8,7であることを理解できる
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4
価電子
価電子とは、原子の最外殻にある電子のうち、化学結合に関係しやすい電子です。
代表元素では、最外殻電子の数を価電子数として考えることが多いです。
ナトリウム Na の電子配置は 2,8,1 なので、価電子は1個です。
塩素 Cl の電子配置は 2,8,7 なので、価電子は7個です。
価電子の数は、元素の反応性やイオンのでき方に大きく関係します。
価電子の例
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元素
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電子配置
|
価電子数
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特徴
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|
Li
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2,1
|
1
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電子を1個失いやすい
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|
Na
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2,8,1
|
1
|
Na⁺になりやすい
|
|
Mg
|
2,8,2
|
2
|
Mg²⁺になりやすい
|
|
O
|
2,6
|
6
|
電子を2個受け取りやすい
|
|
Cl
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2,8,7
|
7
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Cl⁻になりやすい
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確認ポイント
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価電子が最外殻にある結合に関係しやすい電子であることを説明できる
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電子配置から価電子数を判断できる
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価電子数とイオンのでき方を関連づけられる
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5
希ガス配置と閉殻
希ガスは、最外殻が安定な電子配置になっているため、反応しにくい元素です。
ヘリウム He はK殻が2個で満たされています。
ネオン Ne は電子配置が 2,8 で、L殻が満たされています。
アルゴン Ar は電子配置が 2,8,8 で、安定な配置です。
このように最外殻が安定に満たされた状態を閉殻構造といいます。
希ガスの電子配置
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希ガス
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原子番号
|
電子配置
|
特徴
|
|
He
|
2
|
2
|
K殻が満たされている
|
|
Ne
|
10
|
2,8
|
L殻が満たされている
|
|
Ar
|
18
|
2,8,8
|
安定な電子配置
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確認ポイント
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希ガスが安定な電子配置をもつことを説明できる
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閉殻構造の意味を理解できる
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He、Ne、Arの電子配置を答えられる
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6
イオンと電子配置
原子は電子を失ったり受け取ったりして、希ガスに似た安定な電子配置になろうとすることがあります。
ナトリウム Na は電子を1個失うと Na⁺ になり、電子配置は 2,8 となってネオンと同じになります。
塩素 Cl は電子を1個受け取ると Cl⁻ になり、電子配置は 2,8,8 となってアルゴンと同じになります。
このように、イオンのでき方は電子配置から理解できます。
イオンと希ガス配置
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原子
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原子の電子配置
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できるイオン
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イオンの電子配置
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Na
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2,8,1
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Na⁺
|
2,8
|
|
Mg
|
2,8,2
|
Mg²⁺
|
2,8
|
|
O
|
2,6
|
O²⁻
|
2,8
|
|
F
|
2,7
|
F⁻
|
2,8
|
|
Cl
|
2,8,7
|
Cl⁻
|
2,8,8
|
例題:NaがNa⁺になるとき、電子は増えるか減るか。
答え:1個減る
Naは電子を1個失ってNa⁺になります。電子配置は2,8,1から2,8になります。
例題:ClがCl⁻になるとき、電子は増えるか減るか。
答え:1個増える
Clは電子を1個受け取ってCl⁻になります。電子配置は2,8,7から2,8,8になります。
確認ポイント
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陽イオンでは電子数が減ることを説明できる
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陰イオンでは電子数が増えることを説明できる
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イオンが希ガス配置に近づくことを理解できる
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7
電子配置と周期表
周期表の周期は、電子が入っている電子殻の数と関係します。
たとえば、Naの電子配置は 2,8,1 で、電子殻が3つ使われているため第3周期の元素です。
周期表の族は、代表元素では価電子数と関係します。
たとえば、NaやKは価電子が1個なので1族、MgやCaは価電子が2個なので2族です。
Clのような17族元素は価電子が7個で、電子を1個受け取って陰イオンになりやすいです。
電子配置と周期表の関係
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見るもの
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周期表との関係
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例
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電子殻の数
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周期に関係
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Naは3つの殻 → 第3周期
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価電子数
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代表元素の族に関係
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Naは価電子1個 → 1族
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最外殻が満たされる
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希ガス
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Ne、Arなど
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価電子7個
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17族・ハロゲン
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F、Clなど
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確認ポイント
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電子殻の数と周期の関係を説明できる
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価電子数と代表元素の族の関係を説明できる
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電子配置から周期表上の性質を予想できる
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8
電子配置の例題
電子配置の問題では、原子番号から電子数を求め、内側の電子殻から順に電子を入れることが基本です。
さらに、最外殻電子数から価電子数を判断し、イオンのでき方や周期表との関係を考えます。
例題:Naの電子配置を答えなさい。
答え:2,8,1
Naの原子番号は11なので、電子11個をK殻に2個、L殻に8個、M殻に1個入れます。
例題:Clの価電子数はいくつか。Clの電子配置は2,8,7である。
答え:7個
最外殻に7個の電子があるため、価電子数は7です。
例題:MgがMg²⁺になると、電子配置はどうなるか。Mgの電子配置は2,8,2である。
答え:2,8
Mgは電子を2個失ってMg²⁺になるため、電子配置は2,8になります。
例題:電子配置が2,8,8の代表的な希ガスは何か。
答え:アルゴン Ar
Arの原子番号は18で、電子配置は2,8,8です。
確認ポイント
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代表元素の電子配置を答えられる
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価電子数を判断できる
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イオンの電子配置を考えられる
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電子配置と周期表を関連づけられる
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