理論化学 / molar_concentration

モル濃度

溶液1 L中に溶けている溶質の物質量を表すモル濃度について、定義、計算、希釈、調製をまとめた教材です。
難易度:基礎 目安:35分
# 理論化学 # モル濃度 # 濃度 # 溶液 # 溶質 # 希釈 # 調製

この教材で学ぶこと

到達目標

  • モル濃度の意味を説明できる
  • mol/L の単位を理解できる
  • 溶質の物質量と溶液の体積からモル濃度を求められる
  • モル濃度と体積から物質量を求められる
  • 希釈前後で溶質の物質量が変わらないことを理解できる

前提知識

  • 物質量 mol
  • モル質量
  • 体積 L と mL の変換
  • 溶液・溶質・溶媒の基本
目次

1 モル濃度とは

モル濃度とは、溶液 1 L 中に溶けている溶質の物質量を表す濃度です。
単位には mol/L を使います。
たとえば、1.0 mol/L の塩酸とは、溶液 1 L 中に HCl が 1.0 mol 含まれている水溶液という意味です。
モル濃度は、化学反応の量的関係や中和滴定などで非常によく使われます。
モル濃度の定義
モル濃度 mol/L = 溶質の物質量 mol ÷ 溶液の体積 L
溶液の体積は L 単位で使います。
確認ポイント
  • モル濃度が溶液1 L中の溶質のmol数であることを説明できる
  • mol/L の意味を理解できる
  • 溶液の体積をLで使うことを意識できる
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2 溶質・溶媒・溶液

濃度を考えるときは、溶質、溶媒、溶液を区別することが大切です。
溶質は溶けている物質、溶媒は溶かしている物質、溶液は溶質と溶媒が混ざった全体です。
食塩水で考えると、食塩が溶質、水が溶媒、食塩水全体が溶液です。
モル濃度では、溶液全体の体積を使います。
溶質・溶媒・溶液
用語 意味 食塩水の例
溶質 溶けている物質 食塩 NaCl
溶媒 溶かしている物質 水 H₂O
溶液 溶質と溶媒が混ざった全体 食塩水
注意:モル濃度の式で使う体積は、溶媒の体積ではなく溶液全体の体積です。
確認ポイント
  • 溶質・溶媒・溶液を区別できる
  • モル濃度では溶液全体の体積を使うことを理解できる
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3 モル濃度の計算

モル濃度を求めるには、溶質の物質量を溶液の体積で割ります。
体積が mL で与えられている場合は、必ず L に直してから計算します。
100 mL は 0.100 L、250 mL は 0.250 L です。
単位変換を忘れると答えが1000倍ずれるので注意しましょう。
モル濃度を求める式
c = n ÷ V
cはモル濃度 mol/L、nは物質量 mol、Vは溶液の体積 L です。
物質量を求める式
n = c × V
濃度と体積から溶質の物質量を求められます。
体積を求める式
V = n ÷ c
物質量と濃度から必要な体積を求められます。
例題:0.50 mol のNaClを水に溶かして全体を1.0 Lにした。モル濃度は何 mol/L か。
答え:0.50 mol/L
0.50 ÷ 1.0 = 0.50 mol/L です。
例題:0.20 mol のHClを含む水溶液が500 mLある。モル濃度は何 mol/L か。
答え:0.40 mol/L
500 mL = 0.500 Lなので、0.20 ÷ 0.500 = 0.40 mol/L です。
確認ポイント
  • モル濃度を求める式を使える
  • mLをLに変換できる
  • 濃度・物質量・体積の関係を使える
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4 質量からモル濃度を求める

溶質の質量が与えられている場合は、まず物質量 mol に変換します。
質量をモル質量で割ると物質量が求められます。
その後、物質量を溶液の体積 L で割るとモル濃度が求められます。
つまり、質量から直接濃度を出そうとせず、いったん mol に直すことが大切です。
質量から物質量
n = 質量 g ÷ モル質量 g/mol
まず溶質が何molあるかを求めます。
物質量からモル濃度
c = n ÷ V
求めた物質量を溶液の体積Lで割ります。
例題:NaCl 5.85 gを水に溶かして全体を500 mLにした。NaClのモル濃度を求めなさい。ただしNaCl = 58.5 g/molとする。
答え:0.200 mol/L
5.85 ÷ 58.5 = 0.100 mol。500 mL = 0.500 L。0.100 ÷ 0.500 = 0.200 mol/Lです。
確認ポイント
  • 質量を物質量に変換できる
  • 質量からモル濃度を求める手順を説明できる
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5 モル濃度から溶質の物質量を求める

モル濃度と体積が分かっている場合、溶質の物質量を求めることができます。
物質量は、モル濃度に溶液の体積をかけて求めます。
この計算は、中和反応や沈殿反応でよく使います。
体積をLに直してから計算することを忘れないようにしましょう。
物質量を求める式
n = c × V
cはmol/L、VはLで使います。
例題:0.10 mol/L のHCl水溶液 200 mL に含まれるHClは何 mol か。
答え:0.020 mol
200 mL = 0.200 L。0.10 × 0.200 = 0.020 molです。
例題:0.50 mol/L のNaOH水溶液 100 mL に含まれるNaOHは何 mol か。
答え:0.050 mol
100 mL = 0.100 L。0.50 × 0.100 = 0.050 molです。
確認ポイント
  • モル濃度と体積から物質量を求められる
  • mLをLに直して計算できる
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6 希釈

濃い溶液に水を加えて薄くすることを希釈といいます。
希釈では、溶液の体積は増えますが、溶けている溶質の物質量は変わりません。
そのため、希釈前後で cV の値が等しくなります。
この関係は、濃い溶液から薄い溶液を作る計算でよく使います。
希釈の式
c₁V₁ = c₂V₂
希釈前後で溶質の物質量が変わらないことを表します。
例題:1.0 mol/L のHCl水溶液を水で薄めて0.20 mol/L の水溶液を500 mL作りたい。元のHCl水溶液は何 mL必要か。
答え:100 mL
c₁V₁ = c₂V₂ より、1.0×V₁ = 0.20×500。V₁ = 100 mLです。
注意:希釈では、溶質のmol数は変わらず、体積が増えることで濃度が下がります。
確認ポイント
  • 希釈前後で溶質の物質量が変わらないことを説明できる
  • c₁V₁ = c₂V₂ を使える
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7 水溶液の調製

一定濃度の水溶液を作るには、必要な溶質の量を計算してから、メスフラスコなどを使って正確な体積にします。
固体を溶かして水溶液を作る場合、まず必要な物質量を求め、そこから必要な質量を計算します。
その後、少量の水に溶かし、最終的に決められた体積まで水を加えます。
溶媒の体積を先に測るのではなく、溶液全体の体積を合わせる点が重要です。
水溶液調製の流れ
手順 内容
1 必要な物質量を求める
2 物質量から必要な質量を求める
3 溶質を少量の水に溶かす
4 メスフラスコで全体の体積を合わせる
例題:0.100 mol/L のNaCl水溶液を1.00 L作るには、NaClは何 g必要か。ただしNaCl = 58.5 g/molとする。
答え:5.85 g
必要な物質量は0.100×1.00 = 0.100 mol。質量は0.100×58.5 = 5.85 gです。
確認ポイント
  • 指定濃度の水溶液を作る計算手順を説明できる
  • 溶液全体の体積を合わせることを理解できる
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8 モル濃度の例題

モル濃度の問題では、mol、L、gの変換がよく出てきます。
体積がmLで与えられたらLに直し、質量が与えられたらmolに直すことを意識しましょう。
例題:0.25 mol の溶質を水に溶かして全体を500 mLにした。モル濃度は何 mol/L か。
答え:0.50 mol/L
500 mL = 0.500 L。0.25 ÷ 0.500 = 0.50 mol/Lです。
例題:0.20 mol/L の水溶液 250 mL に含まれる溶質は何 mol か。
答え:0.050 mol
250 mL = 0.250 L。0.20 × 0.250 = 0.050 molです。
例題:2.0 mol/L の水溶液を水で薄めて0.50 mol/L の水溶液を1.0 L作る。元の水溶液は何 L必要か。
答え:0.25 L
c₁V₁ = c₂V₂ より、2.0×V₁ = 0.50×1.0。V₁ = 0.25 Lです。
確認ポイント
  • モル濃度の基本計算ができる
  • 希釈計算ができる
  • 体積の単位変換を正しくできる
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