理論化学 / phase_equilibrium

相平衡・状態図の基礎

固体・液体・気体の状態変化と、状態図、三重点、臨界点、融解曲線、蒸気圧曲線を高校化学の範囲で整理する教材です。
難易度:標準 目安:40分
# 理論化学 # 相平衡 # 状態図 # 三重点 # 臨界点 # 融解 # 蒸発

この教材で学ぶこと

到達目標

  • 固体・液体・気体の状態変化を説明できる
  • 状態図の基本的な見方を理解できる
  • 三重点と臨界点の意味を説明できる
  • 融解曲線・蒸気圧曲線・昇華曲線を区別できる
  • 圧力や温度の変化で物質の状態が変わることを説明できる

前提知識

  • 物質の三態
  • 温度
  • 圧力
  • 蒸気圧
  • 状態変化
目次

1 相とは

相とは、物質の状態が一様に見える部分のことです。
高校化学では、主に固体、液体、気体の3つの相を考えます。
同じ物質でも、温度や圧力によって固体、液体、気体のどの状態で存在するかが変わります。
たとえば、水は低温では氷、高温では水蒸気、中間では液体の水として存在します。
このような状態の変化を、相変化または状態変化といいます。
物質の三態
状態 粒子の特徴
固体 粒子が規則正しく並び、位置がほぼ固定される
液体 粒子が近くにありながら動ける
気体 粒子が自由に飛び回る 水蒸気
確認ポイント
  • 相が物質の状態を表す考え方であることを説明できる
  • 固体・液体・気体の違いを粒子の動きから説明できる
↑ 目次へ戻る

2 状態変化

物質は、温度や圧力が変わると状態変化を起こします。
固体が液体になる変化を融解、液体が固体になる変化を凝固といいます。
液体が気体になる変化を蒸発または気化、気体が液体になる変化を凝縮といいます。
固体が直接気体になる変化を昇華といいます。
状態変化では、物質そのものの種類は変わらず、粒子の集まり方や動き方が変わります。
状態変化の名称
変化 名称
固体 → 液体 融解
液体 → 固体 凝固
液体 → 気体 蒸発・気化
気体 → 液体 凝縮
固体 → 気体 昇華
気体 → 固体 昇華・凝華
確認ポイント
  • 状態変化の名称を答えられる
  • 状態変化では物質の種類が変わらないことを理解できる
↑ 目次へ戻る

3 相平衡とは

相平衡とは、2つ以上の相が共存し、見かけ上変化が止まっている状態です。
たとえば、0℃付近で氷と水が共存している状態では、氷が溶ける変化と水が凍る変化が同時に起こっています。
この2つの変化の速さが等しいと、見かけ上は氷と水の量が変わらないように見えます。
このように、正反対の変化が同じ速さで起こっている状態を動的平衡として考えることができます。
相平衡は、状態図を理解するうえで重要です。
相平衡のイメージ
固体 ⇄ 液体
融解と凝固が同じ速さで起こると、見かけ上は変化が止まります。
確認ポイント
  • 相平衡が複数の相が共存する状態であることを説明できる
  • 動的平衡の考え方を状態変化に当てはめられる
↑ 目次へ戻る

4 状態図とは

状態図とは、温度と圧力によって、物質がどの状態で存在するかを示した図です。
横軸に温度、縦軸に圧力をとることが多いです。
状態図には、固体、液体、気体が安定に存在する領域が示されています。
また、固体と液体、液体と気体、固体と気体が平衡にある境界線も描かれます。
状態図を見ると、温度や圧力を変えたときに物質の状態がどう変わるかを予想できます。
状態図で見るもの
部分 意味
固体の領域 固体が安定な条件
液体の領域 液体が安定な条件
気体の領域 気体が安定な条件
境界線 2つの相が平衡にある条件
三重点 3つの相が共存する点
確認ポイント
  • 状態図が温度・圧力と物質の状態の関係を表す図であることを説明できる
  • 状態図の領域と境界線の意味を理解できる
↑ 目次へ戻る

5 三重点

三重点とは、固体、液体、気体の3つの相がすべて共存できる温度・圧力の点です。
状態図では、3つの境界線が交わる点として表されます。
三重点では、融解、凝固、蒸発、凝縮、昇華などの変化がつり合っています。
水にも三重点があり、特定の温度と圧力で氷、水、水蒸気が同時に共存します。
三重点は、状態図の重要な目印です。
三重点のイメージ
固体 ⇄ 液体 ⇄ 気体 が共存
3つの相が同時に存在できる特別な点です。
確認ポイント
  • 三重点が3つの相が共存する点であることを説明できる
  • 状態図で三重点を見つけられる
↑ 目次へ戻る

6 臨界点

臨界点とは、液体と気体の区別がなくなる限界の点です。
臨界点より高温・高圧の状態では、液体とも気体ともはっきり区別できない超臨界流体になります。
高校化学では、臨界点は蒸気圧曲線の終点として理解するとよいです。
臨界温度より高い温度では、どれだけ圧力をかけても通常の意味で液化しにくくなります。
臨界点は発展的な内容ですが、状態図の見方として知っておくと便利です。
臨界点のポイント
用語 意味
臨界点 液体と気体の区別がなくなる限界点
臨界温度 その温度以上では液化しにくくなる温度
超臨界流体 液体と気体の中間的な性質をもつ状態
確認ポイント
  • 臨界点が液体と気体の区別がなくなる点であることを説明できる
  • 臨界点が蒸気圧曲線の終点であることを理解できる
↑ 目次へ戻る

7 水の状態図の特徴

多くの物質では、圧力を高くすると固体になりやすくなります。
しかし水では、氷の密度が液体の水より小さいため、少し特殊な状態図になります。
水の融解曲線は、圧力が高くなると融点が下がる向きに傾いています。
これは、圧力をかけると体積の小さい液体の水の方が安定になりやすいからです。
氷に圧力をかけると溶けやすくなる、という説明につながります。
水の状態図の特徴
特徴 理由
氷は水に浮く 氷の密度が液体の水より小さい
圧力をかけると融点が下がる 液体の方が体積が小さい
融解曲線の傾きが特殊 多くの物質と逆向き
確認ポイント
  • 水の状態図が少し特殊であることを説明できる
  • 氷の密度が水より小さいことと状態図を関連づけられる
↑ 目次へ戻る

8 相平衡・状態図の例題

相平衡や状態図の問題では、状態変化の名称、三重点、臨界点、状態図の読み取りがよく問われます。
図が出たら、まず横軸が温度、縦軸が圧力であることを確認しましょう。
例題:固体、液体、気体がすべて共存できる点を何というか。
答え:三重点
三重点では、3つの相が同時に平衡状態で存在できます。
例題:液体と気体の区別がなくなる限界の点を何というか。
答え:臨界点
臨界点より高温・高圧では超臨界流体になります。
例題:液体が気体になる変化を何というか。
答え:蒸発または気化
液体から気体への状態変化です。
例題:状態図で、2つの相が共存する条件はどこに表されるか。
答え:境界線上
状態図の境界線上では、2つの相が平衡状態で共存します。
確認ポイント
  • 状態変化の名称を答えられる
  • 三重点と臨界点を説明できる
  • 状態図の基本的な読み取りができる
↑ 目次へ戻る
この内容の問題へ 問題へ 教材一覧へ ホームへ
ホーム