理論化学 / solubility

固体の溶解度

固体が水に溶ける量、溶解度、飽和溶液、溶解度曲線、再結晶を高校化学の範囲で整理する教材です。
難易度:標準 目安:45分
# 理論化学 # 溶解度 # 飽和溶液 # 溶解度曲線 # 再結晶 # 析出 # 結晶

この教材で学ぶこと

到達目標

  • 溶解度の意味を説明できる
  • 飽和溶液・不飽和溶液・過飽和溶液を区別できる
  • 溶解度曲線を読み取れる
  • 温度変化による結晶の析出量を考えられる
  • 再結晶のしくみを説明できる

前提知識

  • 溶液
  • 質量パーセント濃度
  • 物質量
  • 温度
  • 結晶
目次

1 溶解とは

溶解とは、物質が水などの溶媒に溶けて、均一な溶液になることです。
溶ける物質を溶質、溶かす液体を溶媒、溶質が溶媒に溶けたものを溶液といいます。
たとえば、食塩水では、食塩が溶質、水が溶媒、食塩水が溶液です。
固体が水にどれだけ溶けるかは、物質の種類や温度によって変わります。
この溶ける量を表す重要な量が溶解度です。
溶液に関する用語
用語 意味
溶質 溶けている物質 食塩
溶媒 溶かしている液体
溶液 溶質が溶媒に溶けたもの 食塩水
溶解 溶質が溶媒に溶けること 食塩が水に溶ける
確認ポイント
  • 溶質・溶媒・溶液を区別できる
  • 溶解が均一な溶液を作る現象であることを説明できる
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2 溶解度とは

溶解度とは、一定温度で、一定量の溶媒に溶ける溶質の最大量です。
高校化学では、よく『水100gに溶ける溶質の最大質量』として表されます。
たとえば、ある温度で硝酸カリウムの溶解度が60gなら、その温度で水100gに最大60gまで溶けるという意味です。
それ以上加えると、溶けきれずに固体として残ります。
溶解度は温度によって変わるため、必ず温度とセットで考えます。
溶解度の基本
溶解度 = 水100gに溶ける溶質の最大質量
高校化学ではこの形で扱うことが多いです。
例題:ある温度で物質Aの溶解度が40gである。この温度で水100gに物質Aは最大何g溶けるか。
答え:40g
溶解度40gとは、水100gに最大40g溶けるという意味です。
確認ポイント
  • 溶解度が最大で溶ける量を表すことを説明できる
  • 溶解度は温度とセットで考えることを理解できる
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3 飽和溶液・不飽和溶液・過飽和溶液

飽和溶液とは、ある温度で溶質が限界まで溶けている溶液です。
不飽和溶液とは、まだ溶質をさらに溶かすことができる溶液です。
過飽和溶液とは、本来の溶解度より多くの溶質が一時的に溶けている不安定な溶液です。
過飽和溶液に刺激を与えると、余分に溶けていた溶質が結晶として析出することがあります。
溶解度の問題では、今の溶液が飽和か不飽和かを判断することが大切です。
溶液の分類
種類 状態 特徴
不飽和溶液 まだ溶ける余裕がある 溶質を追加で溶かせる
飽和溶液 限界まで溶けている これ以上は溶けにくい
過飽和溶液 限界以上に溶けている 不安定で析出しやすい
確認ポイント
  • 飽和溶液と不飽和溶液を区別できる
  • 過飽和溶液が不安定な状態であることを説明できる
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4 温度と固体の溶解度

多くの固体では、温度が高くなるほど溶解度が大きくなります。
つまり、高温の水には低温の水より多くの固体が溶けることが多いです。
ただし、すべての固体が同じように大きく変化するわけではありません。
硝酸カリウムのように温度によって溶解度が大きく変わる物質もあれば、塩化ナトリウムのようにあまり変わらない物質もあります。
この違いは、再結晶で物質を分離・精製するときに利用されます。
温度と溶解度の傾向
物質の例 温度による溶解度変化 特徴
硝酸カリウム 大きく増える 再結晶に利用しやすい
塩化ナトリウム あまり変わらない 温度変化による析出が少ない
多くの固体 高温ほど増える傾向 例外もある
確認ポイント
  • 多くの固体で温度が高いほど溶解度が大きくなることを説明できる
  • 物質によって溶解度の温度変化が異なることを理解できる
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5 溶解度曲線

溶解度曲線とは、温度と溶解度の関係を表したグラフです。
横軸に温度、縦軸に溶解度をとることが多いです。
溶解度曲線を使うと、ある温度で水100gに何gまで溶質が溶けるかを読み取れます。
また、高温で飽和させた溶液を冷却したとき、どれだけ結晶が析出するかも考えられます。
溶解度曲線の読み取りは、高校化学の計算問題でよく出ます。
溶解度曲線で分かること
見る内容 分かること
ある温度の溶解度 水100gに溶ける最大量
温度変化 溶解度が増えるか減るか
冷却時の差 析出する結晶の量
物質ごとの曲線の違い 再結晶しやすさ
確認ポイント
  • 溶解度曲線が温度と溶解度の関係を表すことを説明できる
  • 溶解度曲線から溶解度を読み取れる
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6 冷却による析出量

高温で飽和している溶液を冷却すると、溶解度が下がるため、溶けきれなくなった溶質が結晶として析出します。
析出する結晶の量は、高温での溶解度と低温での溶解度の差から求められます。
たとえば、水100gに対して、80℃での溶解度が100g、20℃での溶解度が30gなら、冷却によって70gが析出します。
水の量が100gでない場合は、比例計算が必要です。
このタイプの問題では、まず水の質量を確認しましょう。
析出量の基本
析出量 = 高温で溶けていた量 - 低温で溶けていられる量
水100g基準かどうかを必ず確認します。
例題:80℃で溶解度100g、20℃で溶解度30gの物質がある。80℃で水100gに飽和させた溶液を20℃に冷やすと何g析出するか。
答え:70g
80℃では100g溶け、20℃では30gまでしか溶けないため、100 - 30 = 70g析出します。
確認ポイント
  • 冷却による析出量を溶解度の差から求められる
  • 水の量が100gでない場合は比例計算が必要なことを理解できる
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7 再結晶

再結晶とは、温度による溶解度の差を利用して、物質を精製する方法です。
高温の溶媒に物質を溶かし、冷却して目的物質を結晶として析出させます。
不純物が少量であれば、溶液中に残ったり、ろ過で除かれたりします。
溶解度が温度によって大きく変わる物質ほど、再結晶に利用しやすいです。
再結晶は、有機化学や無機化学の実験でもよく使われます。
再結晶の流れ
手順 内容
1 高温の溶媒に物質を溶かす
2 不溶性の不純物をろ過する
3 冷却して結晶を析出させる
4 結晶をろ過して取り出す
5 乾燥させる
確認ポイント
  • 再結晶が溶解度の温度変化を利用する精製方法であることを説明できる
  • 再結晶の基本的な流れを理解できる
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8 固体の溶解度の例題

固体の溶解度では、溶解度の意味、溶解度曲線の読み取り、冷却による析出量、再結晶がよく問われます。
計算では、水100gあたりの値なのか、実際の水の量なのかを必ず確認しましょう。
例題:溶解度とは何か。
答え:一定温度で、一定量の溶媒に溶ける溶質の最大量。
高校化学では、水100gに溶ける最大質量として扱うことが多いです。
例題:溶質が限界まで溶けている溶液を何というか。
答え:飽和溶液
その温度でそれ以上溶けにくい状態です。
例題:高温で飽和させた溶液を冷却すると、結晶が析出することがある理由を説明しなさい。
答え:温度が下がると溶解度が小さくなり、溶けきれなくなるから。
溶けきれなくなった分が結晶として析出します。
例題:温度による溶解度の差を利用して物質を精製する方法を何というか。
答え:再結晶
高温で溶かし、冷却して目的物質を結晶として取り出します。
確認ポイント
  • 溶解度の基本用語を説明できる
  • 溶解度曲線から析出量を考えられる
  • 再結晶のしくみを説明できる
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