理論化学 / solution_properties

溶液の性質

溶液の蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下、浸透圧など、溶質粒子数に関係する性質をまとめた教材です。
難易度:発展 目安:45分
# 理論化学 # 溶液 # 沸点上昇 # 凝固点降下 # 蒸気圧降下 # 浸透圧 # 束一的性質

この教材で学ぶこと

到達目標

  • 溶液の性質が溶質粒子数に関係することを理解できる
  • 蒸気圧降下の意味を説明できる
  • 沸点上昇と凝固点降下を区別できる
  • 浸透圧の仕組みを説明できる
  • 電解質と非電解質で粒子数が変わることを理解できる

前提知識

  • 溶液
  • 溶質・溶媒
  • モル濃度
  • 物質量
  • 電解質と非電解質
目次

1 溶液の性質とは

溶液には、純溶媒とは異なる性質があります。
たとえば、水に食塩や砂糖を溶かすと、沸点や凝固点が変化します。
このような性質の多くは、溶けている粒子の種類よりも、粒子の数に関係します。
溶質粒子の数に依存する性質を、束一的性質といいます。
溶液の代表的な性質
性質 内容
蒸気圧降下 溶液の蒸気圧が純溶媒より低くなる
沸点上昇 溶液の沸点が純溶媒より高くなる
凝固点降下 溶液の凝固点が純溶媒より低くなる
浸透圧 半透膜を通して溶媒が移動しようとする圧力
確認ポイント
  • 溶液の性質が純溶媒と異なることを説明できる
  • 束一的性質が溶質粒子数に依存することを理解できる
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2 蒸気圧降下

蒸気圧とは、液体から蒸発した気体が示す圧力です。
純粋な溶媒に不揮発性の溶質を溶かすと、溶媒分子が表面から蒸発しにくくなります。
その結果、溶液の蒸気圧は純溶媒より低くなります。
この現象を蒸気圧降下といいます。
蒸気圧降下のイメージ
溶質を加える → 溶媒が蒸発しにくくなる → 蒸気圧が下がる
不揮発性溶質を溶かしたときに起こります。
確認ポイント
  • 蒸気圧降下の意味を説明できる
  • 不揮発性溶質を溶かすと蒸気圧が下がることを理解できる
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3 沸点上昇

沸点とは、液体の蒸気圧が外圧に等しくなる温度です。
不揮発性の溶質を溶かすと蒸気圧が下がるため、外圧に達するにはより高い温度が必要になります。
その結果、溶液の沸点は純溶媒より高くなります。
この現象を沸点上昇といいます。
沸点上昇
溶液の沸点 > 純溶媒の沸点
不揮発性溶質を溶かすと沸点が上がります。
沸点上昇のポイント
項目 内容
原因 蒸気圧降下
結果 沸点が上がる
関係するもの 溶質粒子数
確認ポイント
  • 沸点上昇が蒸気圧降下と関係することを説明できる
  • 溶液の沸点が純溶媒より高くなることを理解できる
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4 凝固点降下

不揮発性の溶質を溶かすと、溶液の凝固点は純溶媒より低くなります。
この現象を凝固点降下といいます。
冬に道路へ融雪剤をまくと氷が溶けやすくなるのは、凝固点降下と関係しています。
凝固点降下も、溶質粒子の種類より粒子数に大きく関係します。
凝固点降下
溶液の凝固点 < 純溶媒の凝固点
溶質を加えると凝固点が下がります。
沸点上昇と凝固点降下
現象 変化
沸点上昇 沸点が上がる
凝固点降下 凝固点が下がる
確認ポイント
  • 凝固点降下の意味を説明できる
  • 溶液の凝固点が純溶媒より低くなることを理解できる
  • 融雪剤と凝固点降下を関連づけられる
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5 浸透圧

浸透圧とは、半透膜を通して溶媒が移動しようとすることによって生じる圧力です。
半透膜は、溶媒分子は通しますが、溶質粒子は通しにくい膜です。
濃度の低い溶液側から濃度の高い溶液側へ、溶媒が移動しようとします。
この溶媒の移動を止めるために必要な圧力を浸透圧といいます。
浸透圧のイメージ
低濃度側の溶媒 → 高濃度側へ移動
半透膜をはさんだときに起こります。
浸透圧の式
π = cRT
希薄溶液では、浸透圧πはモル濃度cに比例します。
確認ポイント
  • 浸透圧の意味を説明できる
  • 半透膜が溶媒を通し、溶質を通しにくいことを理解できる
  • 浸透圧が濃度に関係することを説明できる
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6 電解質と非電解質

束一的性質では、溶質粒子の種類よりも粒子数が重要です。
砂糖のような非電解質は、水に溶けても分子のまま存在します。
一方、NaClのような電解質は、水中でNa⁺とCl⁻に分かれます。
そのため、同じ物質量を溶かしても、電解質の方が溶液中の粒子数が多くなることがあります。
粒子数が多いほど、沸点上昇や凝固点降下、浸透圧の影響も大きくなります。
電解質と非電解質の粒子数
物質 水中での状態 粒子数のイメージ
砂糖 分子のまま 1粒子として存在
NaCl Na⁺ + Cl⁻ 2粒子に分かれる
CaCl₂ Ca²⁺ + 2Cl⁻ 3粒子に分かれる
確認ポイント
  • 非電解質と電解質の違いを説明できる
  • 電解質では粒子数が増えることを理解できる
  • 粒子数が束一的性質に影響することを説明できる
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7 束一的性質

蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下、浸透圧のように、溶質粒子の種類よりも粒子数に依存する性質を束一的性質といいます。
たとえば、同じモル濃度でも、NaCl水溶液は砂糖水より粒子数が多くなるため、凝固点降下などが大きくなる場合があります。
束一的性質を考えるときは、溶質が水中で何個の粒子に分かれるかを確認することが重要です。
代表的な束一的性質
性質 変化
蒸気圧降下 蒸気圧が下がる
沸点上昇 沸点が上がる
凝固点降下 凝固点が下がる
浸透圧 濃度差によって生じる圧力
確認ポイント
  • 束一的性質の意味を説明できる
  • 束一的性質が粒子数に依存することを理解できる
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8 溶液の性質の例題

溶液の性質では、現象の名前と原因を対応させる問題がよく出ます。
沸点上昇、凝固点降下、浸透圧は、それぞれ日常生活の現象ともつなげて覚えると理解しやすいです。
例題:不揮発性溶質を溶かすと、溶液の沸点は純溶媒より高くなるか低くなるか。
答え:高くなる
蒸気圧が下がるため、沸騰するにはより高い温度が必要になります。
例題:不揮発性溶質を溶かすと、溶液の凝固点は純溶媒より高くなるか低くなるか。
答え:低くなる
溶質粒子の影響で、溶液は純溶媒より低い温度で凝固します。
例題:半透膜を通して溶媒が移動しようとすることで生じる圧力を何というか。
答え:浸透圧
濃度差があると、溶媒が低濃度側から高濃度側へ移動しようとします。
例題:NaClは水中で主に何個の粒子に分かれるか。
答え:2個
NaClはNa⁺とCl⁻に電離するため、主に2個の粒子として考えます。
確認ポイント
  • 沸点上昇と凝固点降下を区別できる
  • 浸透圧の意味を説明できる
  • 電解質と非電解質の粒子数の違いを説明できる
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