理論化学 / vapor_pressure

蒸気圧と沸騰

液体の蒸発、蒸気圧、飽和蒸気圧、沸騰、沸点、外圧との関係を高校化学の範囲で整理する教材です。
難易度:標準 目安:40分
# 理論化学 # 蒸気圧 # 飽和蒸気圧 # 沸騰 # 沸点 # 外圧 # 状態変化

この教材で学ぶこと

到達目標

  • 蒸発と沸騰の違いを説明できる
  • 蒸気圧と飽和蒸気圧の意味を理解できる
  • 沸騰が起こる条件を説明できる
  • 外圧が下がると沸点が下がる理由を説明できる
  • 蒸気圧曲線の基本的な見方を理解できる

前提知識

  • 液体と気体
  • 状態変化
  • 圧力
  • 温度
  • 相平衡
目次

1 蒸発とは

蒸発とは、液体の表面から分子が飛び出して気体になる現象です。
蒸発は、沸点より低い温度でも起こります。
たとえば、水たまりが自然に乾くのは、水が表面から少しずつ蒸発しているためです。
液体中の分子はすべて同じ速さで動いているわけではなく、一部のエネルギーの大きい分子が表面から飛び出します。
温度が高いほど、エネルギーの大きい分子が増えるため、蒸発しやすくなります。
蒸発のポイント
項目 内容
起こる場所 液体の表面
起こる温度 沸点以下でも起こる
温度の影響 高温ほど起こりやすい
水たまりが乾く、洗濯物が乾く
確認ポイント
  • 蒸発が液体表面で起こる現象であることを説明できる
  • 蒸発は沸点以下でも起こることを理解できる
↑ 目次へ戻る

2 蒸気圧とは

蒸気圧とは、液体から蒸発した蒸気が示す圧力です。
密閉容器に液体を入れると、液体から分子が蒸発して気体になります。
一方で、気体になった分子の一部は液体に戻ります。
やがて、蒸発する速さと凝縮する速さが等しくなると、気液平衡になります。
このときの蒸気が示す圧力を、飽和蒸気圧といいます。
気液平衡
液体 ⇄ 気体
蒸発と凝縮が同じ速さで起こっています。
確認ポイント
  • 蒸気圧が蒸気による圧力であることを説明できる
  • 飽和蒸気圧が気液平衡での蒸気圧であることを理解できる
↑ 目次へ戻る

3 飽和蒸気圧

飽和蒸気圧とは、ある温度で液体と蒸気が平衡にあるときの蒸気圧です。
飽和蒸気圧は、温度が高くなるほど大きくなります。
温度が上がると、液体分子の運動が激しくなり、蒸発しやすくなるためです。
物質によって飽和蒸気圧の大きさは異なります。
飽和蒸気圧が大きい物質ほど、蒸発しやすく、揮発性が高いといえます。
飽和蒸気圧の特徴
特徴 説明
温度が高いほど大きい 分子が蒸発しやすくなる
物質によって異なる 分子間力の強さなどが関係する
大きいほど揮発しやすい 気体になりやすい
確認ポイント
  • 飽和蒸気圧が温度とともに大きくなることを説明できる
  • 飽和蒸気圧が大きい物質ほど揮発しやすいことを理解できる
↑ 目次へ戻る

4 沸騰とは

沸騰とは、液体の内部からも気泡が発生して、液体全体で気化が起こる現象です。
蒸発は表面で起こりますが、沸騰は液体の内部でも起こります。
液体の飽和蒸気圧が外圧と等しくなると、液体内部で気泡が安定して発生できるようになります。
このとき液体は沸騰します。
つまり、沸騰の条件は、飽和蒸気圧 = 外圧 です。
沸騰の条件
飽和蒸気圧 = 外圧
液体内部から気泡が発生できる条件です。
蒸発と沸騰の違い
現象 起こる場所 起こる温度
蒸発 液体の表面 沸点以下でも起こる
沸騰 液体の内部と表面 飽和蒸気圧が外圧に等しい温度
確認ポイント
  • 沸騰が液体内部からも起こる気化であることを説明できる
  • 沸騰の条件が飽和蒸気圧=外圧であることを理解できる
↑ 目次へ戻る

5 沸点

沸点とは、液体が沸騰する温度です。
1気圧のもとでの沸点を、標準沸点または通常の沸点として扱うことがあります。
水の沸点は1気圧で100℃です。
ただし、沸点は外圧によって変わります。
外圧が低いと、低い温度でも飽和蒸気圧が外圧に等しくなるため、沸点は下がります。
外圧が高いと、沸点は上がります。
外圧と沸点
外圧 沸点
低い 下がる 高山では水が100℃より低く沸騰する
1気圧 水は100℃ 標準的な条件
高い 上がる 圧力鍋では水が100℃より高温になる
確認ポイント
  • 沸点が外圧によって変わることを説明できる
  • 外圧が低いと沸点が下がる理由を説明できる
↑ 目次へ戻る

6 高山で水が低温で沸騰する理由

高山では、大気圧が平地より低くなります。
沸騰は、液体の飽和蒸気圧が外圧と等しくなったときに起こります。
外圧が低いと、飽和蒸気圧がそれほど大きくなくても外圧に達します。
そのため、高山では水が100℃より低い温度で沸騰します。
このため、高山では食べ物に火が通りにくいことがあります。
例題:高山で水の沸点が低くなる理由を説明しなさい。
答え:外圧が低いため、低い温度でも水の飽和蒸気圧が外圧に等しくなるから。
沸騰の条件は、飽和蒸気圧 = 外圧 です。
確認ポイント
  • 高山で水の沸点が下がる理由を外圧から説明できる
  • 沸騰条件を具体例に当てはめられる
↑ 目次へ戻る

7 圧力鍋で温度が高くなる理由

圧力鍋では、容器内の圧力が通常の大気圧より高くなります。
外圧が高いと、液体が沸騰するためにはより高い飽和蒸気圧が必要になります。
飽和蒸気圧は温度が高いほど大きくなるため、水は100℃より高い温度で沸騰します。
その結果、圧力鍋では通常より高温で調理でき、食材に早く火が通ります。
例題:圧力鍋で水が100℃より高温になる理由を説明しなさい。
答え:外圧が高くなり、水が沸騰するにはより高い温度が必要になるから。
外圧が高いほど沸点は上がります。
確認ポイント
  • 圧力鍋で沸点が上がる理由を説明できる
  • 外圧が高いと沸点が上がることを理解できる
↑ 目次へ戻る

8 蒸気圧曲線

蒸気圧曲線とは、温度と飽和蒸気圧の関係を表した曲線です。
温度が高くなるほど飽和蒸気圧は大きくなります。
蒸気圧曲線上では、液体と気体が平衡にあります。
外圧が1気圧のとき、蒸気圧曲線と1気圧の線が交わる温度が、その物質の通常の沸点です。
蒸気圧曲線は、状態図の液体と気体の境界線としても表されます。
蒸気圧曲線の見方
見る部分 意味
曲線上 液体と気体が平衡
温度が高い側 飽和蒸気圧が大きい
1気圧との交点 通常の沸点
曲線の終点 臨界点
確認ポイント
  • 蒸気圧曲線が温度と飽和蒸気圧の関係を表すことを説明できる
  • 蒸気圧曲線から沸点を読み取れる
↑ 目次へ戻る

9 蒸気圧と沸騰の例題

蒸気圧と沸騰では、蒸発と沸騰の違い、沸騰条件、外圧と沸点の関係がよく問われます。
特に、沸騰の条件『飽和蒸気圧 = 外圧』は必ず押さえましょう。
例題:液体の表面から気体になる現象を何というか。
答え:蒸発
蒸発は液体の表面で起こります。
例題:液体の内部からも気泡が発生して気化する現象を何というか。
答え:沸騰
沸騰は液体全体で起こる気化です。
例題:沸騰が起こる条件を答えなさい。
答え:飽和蒸気圧 = 外圧
液体内部で気泡が安定して存在できる条件です。
例題:外圧が低くなると沸点はどうなるか。
答え:下がる
低い温度でも飽和蒸気圧が外圧に等しくなるためです。
例題:圧力鍋で水の沸点が上がる理由を答えなさい。
答え:外圧が高くなるから。
外圧が高いほど、沸騰にはより高い飽和蒸気圧が必要になり、沸点が上がります。
確認ポイント
  • 蒸発と沸騰を区別できる
  • 沸騰条件を説明できる
  • 外圧と沸点の関係を説明できる
↑ 目次へ戻る
この内容の問題へ 問題へ 教材一覧へ ホームへ
ホーム