実験 / experiment_physical_chemistry

カロリメーターによる中和熱測定

酸と塩基をカロリメーター内で混合し、温度上昇から発生した熱量と中和熱を求める物理化学系の実験教材です。
実験教材
難易度:発展 目安:45分
# 実験 # 物理化学 # 熱化学 # 中和熱 # カロリメーター # エンタルピー # 発熱反応

この教材で学ぶこと

到達目標

  • 中和反応が発熱反応であることを説明できる
  • 温度変化から熱量 q = mcΔT を計算できる
  • 中和熱を1 molあたりの熱量として求められる
  • 熱損失や測定誤差の原因を説明できる

前提知識

  • 酸と塩基
  • 中和反応
  • 比熱
  • 熱量
  • モル計算
  • エンタルピー

図・写真

※スマホで画像が見づらい場合は、画像を拡大表示するか、別タブで開くと確認しやすいです。

STEP 1 コーヒーカップカロリメーター
断熱容器と温度計を用いた簡易カロリメーターの写真
簡易カロリメーターでは、断熱容器内で反応を行い、温度変化から反応熱を見積もる。
ダウンロード
Credit: Community College Consortium for Bioscience Credentials / Wikimedia Commons License: CC BY 3.0 Source
STEP 2 中和熱測定の流れ
酸と塩基の混合、温度上昇、熱量計算の流れを示す模式図
酸と塩基を混合して最高温度を読み取り、温度上昇ΔTから熱量を計算する。
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Credit: ChemStudy 自作図 License: Original

実験情報

目的

酸と塩基の中和反応で発生する熱を、温度変化から求める。

原理

酸と塩基が反応して水を生じる中和反応は発熱反応である。断熱性のある容器内で反応を行い、溶液の温度上昇を測定すると、溶液が受け取った熱量を q = mcΔT で見積もることができる。強酸と強塩基の中和では、実質的に H⁺ + OH⁻ → H₂O の反応として扱え、1 molの水が生成するときの熱量を中和熱として表す。

器具

  • 簡易カロリメーター
  • 温度計
  • メスシリンダー
  • ビーカー
  • ガラス棒
  • ストップウォッチ
  • 保護メガネ

試薬

  • 塩酸
  • 水酸化ナトリウム水溶液
  • 蒸留水

手順

  1. 保護メガネを着用する。
  2. 酸と塩基の体積・濃度を確認する。
  3. 酸と塩基の初期温度を測定する。
  4. カロリメーターに片方の溶液を入れる。
  5. もう片方の溶液をすばやく加えて混合する。
  6. 軽くかき混ぜながら温度変化を記録する。
  7. 最高温度を読み取る。
  8. 温度上昇ΔTから q = mcΔT で熱量を計算する。
  9. 反応した物質量から、1 molあたりの中和熱を求める。

観察結果

試料 結果
酸と塩基の混合直後 温度が上昇する
最高温度 反応で発生した熱量の計算に使う
時間が経過した後 周囲への熱損失により温度が下がることがある
断熱が不十分な場合 実際より小さい熱量として求まりやすい

安全上の注意

  • 酸や塩基を皮膚や目につけない。
  • 水酸化ナトリウム水溶液は強塩基なので注意する。
  • 温度計を割らないように扱う。
  • 混合時に液体を飛ばさない。
  • こぼした場合は教員や指導者に知らせる。

廃液・廃棄

  • 酸性・塩基性廃液は指導者の指示に従って処理する。
  • 中和後の溶液も自己判断で流さない。
  • 使用後の器具は十分に洗浄する。

早覚え表

印刷・PDF保存・CSVダウンロードに対応しています。

中和熱測定の基本

項目 内容 ポイント
測定するもの 温度変化 最高温度を読む
熱量計算 q = mcΔT mは溶液の質量、cは比熱
温度変化 ΔT = T₂ - T₁ 反応前後の差
中和熱 1 molあたりの熱量 kJ/molで表す
誤差 熱損失、温度計の読み取り、混合の遅れ 断熱と手早い操作が重要

強酸・強塩基の中和

反応 見方 ポイント
HCl + NaOH → NaCl + H₂O 酸と塩基の中和 水が生成する
H⁺ + OH⁻ → H₂O 正味の反応 強酸・強塩基ではこの形で考える
発熱 温度が上がる 発生した熱を溶液が受け取る
1 molあたり 生成した水の物質量で割る 中和熱として整理

覚え方・暗記ポイント

中和反応は発熱反応。
熱量は q = mcΔT で求める。
ΔTは最高温度と初期温度の差。
強酸と強塩基では H⁺ + OH⁻ → H₂O が正味の反応。
中和熱は1 molあたりの熱量で考える。
熱損失があると測定値は小さくなりやすい。
目次

1 中和熱とは

中和熱は、酸と塩基が反応して水が生成するときに出入りする熱です。
強酸と強塩基の中和では、正味の反応は H⁺ + OH⁻ → H₂O と考えられます。
この反応は発熱反応なので、カロリメーター内の溶液の温度が上がります。
確認ポイント
  • 中和熱の意味を説明できる
  • 強酸・強塩基の正味の反応式を説明できる
  • 温度上昇と発熱反応を結びつけられる
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2 熱量の計算

反応で発生した熱は、主に溶液の温度上昇として観察されます。
溶液が受け取った熱量は q = mcΔT で見積もります。
実験では熱が周囲へ逃げるため、断熱性を高め、すばやく最高温度を読むことが大切です。
確認ポイント
  • q = mcΔT の各記号の意味を説明できる
  • 温度上昇から熱量を求められる
  • 誤差の原因を説明できる
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