実験 / experiment_organic

有機化合物の官能基検出実験

銀鏡反応、フェーリング反応、ヨウ素デンプン反応などを通して、有機化合物の官能基や性質を見分ける実験教材です。アルデヒド、還元糖、デンプンなどの検出を写真・反応式・表で整理します。
実験教材
難易度:標準 目安:45分
# 実験 # 有機化学 # 官能基 # 検出反応 # アルデヒド # 糖類

この教材で学ぶこと

到達目標

  • 銀鏡反応でアルデヒドを検出できる理由を説明できる
  • フェーリング反応で還元性をもつ物質を判定できる
  • ヨウ素デンプン反応でデンプンを検出できる
  • 有機化合物の構造と検出反応を対応させられる

前提知識

  • アルデヒドとケトン
  • 糖類・タンパク質
  • 有機化学 官能基・検出反応早覚え表

図・写真

※スマホで画像が見づらい場合は、画像を拡大表示するか、別タブで開くと確認しやすいです。

STEP 1 銀鏡反応
銀鏡反応によって試験管内壁に銀が析出している写真
銀鏡反応では、アルデヒドが酸化される一方で銀イオンが還元され、試験管の内壁に銀が析出する。
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Credit: Lena Jaginyan / Wikimedia Commons License: CC BY-SA 4.0 Source
STEP 2 フェーリング反応
フェーリング反応でアルデヒドがカルボン酸に酸化され、Cu₂Oが生じる反応図
フェーリング反応では、還元性をもつアルデヒドや還元糖によってCu²⁺が還元され、赤褐色のCu₂Oが生じる。
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Credit: Srikeit, Helix84, Rifleman 82 / Wikimedia Commons License: CC BY-SA 3.0 / GFDL Source
STEP 3 ヨウ素デンプン反応
ヨウ素デンプン反応によってリンゴの断面が暗色に変化している写真
ヨウ素デンプン反応では、デンプンがヨウ素と反応して青紫色から暗青色を示す。食品中のデンプン確認にも利用される。
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Credit: Kopiersperre / Wikimedia Commons License: CC BY-SA 3.0 / GFDL Source

実験情報

目的

有機化合物の官能基や性質を、色の変化や沈殿、金属の析出などによって判定する。

原理

官能基によって反応性が異なるため、特定の試薬を加えたときの変化から物質の種類を推定できる。アルデヒドは酸化されやすく還元性を示すため、銀鏡反応やフェーリング反応で検出できる。デンプンはヨウ素と特有の呈色反応を示す。

器具

  • 試験管
  • 試験管立て
  • スポイト
  • ビーカー
  • 湯浴
  • 保護メガネ

試薬

  • アンモニア性硝酸銀水溶液
  • フェーリング液
  • ヨウ素液
  • グルコース水溶液
  • デンプン水溶液
  • アセトアルデヒドまたはアルデヒドを含む試料

手順

  1. 保護メガネを着用し、使用する試薬を確認する。
  2. 銀鏡反応では、清潔な試験管に試料とアンモニア性硝酸銀水溶液を入れ、湯浴で温める。
  3. 試験管の内壁に銀が析出するか観察する。
  4. フェーリング反応では、試料にフェーリング液を加え、湯浴で温める。
  5. 赤褐色沈殿のCu₂Oが生じるか観察する。
  6. ヨウ素デンプン反応では、デンプンを含む試料にヨウ素液を加える。
  7. 青紫色から暗青色の変化があるか観察する。
  8. 観察結果を表にまとめ、試料に含まれる官能基や成分を推定する。

観察結果

試料 結果
アルデヒド + アンモニア性硝酸銀水溶液 銀鏡反応。試験管内壁に銀が析出する
アルデヒド + フェーリング液 赤褐色沈殿 Cu₂O が生じる
グルコース + フェーリング液 赤褐色沈殿 Cu₂O が生じる。グルコースは還元糖
デンプン + ヨウ素液 青紫色または暗青色を示す
ケトン + 銀鏡反応 通常は反応しにくい

安全上の注意

  • 保護メガネを必ず着用する。
  • アンモニア性硝酸銀水溶液は放置せず、実験後すぐに適切に処理する。
  • 試験管を加熱するときは、口を人に向けない。
  • フェーリング液や硝酸銀水溶液を皮膚や衣服につけない。
  • 試薬を直接におったり、触れたりしない。

廃液・廃棄

  • 銀を含む廃液は、指定された廃液容器に入れる。
  • 銅を含む廃液も、通常の流しに捨てない。
  • 反応後の試験管は、教員や実験指導者の指示に従って洗浄する。

早覚え表

印刷・PDF保存・CSVダウンロードに対応しています。

有機化合物の代表的な検出反応

検出したいもの 試薬・操作 陽性の結果 ポイント
アルデヒド アンモニア性硝酸銀水溶液で温める 銀鏡反応 アルデヒドが酸化され、Ag⁺が還元される
アルデヒド フェーリング液で温める 赤褐色沈殿 Cu₂O アルデヒドの還元性を利用
還元糖 フェーリング液で温める 赤褐色沈殿 Cu₂O グルコースなどが陽性
デンプン ヨウ素液を加える 青紫色または暗青色 ヨウ素デンプン反応
不飽和結合 臭素水を加える 臭素水が脱色 C=CやC≡Cの確認
カルボン酸 NaHCO₃を加える CO₂発生 酸性を示す
フェノール FeCl₃水溶液を加える 紫色 フェノール性OHの検出

アルデヒドとケトンの識別

分類 構造の特徴 銀鏡反応 フェーリング反応 覚えるポイント
アルデヒド -CHO 陽性 陽性 酸化されやすく還元性を示す
ケトン >C=O 通常陰性 通常陰性 アルデヒドより酸化されにくい
グルコース 還元性をもつ糖 陽性になることがある 陽性 還元糖として扱う
スクロース 非還元糖 陰性 陰性 そのままでは還元性を示しにくい

覚え方・暗記ポイント

アルデヒドは銀鏡反応とフェーリング反応。
フェーリング反応で赤褐色沈殿が出たらCu₂O。
グルコースは還元糖なのでフェーリング反応が陽性。
デンプンはヨウ素液で青紫色。
ケトンは通常、銀鏡反応・フェーリング反応が陰性。
目次

1 銀鏡反応

銀鏡反応は、アルデヒドを検出する代表的な反応です。
アルデヒドは酸化されやすく、アンモニア性硝酸銀水溶液中の銀イオンを銀に還元します。
その結果、試験管の内壁に銀が析出し、鏡のように見えます。
銀鏡反応の見方
R-CHO → R-COOH
アルデヒドは酸化され、銀イオンは還元されてAgとして析出します。
確認ポイント
  • 銀鏡反応で検出できる官能基を説明できる
  • アルデヒドが還元性を示すことを説明できる
  • ケトンとの違いを説明できる
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2 フェーリング反応

フェーリング反応は、アルデヒドや還元糖を検出する反応です。
加熱すると、Cu²⁺が還元されて酸化銅(I) Cu₂O の赤褐色沈殿を生じます。
グルコースは還元糖なので、フェーリング反応で陽性を示します。
フェーリング反応の結果
Cu²⁺ → Cu₂O↓
赤褐色沈殿が出ることが重要です。
確認ポイント
  • フェーリング反応の陽性結果を説明できる
  • Cu₂Oの色を覚えられる
  • 還元糖と非還元糖を区別できる
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3 ヨウ素デンプン反応

ヨウ素デンプン反応は、デンプンを検出する反応です。
デンプンにヨウ素液を加えると、青紫色から暗青色を示します。
食品中のデンプンの確認や、糖類の学習でよく登場します。
確認ポイント
  • ヨウ素デンプン反応の色を説明できる
  • デンプンとグルコースの違いを説明できる
  • 食品中のデンプン検出に応用できる
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