有機化学 / aldehyde_ketone

アルデヒドとケトン

カルボニル基をもつアルデヒドとケトンについて、構造の違い、酸化、還元性、銀鏡反応・フェーリング反応をまとめた教材です。
難易度:標準 目安:35分
# 有機化学 # アルデヒド # ケトン # カルボニル基 # 銀鏡反応 # フェーリング反応 # 還元性

この教材で学ぶこと

到達目標

  • アルデヒドとケトンの構造の違いを説明できる
  • カルボニル基とアルデヒド基を区別できる
  • アルデヒドが還元性を示す理由を理解できる
  • 銀鏡反応とフェーリング反応を説明できる
  • アルコールの酸化生成物としてアルデヒド・ケトンを判断できる

前提知識

  • 官能基の基礎
  • アルコールの酸化
  • カルボニル基
  • 酸化還元の基本
目次

1 アルデヒドとケトンとは

アルデヒドとケトンは、どちらもカルボニル基 >C=O をもつ有機化合物です。
カルボニル基とは、炭素原子と酸素原子が二重結合した構造です。
アルデヒドは分子の末端に -CHO をもちます。
ケトンは炭素鎖の途中に >C=O をもち、カルボニル炭素の両側に炭素が結合しています。
つまり、同じC=Oをもっていても、末端にあるか、内部にあるかで分類が変わります。
カルボニル基
>C=O
アルデヒドとケトンの両方に含まれる基本構造です。
アルデヒドの一般構造
R-CHO
分子の末端に -CHO をもつ構造です。
ケトンの一般構造
R-CO-R'
カルボニル基が炭素鎖の途中にある構造です。
確認ポイント
  • カルボニル基が >C=O であることを説明できる
  • アルデヒドが R-CHO で表されることを理解できる
  • ケトンが R-CO-R' で表されることを理解できる
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2 構造式で見る違い

アルデヒドとケトンの違いは、構造式を見ると分かりやすくなります。
アルデヒドでは、カルボニル基の炭素に水素原子 H が結合しています。
ケトンでは、カルボニル基の炭素に炭素原子が2つ結合しています。
この違いが、酸化されやすさや還元性の違いにつながります。
アセトアルデヒド
CH₃-CHO
末端に -CHO をもつためアルデヒドです。
アセトン
CH₃-CO-CH₃
C=Oが炭素鎖の途中にあるためケトンです。
アルデヒドとケトンの構造の違い
分類 一般構造 カルボニル基の位置 特徴
アルデヒド R-CHO 末端 還元性を示す
ケトン R-CO-R' 炭素鎖の途中 アルデヒドより酸化されにくい
確認ポイント
  • CH₃CHOをアルデヒドと判断できる
  • CH₃COCH₃をケトンと判断できる
  • 構造式から末端の-CHOを見つけられる
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3 代表的なアルデヒド

代表的なアルデヒドには、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドなどがあります。
ホルムアルデヒドは最も簡単なアルデヒドです。
アセトアルデヒドはエタノールの酸化で生じる物質です。
アルデヒドは還元性を示すため、銀鏡反応やフェーリング反応で検出できます。
代表的なアルデヒド
名称 構造式 特徴
ホルムアルデヒド HCHO 最も簡単なアルデヒド
アセトアルデヒド CH₃CHO エタノールの酸化で生じる
ベンズアルデヒド C₆H₅CHO 芳香族アルデヒド
注意:HCHOとCH₃CHOはよく出るので、構造式と名称をセットで覚えましょう。
注意:アルデヒドの名前には「〜アルデヒド」がつくことが多いです。
確認ポイント
  • ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの構造式を答えられる
  • アルデヒドが還元性を示すことを理解できる
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4 代表的なケトン

代表的なケトンには、アセトンがあります。
アセトンは CH₃COCH₃ で表され、最も簡単なケトンです。
2-プロパノールを酸化するとアセトンが生じます。
ケトンはカルボニル基をもちますが、アルデヒドのような強い還元性は通常示しません。
2-プロパノールからアセトン
CH₃CH(OH)CH₃ → CH₃COCH₃
第二級アルコールを酸化するとケトンが生じます。
代表的なケトン
名称 構造式 特徴
アセトン CH₃COCH₃ 最も簡単なケトン
メチルエチルケトン CH₃COCH₂CH₃ 炭素数4のケトン
確認ポイント
  • アセトンの構造式を答えられる
  • 第二級アルコールの酸化でケトンができることを説明できる
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5 アルコールの酸化との関係

アルデヒドとケトンは、アルコールの酸化と強く関係しています。
第一級アルコールを酸化すると、まずアルデヒドが生じます。
さらに酸化が進むと、カルボン酸になります。
第二級アルコールを酸化すると、ケトンが生じます。
第三級アルコールは通常の条件では酸化されにくいです。
第一級アルコールの酸化
R-CH₂OH → R-CHO → R-COOH
第一級アルコールはアルデヒドを経てカルボン酸になります。
第二級アルコールの酸化
R-CH(OH)-R' → R-CO-R'
第二級アルコールはケトンになります。
アルコールの酸化と生成物
アルコールの分類 途中または最終生成物
第一級アルコール アルデヒド → カルボン酸 エタノール → アセトアルデヒド → 酢酸
第二級アルコール ケトン 2-プロパノール → アセトン
第三級アルコール 酸化されにくい 2-メチル-2-プロパノール
確認ポイント
  • 第一級アルコールからアルデヒドができることを説明できる
  • 第二級アルコールからケトンができることを説明できる
  • アルコールの分類と酸化生成物を対応させられる
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6 アルデヒドの還元性

アルデヒドは還元性を示します。
還元性とは、相手を還元し、自分自身は酸化される性質です。
アルデヒドは酸化されやすく、カルボン酸になります。
この性質を利用した検出反応が、銀鏡反応とフェーリング反応です。
アルデヒドの酸化
R-CHO → R-COOH
アルデヒドは酸化されてカルボン酸になります。
注意:アルデヒドは自分が酸化されることで、相手を還元します。
注意:このためアルデヒドは還元性を示す、と表現されます。
確認ポイント
  • アルデヒドが還元性を示すことを説明できる
  • アルデヒドが酸化されてカルボン酸になることを理解できる
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7 銀鏡反応

銀鏡反応は、アルデヒドの還元性を利用した検出反応です。
アンモニア性硝酸銀水溶液を用いると、銀イオンが還元されて銀 Ag が生じます。
試験管の内側に銀が付着し、鏡のように見えるため銀鏡反応と呼ばれます。
アルデヒドは酸化されてカルボン酸になります。
銀鏡反応のイメージ
Ag⁺ → Ag
銀イオンが還元されて銀になります。
アルデヒド側の変化
R-CHO → R-COOH
アルデヒドは酸化されてカルボン酸になります。
銀鏡反応
項目 内容
検出するもの アルデヒド
使う試薬 アンモニア性硝酸銀水溶液
陽性の変化 銀が析出し、銀鏡をつくる
反応の本質 Ag⁺が還元され、アルデヒドが酸化される
確認ポイント
  • 銀鏡反応がアルデヒドの検出反応であることを答えられる
  • 銀イオンが銀に還元されることを説明できる
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8 フェーリング反応

フェーリング反応も、アルデヒドの還元性を利用した検出反応です。
フェーリング液を加えて加熱すると、アルデヒドが存在する場合、赤色沈殿が生じます。
この赤色沈殿は酸化銅(I) Cu₂O です。
銀鏡反応と同じく、アルデヒドが酸化され、銅イオンが還元される反応です。
フェーリング反応のイメージ
Cu²⁺ → Cu₂O
Cu²⁺が還元され、赤色沈殿のCu₂Oが生じます。
フェーリング反応
項目 内容
検出するもの アルデヒド
使う試薬 フェーリング液
条件 加熱
陽性の変化 赤色沈殿 Cu₂O
反応の本質 Cu²⁺が還元される
注意:銀鏡反応は銀、フェーリング反応は赤色沈殿と覚えると区別しやすいです。
確認ポイント
  • フェーリング反応の陽性反応を答えられる
  • 赤色沈殿がCu₂Oであることを覚える
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9 アルデヒド・ケトンの例題

アルデヒドとケトンの問題では、構造の違い、酸化生成物、検出反応がよく問われます。
特に -CHO を見つけられるかどうかが重要です。
例題:CH₃CHO はアルデヒドかケトンか。
答え:アルデヒド
CH₃CHOは末端に-CHOをもつため、アルデヒドです。
例題:CH₃COCH₃ はアルデヒドかケトンか。
答え:ケトン
CH₃COCH₃はカルボニル基が炭素鎖の途中にあるため、ケトンです。
例題:銀鏡反応で検出できる官能基は何か。
答え:アルデヒド基 -CHO
銀鏡反応はアルデヒドの還元性を利用した検出反応です。
例題:フェーリング反応で生じる赤色沈殿は何か。
答え:酸化銅(I) Cu₂O
アルデヒドによりCu²⁺が還元され、Cu₂Oの赤色沈殿が生じます。
確認ポイント
  • 構造式からアルデヒドとケトンを区別できる
  • 銀鏡反応とフェーリング反応を説明できる
  • アルデヒドの還元性を酸化還元で説明できる
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