有機化学 / carbohydrate

糖類

グルコース、フルクトース、スクロース、デンプン、セルロースなどの糖類について、分類、構造、還元性、加水分解をまとめた教材です。
難易度:標準 目安:40分
# 有機化学 # 糖類 # グルコース # フルクトース # スクロース # デンプン # セルロース # 還元性

この教材で学ぶこと

到達目標

  • 単糖・二糖・多糖を区別できる
  • 代表的な糖類の名称と分類を答えられる
  • グルコースの構造的特徴を理解できる
  • 還元糖と非還元糖を区別できる
  • デンプンとセルロースの違いを説明できる

前提知識

  • 官能基
  • アルデヒドとケトン
  • アルコール
  • 高分子化合物
  • 加水分解
目次

1 糖類とは

糖類は、炭素・水素・酸素を主成分とする有機化合物で、生物のエネルギー源や構造材料として重要です。
代表的な糖類には、グルコース、フルクトース、スクロース、デンプン、セルロースなどがあります。
糖類は、単糖、二糖、多糖に分類されます。
有機化学では、糖類の分類、還元性、加水分解、ヨウ素デンプン反応などがよく出題されます。
糖類の分類
分類 説明 代表例
単糖 それ以上加水分解されない糖 グルコース、フルクトース、ガラクトース
二糖 単糖2個が結合した糖 スクロース、マルトース、ラクトース
多糖 単糖が多数つながった高分子 デンプン、セルロース、グリコーゲン
確認ポイント
  • 糖類を単糖・二糖・多糖に分類できる
  • 代表的な糖類の名前を答えられる
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2 単糖

単糖は、それ以上加水分解されない最も基本的な糖類です。
代表的な単糖には、グルコース、フルクトース、ガラクトースがあります。
グルコースはブドウ糖とも呼ばれ、生物の重要なエネルギー源です。
フルクトースは果糖とも呼ばれ、果物やはちみつに多く含まれます。
グルコースの分子式
C₆H₁₂O₆
フルクトースも同じ分子式をもちますが、構造が異なります。
グルコースの鎖状構造イメージ
CHO-(CHOH)₄-CH₂OH
アルデヒド基と複数のヒドロキシ基をもつ構造として考えられます。
フルクトースの構造イメージ
CH₂OH-CO-(CHOH)₃-CH₂OH
ケトン型の構造をもつ単糖です。
代表的な単糖
名称 別名 分子式 特徴
グルコース ブドウ糖 C₆H₁₂O₆ アルデヒド基に由来する還元性を示す
フルクトース 果糖 C₆H₁₂O₆ ケトン型の構造をもつ
ガラクトース 脳糖 C₆H₁₂O₆ ラクトースの構成成分
注意:グルコースとフルクトースは同じ分子式 C₆H₁₂O₆ をもちますが、構造が異なる異性体です。
注意:実際の水溶液中では環状構造も重要ですが、まずは官能基の違いを意識しましょう。
確認ポイント
  • グルコースとフルクトースの分子式を答えられる
  • グルコースが複数の-OHをもつことを理解できる
  • グルコースとフルクトースが異性体であることを説明できる
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3 二糖

二糖は、単糖が2個結合した糖類です。
代表的な二糖には、スクロース、マルトース、ラクトースがあります。
二糖は加水分解によって単糖に分かれます。
どの単糖からできているか、還元性があるかどうかをセットで覚えることが重要です。
スクロースの加水分解
スクロース + H₂O → グルコース + フルクトース
スクロースは加水分解でグルコースとフルクトースになります。
マルトースの加水分解
マルトース + H₂O → グルコース + グルコース
マルトースはグルコース2分子からなる二糖です。
代表的な二糖
二糖 構成単糖 別名 還元性
スクロース グルコース + フルクトース ショ糖 なし
マルトース グルコース + グルコース 麦芽糖 あり
ラクトース グルコース + ガラクトース 乳糖 あり
注意:スクロースは代表的な非還元糖です。
注意:マルトースとラクトースは還元性を示します。
確認ポイント
  • スクロース、マルトース、ラクトースの構成単糖を答えられる
  • スクロースが非還元糖であることを覚える
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4 多糖

多糖は、単糖が多数つながってできた高分子化合物です。
代表的な多糖には、デンプン、セルロース、グリコーゲンがあります。
デンプンとセルロースはどちらもグルコースが多数つながったものですが、つながり方が異なるため性質が大きく違います。
デンプンは植物の貯蔵物質、セルロースは植物の細胞壁の主成分です。
多糖のイメージ
グルコース + グルコース + ... → 多糖
多数の単糖が結合して高分子になります。
代表的な多糖
多糖 構成単位 役割・特徴
デンプン グルコース 植物の貯蔵物質、ヨウ素デンプン反応を示す
セルロース グルコース 植物の細胞壁の主成分
グリコーゲン グルコース 動物の貯蔵多糖
確認ポイント
  • デンプンとセルロースがグルコースからできることを説明できる
  • デンプンとセルロースの役割を区別できる
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5 還元糖と非還元糖

糖類の中には、銀鏡反応やフェーリング反応を示すものがあります。
このような糖を還元糖といいます。
グルコース、マルトース、ラクトースは還元糖です。
一方、スクロースは還元性を示さないため、非還元糖として扱われます。
還元性の有無
分類 還元性
グルコース 単糖 あり
フルクトース 単糖 条件により還元性を示す
マルトース 二糖 あり
ラクトース 二糖 あり
スクロース 二糖 なし
デンプン 多糖 通常は弱い・扱わないことが多い
例題:スクロースは還元糖か非還元糖か。
答え:非還元糖
スクロースは還元性を示さない代表的な二糖です。
例題:マルトースを加水分解すると何が得られるか。
答え:グルコース2分子
マルトースはグルコースが2個結合した二糖です。
確認ポイント
  • 還元糖と非還元糖を区別できる
  • 銀鏡反応・フェーリング反応と糖類を関連づけられる
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6 ヨウ素デンプン反応

デンプンはヨウ素液と反応して青紫色を示します。
この反応をヨウ素デンプン反応といいます。
デンプンの検出反応として非常に有名です。
加熱すると色が消え、冷却すると再び色が現れることがあります。
ヨウ素デンプン反応
検出するもの 試薬 陽性の色
デンプン ヨウ素液 青紫色
注意:ヨウ素デンプン反応は、糖類の検出反応として特に重要です。
確認ポイント
  • デンプンの検出にヨウ素液を使うことを答えられる
  • 陽性で青紫色になることを覚える
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7 糖類の例題

糖類の問題では、単糖・二糖・多糖の分類、構成単位、還元性、検出反応がよく問われます。
糖の名前だけでなく、どの単糖からできているかを整理しましょう。
例題:グルコースの分子式を答えなさい。
答え:C₆H₁₂O₆
グルコースは代表的な単糖で、分子式はC₆H₁₂O₆です。
例題:スクロースを加水分解すると何が得られるか。
答え:グルコースとフルクトース
スクロースはグルコースとフルクトースからなる二糖です。
例題:デンプンの検出反応を答えなさい。
答え:ヨウ素デンプン反応
デンプンにヨウ素液を加えると青紫色を示します。
確認ポイント
  • 代表的な糖類を分類できる
  • 二糖の構成単糖を答えられる
  • 糖類の検出反応を説明できる
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