この教材で学ぶこと
到達目標
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異性体とは何かを説明できる
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構造異性体と立体異性体を区別できる
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炭素骨格の違いによる異性体を判断できる
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官能基の違いによる異性体を理解できる
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シス・トランス異性体が生じる条件を説明できる
前提知識
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アルカン
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アルケン
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官能基
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命名の基礎
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構造式の読み方
1
異性体とは
異性体とは、分子式は同じでも、原子のつながり方や空間的な配置が異なる化合物です。
同じ分子式でも構造が違うと、沸点、融点、反応性などの性質が変わることがあります。
有機化学では、炭素骨格が長くなるほど異性体の数が増えます。
異性体を考えるときは、まず分子式が同じかどうかを確認し、そのうえで構造の違いを見ることが大切です。
確認ポイント
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異性体が同じ分子式をもつことを説明できる
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構造が違うと性質が変わることを理解できる
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2
異性体の大きな分類
異性体は大きく、構造異性体と立体異性体に分けられます。
構造異性体は、原子のつながり方が異なる異性体です。
立体異性体は、原子のつながり方は同じでも、空間的な配置が異なる異性体です。
高校化学では、構造異性体、位置異性体、官能基異性体、シス・トランス異性体が特に重要です。
異性体の分類
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分類
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違い
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例
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構造異性体
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原子のつながり方が違う
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ブタンと2-メチルプロパン
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位置異性体
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官能基や多重結合の位置が違う
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1-プロパノールと2-プロパノール
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官能基異性体
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官能基の種類が違う
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エタノールとジメチルエーテル
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立体異性体
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空間的配置が違う
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シス-2-ブテンとトランス-2-ブテン
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確認ポイント
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構造異性体と立体異性体を区別できる
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位置異性体と官能基異性体の違いを説明できる
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3
炭素骨格の違いによる構造異性体
炭素骨格のつながり方が違う異性体は、構造異性体の代表例です。
アルカンでは、炭素数が4以上になると構造異性体が現れます。
たとえば、C₄H₁₀にはブタンと2-メチルプロパンの2種類があります。
分子式はどちらもC₄H₁₀ですが、炭素骨格の形が違います。
C₄H₁₀の構造異性体
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名称
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構造式イメージ
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炭素骨格
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ブタン
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CH₃-CH₂-CH₂-CH₃
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直鎖
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2-メチルプロパン
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CH₃-CH(CH₃)-CH₃
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枝分かれ
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確認ポイント
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C₄H₁₀に2種類の構造異性体があることを説明できる
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直鎖と枝分かれの違いを構造式から判断できる
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4
位置異性体
位置異性体とは、同じ官能基や多重結合をもっているが、その位置が異なる異性体です。
たとえば、1-プロパノールと2-プロパノールはどちらもC₃H₈Oですが、ヒドロキシ基 -OH の位置が異なります。
アルケンでも、1-ブテンと2-ブテンのように二重結合の位置が異なる位置異性体があります。
名前の中の数字は、官能基や多重結合の位置を示す重要な情報です。
位置異性体の例
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分子式
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異性体
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違い
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C₃H₈O
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1-プロパノール / 2-プロパノール
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-OHの位置
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C₄H₈
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1-ブテン / 2-ブテン
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C=Cの位置
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確認ポイント
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位置異性体が官能基や多重結合の位置違いであることを説明できる
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1-プロパノールと2-プロパノールを区別できる
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5
官能基異性体
官能基異性体とは、分子式は同じでも、含まれる官能基の種類が異なる異性体です。
たとえば、エタノール CH₃CH₂OH とジメチルエーテル CH₃OCH₃ は、どちらも分子式 C₂H₆O です。
しかし、エタノールはアルコール、ジメチルエーテルはエーテルです。
同じ分子式でも官能基が違うと、性質や反応性は大きく変わります。
官能基異性体の例
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分子式
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異性体
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分類
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C₂H₆O
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エタノール
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アルコール
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C₂H₆O
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ジメチルエーテル
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エーテル
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C₃H₆O
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プロパナール
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アルデヒド
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C₃H₆O
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アセトン
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ケトン
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確認ポイント
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官能基異性体が官能基の種類違いであることを説明できる
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エタノールとジメチルエーテルの違いを説明できる
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アルデヒドとケトンが官能基異性体になる場合があることを理解できる
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6
シス・トランス異性体
シス・トランス異性体は、二重結合のまわりで自由回転しにくいことによって生じる立体異性体です。
同じ種類の置換基が二重結合の同じ側にあるものをシス形、反対側にあるものをトランス形といいます。
代表例は2-ブテンです。
ただし、二重結合をもつ化合物なら必ずシス・トランス異性体があるわけではありません。
シス形とトランス形
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種類
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配置
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特徴
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シス形
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同じ置換基が同じ側
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cis
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トランス形
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同じ置換基が反対側
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trans
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注意:シス・トランス異性体を図で表すと分かりやすいので、あとで画像教材を追加する候補として特におすすめです。
注意:二重結合の片方の炭素に同じ置換基が2つついている場合は、シス・トランス異性体を考えにくいです。
確認ポイント
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シス・トランス異性体が立体異性体であることを説明できる
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2-ブテンにシス・トランス異性体があることを理解できる
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7
異性体を考える手順
異性体を考えるときは、いきなり答えを探すのではなく、順番に整理するとミスが減ります。
まず分子式を確認し、炭素骨格を変えられるか考えます。
次に、二重結合や官能基の位置を変えられるか考えます。
最後に、官能基そのものを別の種類にできるか、シス・トランス異性体があるかを確認します。
異性体を考える手順
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手順
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見ること
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例
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1
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炭素骨格を変える
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直鎖・枝分かれ
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2
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官能基や多重結合の位置を変える
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1-プロパノール / 2-プロパノール
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3
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官能基の種類を変える
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アルコール / エーテル
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4
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立体配置を考える
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シス / トランス
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確認ポイント
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異性体を考える順番を説明できる
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構造異性体・位置異性体・官能基異性体を順に確認できる
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8
異性体の例題
異性体の問題では、分子式が同じかどうかをまず確認することが重要です。
そのうえで、炭素骨格、官能基の位置、官能基の種類、立体配置のどこが違うのかを考えます。
例題:ブタンと2-メチルプロパンは何異性体か。
答え:構造異性体
どちらもC₄H₁₀ですが、炭素骨格のつながり方が異なります。
例題:1-プロパノールと2-プロパノールは何が異なる異性体か。
答え:ヒドロキシ基の位置が異なる位置異性体
どちらもC₃H₈Oですが、-OHのつく位置が異なります。
例題:エタノールとジメチルエーテルは何異性体か。
答え:官能基異性体
どちらもC₂H₆Oですが、エタノールはアルコール、ジメチルエーテルはエーテルです。
例題:シス・トランス異性体が生じる主な理由は何か。
答え:二重結合のまわりで自由回転しにくいから。
二重結合は単結合のように自由に回転しにくいため、空間配置の違いが生じます。
確認ポイント
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異性体の種類を分類できる
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構造式を見て違いの原因を説明できる
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分子式が同じかどうかを確認できる
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