この教材で学ぶこと
到達目標
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mol計算の基本を整理できる
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質量・物質量・粒子数を変換できる
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気体の体積と物質量を変換できる
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モル濃度を使って物質量を求められる
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化学反応式の係数比を計算に使える
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収率や純度の基本計算を理解できる
前提知識
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物質量 mol
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モル質量
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アボガドロ定数
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モル濃度
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化学反応式
1
化学計算の基本はmol
化学計算では、物質量 mol を中心に考えることが重要です。
質量、粒子数、気体の体積、溶液の濃度などは、すべてmolに変換して考えると整理しやすくなります。
化学反応式の係数比も、molの比を表しています。
そのため、計算問題ではまず与えられた値を物質量に直すことが基本です。
molを中心に置くと、いろいろな計算がつながって見えるようになります。
確認ポイント
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化学計算ではmolを中心に考えることを理解できる
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反応式の係数比がmol比であることを説明できる
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2
質量と物質量
質量から物質量を求めるには、モル質量を使います。
物質量 n は、質量 m をモル質量 M で割ることで求められます。
式で表すと、n = m / M です。
逆に、物質量から質量を求めるときは、m = nM を使います。
単位は、質量がg、モル質量がg/mol、物質量がmolになるようにそろえます。
例題:水 H₂O 18g は何molか。ただし、H₂Oのモル質量を18g/molとする。
答え:1.0 mol
n = m/M = 18/18 = 1.0 molです。
確認ポイント
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質量から物質量を求められる
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物質量から質量を求められる
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モル質量の単位を理解できる
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3
粒子数と物質量
1 molの粒子数は、アボガドロ定数 6.0×10²³ 個です。
粒子数から物質量を求めるには、粒子数をアボガドロ定数で割ります。
物質量から粒子数を求めるには、物質量にアボガドロ定数をかけます。
原子、分子、イオンなど、数える対象によって『粒子』の意味が変わることに注意しましょう。
例題:2.0 molの分子は何個か。
答え:1.2×10²⁴個
2.0×6.0×10²³ = 1.2×10²⁴個です。
確認ポイント
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アボガドロ定数を使って粒子数と物質量を変換できる
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何の粒子を数えているのかを確認できる
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4
気体の体積と物質量
標準状態では、気体1 molの体積は22.4 Lとして扱います。
標準状態で気体の体積から物質量を求めるには、体積を22.4 L/molで割ります。
逆に、物質量から気体の体積を求めるには、物質量に22.4 L/molをかけます。
ただし、22.4 L/molは標準状態での値なので、条件が違う場合は注意が必要です。
気体の状態方程式 PV = nRT を使う場合もあります。
例題:標準状態で44.8 Lの酸素 O₂ は何molか。
答え:2.0 mol
44.8 ÷ 22.4 = 2.0 molです。
確認ポイント
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標準状態で気体1 molが22.4 Lであることを使える
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体積と物質量を変換できる
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標準状態かどうかを確認できる
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5
モル濃度と物質量
モル濃度は、溶液1 L中に溶けている溶質の物質量を表します。
モル濃度 c、体積 V、物質量 n の関係は、n = cV です。
このとき、体積VはL単位で使います。
mLで与えられている場合は、1000で割ってLに直します。
中和滴定や酸化還元滴定では、この式をよく使います。
例題:0.20 mol/L のNaOH水溶液 50 mL に含まれるNaOHは何molか。
答え:0.010 mol
50 mL = 0.050 L。n = cV = 0.20×0.050 = 0.010 molです。
確認ポイント
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n=cVを使える
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mLをLに直して計算できる
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モル濃度の意味を説明できる
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6
化学反応式の係数比
化学反応式の係数は、反応する物質の物質量の比を表します。
たとえば、2H₂ + O₂ → 2H₂O では、H₂ : O₂ : H₂O = 2 : 1 : 2 のmol比で反応します。
H₂が2 mol反応すると、O₂は1 mol必要で、H₂Oは2 mol生成します。
反応式計算では、まず物質量に直し、係数比を使って目的の物質量を求めます。
最後に、必要に応じて質量や体積へ変換します。
反応式計算の流れ
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手順
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内容
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1
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反応式を書く
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係数を確認する
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3
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与えられた量をmolに直す
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4
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係数比で目的のmolを求める
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5
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質量・体積・濃度に直す
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例題:2H₂ + O₂ → 2H₂O で、H₂が4.0 mol反応するとH₂Oは何molできるか。
答え:4.0 mol
H₂:H₂O = 2:2 = 1:1 なので、H₂Oは4.0 molできます。
確認ポイント
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反応式の係数比をmol比として使える
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反応式計算の基本手順を説明できる
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7
限界反応物
2種類以上の反応物が与えられているとき、どちらか一方が先に使い切られることがあります。
先に使い切られて、生成物の量を決める反応物を限界反応物といいます。
限界反応物を判断するには、それぞれの反応物がどれだけ生成物を作れるかを計算します。
少ない量の生成物しか作れない方が限界反応物です。
余った反応物は過剰に存在していることになります。
例題:2H₂ + O₂ → 2H₂O で、H₂が2 mol、O₂が2 molある。限界反応物はどちらか。
答え:H₂
H₂ 2 molにはO₂ 1 molが必要です。O₂は2 molあるので余り、H₂が先に使い切られます。
確認ポイント
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限界反応物の意味を説明できる
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係数比からどちらが先に使い切られるか判断できる
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8
収率
収率とは、理論上得られる量に対して、実際に得られた量がどれだけかを表す割合です。
実験では、反応が完全に進まなかったり、操作中に失われたりするため、理論量より少ない量しか得られないことがあります。
収率は、実際に得られた量を理論上得られる量で割って、100をかけて求めます。
単位はパーセントです。
収率の計算では、理論量と実際量の単位をそろえることが大切です。
例題:理論上10g得られる物質が、実際には8g得られた。収率は何%か。
答え:80%
8/10×100 = 80%です。
確認ポイント
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収率の意味を説明できる
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収率の公式を使える
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理論量と実際量を区別できる
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9
純度
純度とは、試料全体の中に目的物質がどれだけ含まれているかを表す割合です。
純度が100%でない試料には、不純物が含まれています。
純度を使う計算では、試料の質量に純度をかけて、実際に反応する目的物質の質量を求めます。
たとえば、純度80%の試料10gには、目的物質が8g含まれています。
反応式計算では、この目的物質の量をmolに直して使います。
例題:純度80%の炭酸カルシウム10gには、純粋なCaCO₃が何g含まれるか。
答え:8g
10×80/100 = 8gです。
確認ポイント
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純度の意味を説明できる
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試料中の目的物質の質量を求められる
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10
化学計算のよくあるミス
化学計算では、単位の変換ミスが非常に多いです。
mLをLに直し忘れる、gとkgを混同する、標準状態でないのに22.4Lを使う、といったミスに注意しましょう。
また、反応式の係数を無視して計算してしまうこともよくあります。
化学反応式の係数はmol比なので、必ず確認します。
計算の最後には、答えの単位と桁が現実的かを見直しましょう。
よくあるミス
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ミス
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対策
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mLをLに直し忘れる
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n=cVではVをLにする
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係数比を無視する
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反応式を必ず書く
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22.4Lを条件なしで使う
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標準状態か確認する
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純度を考え忘れる
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実際に反応する量を求める
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収率を考え忘れる
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理論量と実際量を区別する
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確認ポイント
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化学計算で起こりやすいミスを説明できる
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単位と係数比を確認する習慣をつける
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11
化学計算総まとめ例題
化学計算では、まずmolに直すこと、反応式の係数比を使うこと、最後に必要な単位へ直すことが基本です。
複雑に見える問題でも、この流れに分解すると解きやすくなります。
例題:CO₂ 44gは何molか。ただし、CO₂のモル質量を44g/molとする。
答え:1.0 mol
n = m/M = 44/44 = 1.0 molです。
例題:標準状態で11.2LのN₂は何molか。
答え:0.50 mol
11.2/22.4 = 0.50 molです。
例題:0.10 mol/LのHCl 200mLに含まれるHClは何molか。
答え:0.020 mol
200mL = 0.200L。n = cV = 0.10×0.200 = 0.020 molです。
例題:2H₂ + O₂ → 2H₂O で、O₂が3.0 mol反応するとH₂Oは何molできるか。
答え:6.0 mol
O₂:H₂O = 1:2 なので、H₂Oは6.0 molできます。
例題:理論上20g得られる物質が実際には15g得られた。収率は何%か。
答え:75%
15/20×100 = 75%です。
確認ポイント
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質量・体積・濃度をmolに変換できる
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反応式の係数比で物質量を求められる
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収率・純度の基本計算ができる
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