この教材で学ぶこと
到達目標
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化学反応式の係数を物質量比として読める
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反応物と生成物のmol比を使って計算できる
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質量をmolに直して反応量を求められる
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気体の体積比を化学反応式から判断できる
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反応物の過不足を考えられる
前提知識
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物質量 mol
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モル質量
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化学反応式
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気体の体積
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比例計算
1
量的関係とは
量的関係とは、化学反応式を使って、反応する物質や生成する物質の量を考えることです。
化学反応式の係数は、粒子数の比を表します。
同時に、物質量 mol の比としても使うことができます。
たとえば、2H₂ + O₂ → 2H₂O では、H₂、O₂、H₂O の物質量比は 2 : 1 : 2 です。
理論化学の計算では、まず化学反応式の係数比を読むことが出発点になります。
水の生成
2H₂ + O₂ → 2H₂O
H₂ : O₂ : H₂O = 2 : 1 : 2 の物質量比です。
確認ポイント
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化学反応式の係数が物質量比として使えることを説明できる
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反応式からmol比を読み取れる
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2
係数比をmol比として読む
化学反応式の係数は、物質量 mol の比として読むことができます。
係数が 2 なら 2 mol、係数が 1 なら 1 mol の比で反応すると考えます。
反応式の係数そのものが、計算の比例関係になります。
反応量の問題では、与えられた物質のmol数から、係数比を使って別の物質のmol数を求めます。
係数比とmol比
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反応式
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係数比
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mol比
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2H₂ + O₂ → 2H₂O
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H₂ : O₂ : H₂O = 2 : 1 : 2
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2 mol : 1 mol : 2 mol
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N₂ + 3H₂ → 2NH₃
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N₂ : H₂ : NH₃ = 1 : 3 : 2
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1 mol : 3 mol : 2 mol
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CH₄ + 2O₂ → CO₂ + 2H₂O
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CH₄ : O₂ : CO₂ = 1 : 2 : 1
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1 mol : 2 mol : 1 mol
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例題:2H₂ + O₂ → 2H₂O において、H₂ 4.0 mol と完全に反応する O₂ は何 mol か。
答え:2.0 mol
H₂ : O₂ = 2 : 1 なので、H₂ 4.0 mol には O₂ 2.0 mol が必要です。
確認ポイント
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反応式の係数比をmol比として使える
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与えられたmol数から必要なmol数を求められる
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3
量的関係の基本手順
量的関係の計算は、手順を決めて解くとミスが減ります。
まず、化学反応式を書き、係数をそろえます。
次に、与えられた量をmolに直します。
その後、係数比を使って求めたい物質のmolを求めます。
最後に、必要ならmolを質量や体積に変換します。
量的関係の解き方
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手順
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内容
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1
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化学反応式を書く
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2
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係数をそろえる
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3
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与えられた量をmolに直す
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4
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係数比で求めたい物質のmolを求める
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5
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必要に応じてgやLに直す
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確認ポイント
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量的関係の計算手順を説明できる
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質量をいったんmolに直して考えられる
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4
質量が関係する量的関係
反応物や生成物の質量を求める問題では、必ず物質量 mol を経由します。
反応式の係数比は、質量比ではなくmol比です。
そのため、gのまま係数比を使うのではなく、まずgをmolに直します。
求めたい物質のmolが分かったら、モル質量をかけて質量に戻します。
炭素の燃焼
C + O₂ → CO₂
C : CO₂ = 1 : 1 のmol比です。
例題:炭素 C 12 g を完全燃焼させると、CO₂ は何 g 生じるか。ただし C = 12 g/mol、CO₂ = 44 g/mol とする。
答え:44 g
C 12 g は 12÷12 = 1.0 mol。C : CO₂ = 1 : 1 なので CO₂ は 1.0 mol 生じます。CO₂の質量は 1.0×44 = 44 g です。
例題:Mg + 2HCl → MgCl₂ + H₂ において、Mg 24 g が完全に反応すると H₂ は何 mol 生じるか。ただし Mg = 24 g/mol とする。
答え:1.0 mol
Mg 24 g は 1.0 mol。Mg : H₂ = 1 : 1 なので、H₂ は 1.0 mol 生じます。
確認ポイント
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質量からmolに直して係数比を使える
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生成物のmolから質量を求められる
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係数比を質量比と混同しない
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5
気体の体積が関係する量的関係
気体が関係する反応では、標準状態なら 1 mol = 22.4 L を使えます。
同温・同圧で気体どうしが反応する場合、化学反応式の係数比を体積比として使えます。
ただし、体積比として使えるのは気体どうしの場合です。
固体や液体の係数を、そのまま体積比として考えないように注意しましょう。
メタンの燃焼
CH₄ + 2O₂ → CO₂ + 2H₂O
同温・同圧で気体として考えると、CH₄ : O₂ : CO₂ = 1 : 2 : 1 の体積比です。
アンモニアの生成
N₂ + 3H₂ → 2NH₃
同温・同圧では N₂ : H₂ : NH₃ = 1 : 3 : 2 の体積比です。
例題:同温・同圧で CH₄ 10 L を完全燃焼させるには、O₂ は何 L 必要か。
答え:20 L
CH₄ : O₂ = 1 : 2 なので、CH₄ 10 L には O₂ 20 L が必要です。
例題:標準状態で H₂ 0.50 mol の体積は何 L か。
答え:11.2 L
0.50×22.4 = 11.2 L です。
確認ポイント
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標準状態で22.4 L/molを使える
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同温・同圧では気体の係数比を体積比として使える
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固体や液体を体積比で扱わないように注意できる
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6
反応物の過不足
複数の反応物が与えられた場合、どちらか一方が先になくなることがあります。
先になくなる反応物を不足している反応物、または制限反応物といいます。
生成物の量は、制限反応物によって決まります。
過不足を考える問題では、それぞれの反応物がどれだけ必要かを係数比から確認します。
水の生成
2H₂ + O₂ → 2H₂O
H₂とO₂は 2 : 1 のmol比で反応します。
過不足を考える手順
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手順
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内容
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1
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各反応物のmolを求める
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2
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反応式の係数比を確認する
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3
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どちらが先になくなるか判断する
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4
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制限反応物を基準に生成物の量を求める
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例題:H₂ 3.0 mol と O₂ 1.0 mol を反応させると、どちらが余るか。
答え:H₂ が余る
O₂ 1.0 mol と反応するH₂は2.0 molです。H₂は3.0 molあるので、1.0 mol余ります。
例題:H₂ 3.0 mol と O₂ 1.0 mol から H₂O は最大何 mol できるか。
答え:2.0 mol
O₂ 1.0 mol が制限反応物です。O₂ : H₂O = 1 : 2 なので、H₂Oは2.0 molできます。
確認ポイント
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制限反応物を判断できる
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余る反応物の量を考えられる
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制限反応物を基準に生成物の量を求められる
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7
収率
実験では、理論上計算される量どおりに生成物が得られるとは限りません。
理論上得られる最大量を理論収量、実際に得られた量を実収量といいます。
収率は、理論収量に対して実収量がどれくらい得られたかを百分率で表したものです。
収率は、合成実験や工業的製法の問題で使われることがあります。
例題:理論上10.0 g得られる生成物が、実際には8.0 g得られた。収率は何%か。
答え:80%
8.0 ÷ 10.0 × 100 = 80% です。
注意:定期試験では基本問題として出ることがありますが、まずは係数比とmol計算を優先して理解しましょう。
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8
量的関係の例題
量的関係の問題では、化学反応式、mol変換、係数比、単位変換を順番に使います。
一気に答えを出そうとせず、必ずmolを中心に整理しましょう。
例題:2H₂ + O₂ → 2H₂O において、O₂ 3.0 mol と完全に反応する H₂ は何 mol か。
答え:6.0 mol
H₂ : O₂ = 2 : 1 なので、O₂ 3.0 molにはH₂ 6.0 molが必要です。
例題:CaCO₃ + 2HCl → CaCl₂ + CO₂ + H₂O において、CaCO₃ 0.50 mol から CO₂ は何 mol生じるか。
答え:0.50 mol
CaCO₃ : CO₂ = 1 : 1 なので、CO₂は0.50 mol生じます。
例題:標準状態で CO₂ 0.50 mol の体積は何 L か。
答え:11.2 L
0.50×22.4 = 11.2 Lです。
確認ポイント
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化学反応式の係数比を使える
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質量・mol・体積を変換できる
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過不足や収率の考え方を理解できる
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