実験 / experiment_organic

アセチルサリチル酸合成実験

サリチル酸を無水酢酸でアセチル化し、アセチルサリチル酸を合成する実験教材です。反応のしくみ、再結晶による精製、フェノール性OHの変化を整理します。
実験教材
難易度:発展 目安:50分
# 実験 # 有機化学 # アセチルサリチル酸 # アセチルサリチル酸 # サリチル酸 # アセチル化 # 再結晶

この教材で学ぶこと

到達目標

  • アセチルサリチル酸がアセチルサリチル酸であることを説明できる
  • サリチル酸のフェノール性OHがアセチル化されることを理解できる
  • 無水酢酸と酸触媒の役割を説明できる
  • 再結晶による精製の意味を説明できる

前提知識

  • フェノール
  • カルボン酸
  • エステル
  • アセチル化
  • 再結晶

図・写真

※スマホで画像が見づらい場合は、画像を拡大表示するか、別タブで開くと確認しやすいです。

STEP 1 アセチルサリチル酸結晶
アセチルサリチル酸の結晶のマクロ写真
アセチルサリチル酸の主成分であるアセチルサリチル酸の結晶写真。合成後は再結晶によって精製する。
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Credit: Steve Mike Neef / Wikimedia Commons License: CC BY-SA 3.0 Source
STEP 2 アセチルサリチル酸(アスピリン)合成の流れ
サリチル酸と無水酢酸からアセチルサリチル酸(アスピリン)を合成する流れの模式図
サリチル酸のフェノール性OHがアセチル化され、アセチルサリチル酸(アスピリン)が生成する。精製には再結晶を用いる。
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Credit: ChemStudy 自作図 License: Original

実験情報

目的

サリチル酸を無水酢酸でアセチル化し、アセチルサリチル酸を合成する。

原理

アセチルサリチル酸はアセチルサリチル酸であり、サリチル酸のフェノール性ヒドロキシ基がアセチル化された化合物である。無水酢酸を用いることでアセチル基が導入され、酸触媒の存在下で反応が進む。反応後の粗生成物には未反応物や副生成物が含まれるため、再結晶によって精製する。

器具

  • 試験管
  • ビーカー
  • 湯浴
  • ろ紙
  • ろうと
  • ガラス棒
  • 保護メガネ
  • 手袋

試薬

  • サリチル酸
  • 無水酢酸
  • 濃硫酸またはリン酸
  • エタノール
  • 再結晶用溶媒

手順

  1. 保護メガネと手袋を着用する。
  2. 試験管または小型フラスコにサリチル酸を入れる。
  3. 無水酢酸を加える。
  4. 酸触媒を少量加える。
  5. 湯浴で加熱し、反応を進める。
  6. 反応後、水を加えて過剰の無水酢酸を分解し、生成物を析出させる。
  7. 析出した粗結晶をろ過する。
  8. 必要に応じて再結晶を行い、結晶を精製する。
  9. 乾燥後、結晶の外観を観察する。

観察結果

試料 結果
反応前 サリチル酸は白色固体として扱われる
加熱後に水を加える 白色結晶が析出することがある
粗生成物 未反応物や不純物を含む可能性がある
再結晶後 より純度の高い結晶が得られる

安全上の注意

  • 無水酢酸は刺激性があるため、直接触れたり吸い込んだりしない。
  • 濃硫酸やリン酸などの酸触媒は皮膚や目につけない。
  • 加熱中に試験管の口を人に向けない。
  • においを直接かがない。
  • こぼした場合は教員や指導者に知らせる。

廃液・廃棄

  • 酸や有機物を含む廃液は指定された廃液容器に入れる。
  • 未反応の無水酢酸を含む場合は、指導者の指示に従って処理する。
  • 使用後のろ紙や結晶は指導者の指示に従って処理する。

早覚え表

印刷・PDF保存・CSVダウンロードに対応しています。

アセチルサリチル酸合成の基本

項目 内容 ポイント
出発物質 サリチル酸 フェノール性OHとカルボキシ基をもつ
アセチル化剤 無水酢酸 アセチル基を導入する
触媒 濃硫酸またはリン酸 反応を進める
生成物 アセチルサリチル酸 アセチルサリチル酸の主成分
精製 再結晶 不純物を除く

反応で変化する部分

部分 反応前 反応後 意味
フェノール性OH サリチル酸の-OH アセチル化される エステル結合を形成
カルボキシ基 -COOH 基本的に残る 酸性を示す部分
無水酢酸 アセチル化剤 酢酸などへ変化 アセチル基を供給
粗生成物 不純物を含む 再結晶で精製 純度を高める

覚え方・暗記ポイント

アセチルサリチル酸はアセチルサリチル酸。
サリチル酸のフェノール性OHがアセチル化される。
無水酢酸はアセチル化剤。
酸触媒で反応を進める。
生成物は再結晶で精製する。
サリチル酸とアセチルサリチル酸の違いはフェノール性OHの変化に注目する。
目次

1 アセチルサリチル酸合成の考え方

アセチルサリチル酸は、化学名ではアセチルサリチル酸と呼ばれます。
サリチル酸に無水酢酸を反応させると、サリチル酸のフェノール性ヒドロキシ基がアセチル化されます。
この反応により、サリチル酸とは性質の異なるアセチルサリチル酸が生成します。
確認ポイント
  • アセチルサリチル酸の化学名を説明できる
  • サリチル酸のどの部分が反応するか説明できる
  • アセチル化の意味を説明できる
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2 再結晶による精製

合成直後の生成物は、未反応のサリチル酸や副生成物を含む可能性があります。
そのため、再結晶によって目的物を精製します。
再結晶では、温度による溶解度の違いを利用して、比較的純度の高い結晶を取り出します。
確認ポイント
  • 粗生成物と精製後の違いを説明できる
  • 再結晶の目的を説明できる
  • 溶解度の温度変化を利用する理由を説明できる
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