実験 / experiment_organic

セッケン合成実験

油脂を水酸化ナトリウム水溶液でけん化し、高級脂肪酸ナトリウムであるセッケンを作る実験教材です。油脂、エステル、加水分解、界面活性作用を整理します。
実験教材
難易度:標準 目安:45分
# 実験 # 有機化学 # セッケン # けん化 # 油脂 # エステル # 界面活性剤

この教材で学ぶこと

到達目標

  • 油脂が高級脂肪酸とグリセリンのエステルであることを説明できる
  • けん化が塩基性条件でのエステル加水分解であることを理解できる
  • セッケンが高級脂肪酸ナトリウムであることを説明できる
  • セッケンの親水基と疎水基のはたらきを説明できる

前提知識

  • エステル
  • 油脂
  • 加水分解
  • カルボン酸塩
  • 高分子・天然有機物

図・写真

※スマホで画像が見づらい場合は、画像を拡大表示するか、別タブで開くと確認しやすいです。

STEP 1 けん化の模式図
油脂が塩基でけん化されてセッケンとグリセリンを生じる模式図
けん化では、油脂のエステル結合が塩基性条件で加水分解され、高級脂肪酸塩とグリセリンが生成する。
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Credit: Harakeli / Wikimedia Commons License: CC BY 3.0 / GFDL Source
STEP 2 セッケン作りの材料
セッケン作りに使う油などの材料の写真
セッケン作りでは、油脂と塩基を反応させる。油脂は高級脂肪酸とグリセリンからできたエステルである。
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Credit: Szombat78 / Wikimedia Commons License: CC BY-SA 4.0 Source
STEP 3 セッケン合成の流れ
油脂を水酸化ナトリウムでけん化してセッケンを作る流れの模式図
油脂をNaOH水溶液で加熱すると、エステル結合が切れ、高級脂肪酸ナトリウムとグリセリンができる。
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Credit: ChemStudy 自作図 License: Original

実験情報

目的

油脂を水酸化ナトリウム水溶液でけん化し、セッケンを合成する。

原理

油脂は、高級脂肪酸とグリセリンからできたエステルである。水酸化ナトリウム水溶液で加熱すると、エステル結合が塩基性条件で加水分解され、高級脂肪酸ナトリウムとグリセリンが生じる。この反応をけん化という。高級脂肪酸ナトリウムは親水基と疎水基をもち、界面活性剤としてはたらく。

器具

  • ビーカー
  • ガラス棒
  • 湯浴
  • ろ紙
  • ろうと
  • 保護メガネ
  • 手袋

試薬

  • 油脂
  • 水酸化ナトリウム水溶液
  • エタノール
  • 塩化ナトリウム

手順

  1. 保護メガネと手袋を着用する。
  2. ビーカーに油脂と水酸化ナトリウム水溶液を入れる。
  3. 必要に応じてエタノールを加え、混ざりやすくする。
  4. 湯浴で加熱しながら、ガラス棒でかき混ぜる。
  5. 反応が進んだら、食塩水を加えて塩析する。
  6. 浮いてきたセッケンをろ過またはすくい取る。
  7. 少量の水で洗い、乾燥させる。
  8. 得られたセッケンの泡立ちや性質を確認する。

観察結果

試料 結果
油脂 + NaOH水溶液 加熱とかくはんにより反応が進む
反応後 セッケンを含む混合物になる
食塩水を加える セッケンが分離しやすくなる
生成物 泡立ちやぬめりが確認できることがある

安全上の注意

  • 水酸化ナトリウムは強塩基なので、皮膚や目につけない。
  • エタノールを使う場合は火気に注意する。
  • 加熱中に液を飛ばさない。
  • 生成物を素手で長時間触らない。
  • こぼした場合は教員や指導者に知らせる。

廃液・廃棄

  • 塩基性廃液は指導者の指示に従って処理する。
  • 油分を含む廃液は流しに直接捨てない。
  • 使用後の器具は十分に洗浄する。

早覚え表

印刷・PDF保存・CSVダウンロードに対応しています。

セッケン合成の基本

項目 内容 ポイント
油脂 高級脂肪酸とグリセリンのエステル エステル結合をもつ
けん化 塩基性条件での加水分解 NaOHを使う
生成物1 高級脂肪酸ナトリウム セッケンの主成分
生成物2 グリセリン 油脂の骨格部分
塩析 食塩を加えてセッケンを分離 水への溶解度を下げる

セッケンの構造と性質

部分 性質 はたらき
疎水基 水になじみにくい 油汚れになじむ
親水基 水になじみやすい 水中に分散しやすくする
ミセル 疎水基を内側に向けた集合体 油汚れを包み込む
硬水での弱点 Ca²⁺やMg²⁺と沈殿を作る 洗浄力が落ちる
合成洗剤との違い 構造や硬水への強さが異なる 比較問題で出やすい

覚え方・暗記ポイント

油脂は高級脂肪酸とグリセリンのエステル。
けん化は塩基性条件でのエステル加水分解。
NaOHでけん化すると高級脂肪酸ナトリウムができる。
高級脂肪酸ナトリウムがセッケンの主成分。
セッケンは親水基と疎水基をもつ。
食塩を加える塩析でセッケンを分離しやすくする。
目次

1 けん化とは

けん化は、油脂を塩基性条件で加水分解する反応です。
油脂は高級脂肪酸とグリセリンからできたエステルなので、加水分解によって高級脂肪酸塩とグリセリンが生じます。
水酸化ナトリウムを用いた場合、高級脂肪酸ナトリウムが生成し、これがセッケンとしてはたらきます。
確認ポイント
  • けん化の意味を説明できる
  • 油脂がエステルであることを説明できる
  • 生成物を説明できる
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2 セッケンの洗浄作用

セッケン分子には、水になじみやすい親水基と、油になじみやすい疎水基があります。
疎水基が油汚れになじみ、親水基が水側を向くことで、油汚れを水中に分散させやすくします。
このような性質をもつ物質は界面活性剤と呼ばれます。
確認ポイント
  • 親水基と疎水基を説明できる
  • セッケンが油汚れを落とすしくみを説明できる
  • 界面活性剤の意味を説明できる
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