有機化学 / carboxylic_acid

カルボン酸

カルボキシ基 -COOH をもつカルボン酸について、構造、酸性、代表例、酸化による生成、エステル化、中和反応をまとめた教材です。
難易度:標準 目安:45分
# 有機化学 # カルボン酸 # カルボキシ基 # 酢酸 # エステル化

この教材で学ぶこと

到達目標

  • カルボン酸の官能基を説明できる
  • 代表的なカルボン酸の名称と構造式を答えられる
  • カルボン酸が弱酸性を示す理由を説明できる
  • アルデヒドの酸化でカルボン酸ができることを説明できる
  • カルボン酸とアルコールのエステル化を説明できる

前提知識

  • 有機化学の全体像と反応の見方
  • アルコールとエーテル
  • アルデヒドとケトン
  • 酸・塩基
  • エステル化
目次

1 カルボン酸とは

カルボン酸は、カルボキシ基 -COOH をもつ有機化合物です。
カルボキシ基は、カルボニル基 C=O とヒドロキシ基 -OH が同じ炭素に結合した構造です。
代表的なカルボン酸には、ギ酸 HCOOH、酢酸 CH₃COOH、安息香酸 C₆H₅COOH などがあります。
カルボン酸は水溶液中で一部電離して H⁺ を出すため、酸性を示します。
無機の強酸と比べると、多くのカルボン酸は弱酸として扱われます。
代表的なカルボン酸
名称 構造式 特徴
ギ酸 HCOOH 最も簡単なカルボン酸。還元性をもつ
酢酸 CH₃COOH 食酢の主成分
プロピオン酸 CH₃CH₂COOH 炭素数3のカルボン酸
安息香酸 C₆H₅COOH ベンゼン環をもつ芳香族カルボン酸
確認ポイント
  • カルボン酸が-COOHをもつことを説明できる
  • 酢酸の構造式CH₃COOHを答えられる
  • カルボン酸が酸性を示すことを説明できる
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2 カルボキシ基の構造

カルボキシ基は -COOH と表されます。
これは、同じ炭素原子に酸素との二重結合 C=O と、ヒドロキシ基 -OH が結合した構造です。
カルボキシ基をもつことで、分子は酸としての性質を示します。
カルボン酸は水中で H⁺ を放出し、カルボン酸イオン RCOO⁻ になります。
たとえば、酢酸 CH₃COOH は電離して酢酸イオン CH₃COO⁻ を生じます。
酢酸の電離
CH₃COOH ⇄ CH₃COO⁻ + H⁺
酢酸は弱酸なので、完全には電離しません。
カルボキシ基のポイント
構造 意味
-COOH カルボキシ基
RCOOH 一般的なカルボン酸
RCOO⁻ カルボン酸イオン
H⁺を出す 酸性を示す理由
確認ポイント
  • カルボキシ基の構造を説明できる
  • カルボン酸イオン RCOO⁻ を説明できる
  • 酢酸の電離式を書ける
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3 カルボン酸の酸性と中和

カルボン酸は酸性を示すため、塩基と中和反応を起こします。
たとえば、酢酸と水酸化ナトリウムが反応すると、酢酸ナトリウムと水が生じます。
また、炭酸水素ナトリウム NaHCO₃ と反応すると、二酸化炭素 CO₂ が発生します。
この反応は、カルボン酸の検出や性質の確認に利用できます。
ただし、カルボン酸は塩酸や硫酸のような強酸ではなく、弱酸として扱われることが多いです。
酢酸と水酸化ナトリウム
CH₃COOH + NaOH → CH₃COONa + H₂O
中和反応により酢酸ナトリウムが生じます。
酢酸と炭酸水素ナトリウム
CH₃COOH + NaHCO₃ → CH₃COONa + CO₂ + H₂O
二酸化炭素が発生します。
例題:酢酸に炭酸水素ナトリウムを加えると発生する気体は何か。
答え:二酸化炭素 CO₂
カルボン酸は炭酸水素塩と反応してCO₂を発生します。
確認ポイント
  • カルボン酸の中和反応を説明できる
  • 酢酸ナトリウムの生成反応を書ける
  • カルボン酸と炭酸水素塩の反応でCO₂が出ることを説明できる
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4 カルボン酸の生成

カルボン酸は、第一級アルコールやアルデヒドの酸化によって生成します。
第一級アルコールは酸化されてアルデヒドになり、さらに酸化されるとカルボン酸になります。
たとえば、エタノールは酸化されてアセトアルデヒドになり、さらに酸化されると酢酸になります。
この流れは、有機化学の反応経路問題で非常に重要です。
第一級アルコール、アルデヒド、カルボン酸をセットで覚えましょう。
エタノールからアセトアルデヒド
CH₃CH₂OH + [O] → CH₃CHO + H₂O
第一級アルコールが酸化されてアルデヒドになります。
アセトアルデヒドから酢酸
CH₃CHO + [O] → CH₃COOH
アルデヒドがさらに酸化されてカルボン酸になります。
酸化による変化
出発物質 酸化生成物 さらに酸化
第一級アルコール アルデヒド カルボン酸
エタノール アセトアルデヒド 酢酸
メタノール ホルムアルデヒド ギ酸
確認ポイント
  • 第一級アルコールからカルボン酸への酸化の流れを説明できる
  • エタノールから酢酸への変化を説明できる
  • アルデヒドが酸化されてカルボン酸になることを説明できる
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5 エステル化

カルボン酸はアルコールと反応してエステルをつくります。
この反応をエステル化といいます。
エステル化では、カルボン酸とアルコールからエステルと水が生じます。
たとえば、酢酸とエタノールが反応すると、酢酸エチルと水が生じます。
反応では濃硫酸を触媒として用い、加熱することが多いです。
酢酸とエタノールのエステル化
CH₃COOH + CH₃CH₂OH ⇄ CH₃COOCH₂CH₃ + H₂O
酢酸エチルが生じます。濃硫酸を触媒として使います。
エステル化の基本
反応物 生成物 条件
カルボン酸 + アルコール エステル + 水 濃硫酸、加熱
酢酸 + エタノール 酢酸エチル + 水 可逆反応
確認ポイント
  • エステル化の意味を説明できる
  • 酢酸とエタノールから酢酸エチルができることを説明できる
  • 濃硫酸が触媒として使われることを理解している
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6 ギ酸の特徴

ギ酸 HCOOH は、最も簡単なカルボン酸です。
ギ酸はカルボン酸でありながら、アルデヒドに似た還元性を示すことがあります。
そのため、銀鏡反応やフェーリング反応を示す物質として扱われることがあります。
これは、ギ酸の構造が特殊で、酸化されやすいためです。
酢酸 CH₃COOH とは違う性質として区別して覚えるとよいです。
ギ酸と酢酸の比較
物質 構造式 特徴
ギ酸 HCOOH 還元性を示すことがある
酢酸 CH₃COOH 食酢の主成分。通常は還元性を示さない
確認ポイント
  • ギ酸の構造式HCOOHを答えられる
  • ギ酸が還元性を示すことを説明できる
  • ギ酸と酢酸の違いを説明できる
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7 テストでの出題パターン

カルボン酸では、カルボキシ基、酸性、中和、エステル化、酸化による生成がよく出題されます。
カルボキシ基は -COOH です。
酢酸 CH₃COOH は弱酸で、NaOHと中和して酢酸ナトリウムを生じます。
カルボン酸はアルコールと反応してエステルをつくります。
また、第一級アルコールやアルデヒドの酸化でカルボン酸ができることも重要です。
例題:カルボン酸がもつ官能基を答えよ。
答え:カルボキシ基 -COOH
カルボン酸は-COOHをもつ有機化合物です。
例題:酢酸の構造式を答えよ。
答え:CH₃COOH
酢酸は代表的なカルボン酸です。
例題:酢酸とエタノールが反応してできるエステルは何か。
答え:酢酸エチル
CH₃COOH + CH₃CH₂OH ⇄ CH₃COOCH₂CH₃ + H₂O です。
例題:第一級アルコールを十分に酸化すると何になるか。
答え:カルボン酸
第一級アルコールはアルデヒドを経てカルボン酸になります。
確認ポイント
  • カルボキシ基を答えられる
  • カルボン酸の酸性を説明できる
  • カルボン酸の中和反応を書ける
  • エステル化を説明できる
  • 酸化によるカルボン酸の生成を説明できる
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