有機化学 / naming

有機化合物の命名

有機化合物の名前を構造から考えるために、主鎖、置換基、官能基、番号の付け方をまとめた教材です。
難易度:標準 目安:40分
# 有機化学 # 命名 # IUPAC # 主鎖 # 置換基 # 官能基 # 構造式

この教材で学ぶこと

到達目標

  • 有機化合物の名前の基本的な作り方を説明できる
  • 主鎖を選ぶ考え方を理解できる
  • 置換基の位置番号をつけられる
  • アルカン・アルケン・アルコールなどの名称を構造式から判断できる
  • 名前からおおまかな構造を考えられる

前提知識

  • アルカン
  • アルケン
  • アルキン
  • 官能基
  • 構造式の読み方
目次

1 有機化合物の命名とは

有機化合物の命名では、構造式を見て、炭素骨格、置換基、官能基を整理します。
有機化合物の名前は、適当に覚えるのではなく、一定のルールに従ってつけられます。
高校化学では、厳密なIUPAC命名をすべて扱うわけではありませんが、基本的な考え方を理解しておくと構造式を読みやすくなります。
命名の基本は、主鎖を選び、番号をつけ、置換基や官能基を名前に反映することです。
命名の基本イメージ
主鎖 + 置換基 + 官能基
まず最も重要な炭素鎖を見つけ、そこに何がついているかを考えます。
確認ポイント
  • 有機化合物の名前が構造に基づいてつくことを理解できる
  • 主鎖・置換基・官能基という言葉を説明できる
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2 炭素数と基本名

有機化合物の名前では、炭素数に応じて基本名が変わります。
炭素数1はメタン、2はエタン、3はプロパン、4はブタンです。
この基本名は、アルカンだけでなく、アルケン、アルキン、アルコールなどの命名にも関係します。
まずは炭素数1〜10の名前を覚えると、有機化合物の名前がかなり読みやすくなります。
炭素数と基本名
炭素数 基本名 アルカン名 分子式
1 メタ- メタン CH₄
2 エタ- エタン C₂H₆
3 プロパ- プロパン C₃H₈
4 ブタ- ブタン C₄H₁₀
5 ペンタ- ペンタン C₅H₁₂
6 ヘキサ- ヘキサン C₆H₁₄
7 ヘプタ- ヘプタン C₇H₁₆
8 オクタ- オクタン C₈H₁₈
9 ノナ- ノナン C₉H₂₀
10 デカ- デカン C₁₀H₂₂
確認ポイント
  • 炭素数1〜4の基本名を確実に答えられる
  • 炭素数からアルカン名を判断できる
  • メタ・エタ・プロパ・ブタを命名の土台として使える
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3 主鎖の選び方

主鎖とは、名前の中心になる炭素鎖のことです。
基本的には、最も長い炭素鎖を主鎖に選びます。
二重結合や官能基がある場合は、それらを含むように主鎖を選ぶことが重要になります。
枝分かれしている構造では、どこを主鎖にするかで名前が変わるため、まず一番長い連続した炭素鎖を探しましょう。
直鎖構造の例
CH₃-CH₂-CH₂-CH₃
炭素が4個連続しているので、主鎖はブタンです。
枝分かれ構造の例
CH₃-CH(CH₃)-CH₃
最長の主鎖は炭素3個なので、プロパンを基本に考えます。
主鎖を選ぶときの見方
見るポイント 内容
最長の炭素鎖 連続して最も長くつながった炭素鎖を探す
二重結合・三重結合 不飽和結合を含む主鎖を選ぶ
官能基 重要な官能基を含むように選ぶ
枝分かれ 主鎖から外れた部分は置換基として扱う
確認ポイント
  • 構造式から最長炭素鎖を探せる
  • 枝分かれ部分を置換基として見られる
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4 置換基

置換基とは、主鎖についている枝分かれ部分や原子団のことです。
アルカンから水素を1個取り除いた形の置換基をアルキル基といいます。
たとえば、CH₃- はメチル基、C₂H₅- はエチル基です。
置換基がどの炭素についているかを示すために、番号を使います。
メチル基
-CH₃
主鎖についている枝分かれとしてよく出ます。
エチル基
-CH₂CH₃
炭素2個の置換基です。
代表的なアルキル基
置換基 構造 もとのアルカン
メチル基 -CH₃ メタン
エチル基 -C₂H₅ エタン
プロピル基 -C₃H₇ プロパン
ブチル基 -C₄H₉ ブタン
確認ポイント
  • メチル基とエチル基を構造式で判断できる
  • 置換基の位置を番号で表す理由を理解できる
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5 番号の付け方

有機化合物の名前では、置換基や官能基の位置を数字で示します。
番号は、重要な結合や官能基、置換基の位置番号ができるだけ小さくなるようにつけます。
アルカンでは、置換基の番号が小さくなる向きから番号をつけます。
アルケンでは、二重結合の位置番号が小さくなるようにします。
アルコールでは、ヒドロキシ基の位置番号が小さくなるようにします。
2-メチルプロパン
CH₃-CH(CH₃)-CH₃
プロパンの2番目の炭素にメチル基がついています。
2-ブテン
CH₃-CH=CH-CH₃
ブテンの2番目の位置に二重結合があります。
2-プロパノール
CH₃-CH(OH)-CH₃
プロパンの2番目の炭素にヒドロキシ基がついています。
番号を小さくする対象
化合物の種類 優先して小さくするもの
アルカン 置換基の位置 2-メチルプロパン
アルケン 二重結合の位置 1-ブテン、2-ブテン
アルコール ヒドロキシ基の位置 1-プロパノール、2-プロパノール
確認ポイント
  • 番号を小さくする向きから主鎖に番号をつけられる
  • 2-メチルプロパン、2-ブテン、2-プロパノールの意味を説明できる
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6 官能基による名前の変化

有機化合物の名前は、含まれる官能基によって語尾や名称が変わります。
ヒドロキシ基をもつものはアルコール、アルデヒド基をもつものはアルデヒド、カルボキシ基をもつものはカルボン酸です。
官能基を見ると、化合物の分類だけでなく、反応性も予想できます。
命名では、炭素数だけでなく、どの官能基があるかを必ず確認しましょう。
官能基と名称の関係
官能基 分類 名前の例 構造式
-OH アルコール エタノール CH₃CH₂OH
-CHO アルデヒド アセトアルデヒド CH₃CHO
>C=O ケトン アセトン CH₃COCH₃
-COOH カルボン酸 酢酸 CH₃COOH
-COO- エステル 酢酸エチル CH₃COOC₂H₅
-NH₂ アミン アニリンなど C₆H₅NH₂
確認ポイント
  • 官能基から化合物の分類を判断できる
  • 名前から官能基を予想できる
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7 命名の例題

命名の問題では、いきなり名前を出そうとせず、主鎖、置換基、番号、官能基の順に確認するとミスが減ります。
最初は簡単な構造式から練習し、少しずつ枝分かれや官能基があるものに進みましょう。
例題:CH₃-CH₂-CH₃ の物質名を答えなさい。
答え:プロパン
炭素が3個の直鎖アルカンなので、プロパンです。
例題:CH₃-CH(CH₃)-CH₃ の物質名を答えなさい。
答え:2-メチルプロパン
主鎖はプロパンで、2番目の炭素にメチル基がついています。
例題:CH₃CH₂OH の物質名を答えなさい。
答え:エタノール
炭素数2のアルコールなので、エタノールです。
例題:CH₃COOH の物質名を答えなさい。
答え:酢酸
CH₃COOHはカルボキシ基をもつ代表的なカルボン酸です。
確認ポイント
  • 簡単な構造式から物質名を判断できる
  • 置換基の位置を名前に反映できる
  • 官能基から分類名を判断できる
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