有機化学 / structure

構造式の読み方

有機化合物の構造式を読むために、炭素骨格、官能基、分岐、結合の種類、簡略構造式の見方をまとめた教材です。
難易度:基礎 目安:35分
# 有機化学 # 構造式 # 炭素骨格 # 官能基 # 分岐 # 簡略構造式 # 読み方

この教材で学ぶこと

到達目標

  • 構造式から炭素骨格を読み取れる
  • 単結合・二重結合・三重結合を区別できる
  • 官能基を構造式から見つけられる
  • 枝分かれ構造を読み取れる
  • 名前や反応を考える前に構造を整理できる

前提知識

  • 炭素原子の結合
  • アルカン
  • アルケン
  • アルキン
  • 官能基
  • 命名の基礎
目次

1 構造式を読む目的

有機化学では、分子式だけでなく構造式を読めることが非常に重要です。
同じ分子式でも、原子のつながり方が違えば別の物質になることがあります。
構造式を読めるようになると、物質名、分類、官能基、反応性を判断しやすくなります。
最初は難しく見えますが、見るポイントを順番に決めるとかなり読みやすくなります。
構造式を読む流れ
炭素骨格 → 結合の種類 → 官能基 → 分岐 → 反応性
いきなり名前を考えず、まず構造を分解して見ます。
確認ポイント
  • 構造式を読むことが有機化学の理解に必要だと説明できる
  • 炭素骨格・結合・官能基の順に確認できる
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2 まず炭素骨格を見る

構造式を見るときは、まず炭素原子が何個つながっているかを確認します。
炭素が一直線につながっている場合を直鎖状、途中で枝分かれしている場合を分岐構造と考えます。
有機化合物の名前や性質は、炭素骨格に大きく影響されます。
命名では、基本的に最も長く連続した炭素鎖を主鎖として考えます。
直鎖状の例
CH₃-CH₂-CH₂-CH₃
炭素が4個一直線につながったブタンの構造です。
枝分かれ構造の例
CH₃-CH(CH₃)-CH₃
主鎖からメチル基が枝分かれした2-メチルプロパンです。
炭素骨格の見方
見る点 意味
炭素数 主鎖や分子の大きさを判断する C3ならプロパン系
直鎖か分岐か 構造異性体の判断に関係 ブタンと2-メチルプロパン
環状か鎖状か 環式化合物かどうかを判断する シクロヘキサン、ベンゼン
ベンゼン環の有無 芳香族化合物か判断する C₆H₅-を含むか
確認ポイント
  • 構造式から主鎖の炭素数を数えられる
  • 直鎖構造と分岐構造を区別できる
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3 結合の種類を見る

次に、炭素原子どうしの結合の種類を確認します。
単結合だけならアルカン、二重結合をもてばアルケン、三重結合をもてばアルキンとして考えられます。
二重結合や三重結合をもつ化合物は不飽和炭化水素であり、付加反応を起こしやすいです。
結合の種類を見るだけで、反応の傾向をかなり予想できます。
アルカンの例
CH₃-CH₃
炭素間が単結合のみなのでエタンです。
アルケンの例
CH₂=CH₂
炭素間二重結合をもつためエチレンです。
アルキンの例
HC≡CH
炭素間三重結合をもつためアセチレンです。
結合の種類と分類
結合 分類 一般式 反応の傾向
C-C アルカン CₙH₂ₙ₊₂ 置換反応
C=C アルケン CₙH₂ₙ 付加反応
C≡C アルキン CₙH₂ₙ₋₂ 付加反応
ベンゼン環 芳香族化合物 例:C₆H₆ 置換反応
確認ポイント
  • C-C、C=C、C≡Cを区別できる
  • 結合の種類からアルカン・アルケン・アルキンを判断できる
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4 官能基を見つける

炭素骨格と結合の種類を確認したら、次に官能基を探します。
官能基とは、有機化合物の性質や反応を決める原子団です。
たとえば、-OH があればアルコール、-CHO があればアルデヒド、-COOH があればカルボン酸です。
官能基を見つけられるようになると、物質の分類と反応が一気に分かりやすくなります。
エタノール
CH₃CH₂OH
-OHがあるのでアルコールです。
酢酸
CH₃COOH
-COOHがあるのでカルボン酸です。
酢酸エチル
CH₃COOC₂H₅
-COO-を含むのでエステルです。
構造式で見つけたい官能基
官能基 構造 分類 代表例
ヒドロキシ基 -OH アルコール CH₃CH₂OH
アルデヒド基 -CHO アルデヒド CH₃CHO
カルボニル基 >C=O ケトンなど CH₃COCH₃
カルボキシ基 -COOH カルボン酸 CH₃COOH
エステル結合 -COO- エステル CH₃COOC₂H₅
アミノ基 -NH₂ アミン・アミノ酸 CH₃NH₂
確認ポイント
  • 代表的な官能基を構造式から見つけられる
  • 官能基から化合物の分類を判断できる
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5 簡略構造式の読み方

有機化学では、すべての結合を詳しく書く構造式だけでなく、簡略構造式がよく使われます。
たとえば、CH₃CH₂OH は CH₃-CH₂-OH と同じ意味です。
CH₃COOH は CH₃-C(=O)-OH のように考えると、カルボキシ基が見つけやすくなります。
省略された結合やまとまりを頭の中で補えるようになると、構造式を読む力が上がります。
簡略構造式の読み方
簡略構造式 構造式イメージ 分類
CH₃CH₂OH CH₃-CH₂-OH アルコール
CH₃CHO CH₃-C(=O)-H アルデヒド
CH₃COCH₃ CH₃-C(=O)-CH₃ ケトン
CH₃COOH CH₃-C(=O)-OH カルボン酸
CH₃COOC₂H₅ CH₃-C(=O)-O-CH₂CH₃ エステル
注意:COOHはC(=O)-OH、CHOはC(=O)-Hとして見ると理解しやすいです。
注意:COOが出てきたら、エステルかカルボン酸塩の可能性を考えます。
確認ポイント
  • CH₃COOHをCH₃-C(=O)-OHとして読める
  • CH₃CHOとCH₃COCH₃の違いを説明できる
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6 構造式から反応を予想する

構造式を読む目的の一つは、反応を予想することです。
C=C があれば付加反応、-OH があれば酸化やエステル化、-CHO があれば銀鏡反応やフェーリング反応を考えます。
-COOH があれば酸性やエステル化、-COO- があれば加水分解を考えます。
このように、構造式から官能基を見つけることで、反応の方向性が見えてきます。
構造式から予想できる反応
見つけた構造 分類 予想できる反応
C=C アルケン 付加反応、臭素水の脱色、付加重合
C≡C アルキン 付加反応、臭素水の脱色
-OH アルコール 酸化、脱水、エステル化
-CHO アルデヒド 銀鏡反応、フェーリング反応
-COOH カルボン酸 中和、エステル化
-COO- エステル 加水分解、けん化
例題:CH₂=CH₂ の構造式から予想できる反応は何か。
答え:付加反応
CH₂=CH₂は二重結合をもつアルケンなので、付加反応を起こしやすいです。
例題:CH₃CHO が銀鏡反応を示す理由を構造から説明しなさい。
答え:アルデヒド基 -CHO をもつから。
アルデヒド基をもつ化合物は還元性を示し、銀鏡反応を起こします。
確認ポイント
  • 構造式から反応の種類を予想できる
  • 官能基と反応性を対応させられる
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7 構造式を読む練習問題

構造式の読み方は、実際に何度も練習することで身につきます。
まず炭素骨格を確認し、次に結合の種類、最後に官能基を見る流れを習慣にしましょう。
例題:CH₃CH₂CH₃ はアルカン・アルケン・アルキンのどれか。
答え:アルカン
炭素間が単結合のみで、分子式はC₃H₈なのでプロパンです。
例題:CH₃CH₂OH に含まれる官能基は何か。
答え:ヒドロキシ基 -OH
-OHをもつため、アルコールに分類されます。
例題:CH₃COCH₃ はアルデヒドかケトンか。
答え:ケトン
C=Oが炭素鎖の途中にあるため、ケトンです。
例題:CH₃COOC₂H₅ はどの分類の化合物か。
答え:エステル
-COO-を含むため、エステルに分類されます。
確認ポイント
  • 構造式を順番に読める
  • 分類と官能基を対応させられる
  • 構造式から代表的な反応を予想できる
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