理論化学 / ph

pHと酸・塩基

水溶液の酸性・中性・塩基性を表すpHについて、H⁺濃度、OH⁻濃度、強酸・弱酸、強塩基・弱塩基と関連づけてまとめた教材です。
難易度:標準 目安:40分
# 理論化学 # pH # 酸 # 塩基 # 水素イオン濃度 # 水酸化物イオン濃度 # 電離

この教材で学ぶこと

到達目標

  • pHが水溶液の酸性・塩基性を表す指標であることを説明できる
  • pHと水素イオン濃度の関係を理解できる
  • 酸性・中性・塩基性をpHから判断できる
  • 強酸・弱酸、強塩基・弱塩基の違いを説明できる
  • pHの大小とH⁺濃度の関係を理解できる

前提知識

  • 酸・塩基
  • 中和反応
  • モル濃度
  • 水素イオン H⁺
  • 水酸化物イオン OH⁻
目次

1 pHとは

pHとは、水溶液が酸性・中性・塩基性のどれに近いかを表す数値です。
pHは水素イオン濃度 [H⁺] と関係しています。
水素イオン濃度が大きいほど酸性が強く、pHは小さくなります。
逆に、水素イオン濃度が小さいほど塩基性が強く、pHは大きくなります。
高校化学では、25℃で pH 7 が中性、pH 7 より小さいと酸性、pH 7 より大きいと塩基性として考えます。
pHの定義
pH = -log[H⁺]
[H⁺] は水素イオン濃度 mol/L を表します。
pHと液性
pH 液性 特徴
pH < 7 酸性 H⁺が多い
pH = 7 中性 25℃の純水など
pH > 7 塩基性 OH⁻が多い
確認ポイント
  • pHが酸性・中性・塩基性の指標であることを説明できる
  • pHが小さいほど酸性が強いことを理解できる
  • 25℃でpH 7が中性であることを覚える
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2 pHと水素イオン濃度

pHは水素イオン濃度 [H⁺] をもとに決まります。
[H⁺] が 10⁻¹ mol/L のとき pH は1、10⁻² mol/L のとき pH は2です。
つまり、pHが1大きくなると、[H⁺] は10分の1になります。
pHの数値は普通の比例ではなく、10倍・10分の1の関係で変化します。
ここを理解しておくと、pHの大小関係を正しく判断できます。
水素イオン濃度とpH
[H⁺] mol/L pH 液性
1.0×10⁻¹ 1 強い酸性
1.0×10⁻² 2 酸性
1.0×10⁻⁷ 7 中性
1.0×10⁻¹² 12 塩基性
例題:[H⁺] = 1.0×10⁻³ mol/L の水溶液のpHはいくつか。
答え:pH = 3
pH = -log[H⁺] より、[H⁺] = 10⁻³ なので pH = 3 です。
例題:pH 2 と pH 4 では、どちらの方が酸性が強いか。
答え:pH 2
pHが小さいほど [H⁺] が大きく、酸性が強いです。
確認ポイント
  • [H⁺]が10⁻³ならpH 3と判断できる
  • pHが1違うとH⁺濃度が10倍違うことを理解できる
  • pHが小さいほど酸性が強いことを説明できる
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3 pOHと水酸化物イオン濃度

pHが水素イオン濃度を表す指標であるのに対し、pOHは水酸化物イオン濃度 [OH⁻] を表す指標です。
pOHは pOH = -log[OH⁻] で定義されます。
25℃では、pH + pOH = 14 という関係が成り立ちます。
塩基性水溶液では [OH⁻] が大きくなり、pOHは小さく、pHは大きくなります。
pOHの定義
pOH = -log[OH⁻]
[OH⁻] は水酸化物イオン濃度 mol/L です。
25℃での関係
pH + pOH = 14
25℃の水溶液でよく使う関係です。
例題:25℃で pOH = 3 の水溶液のpHはいくつか。
答え:pH = 11
pH + pOH = 14 より、pH = 14 - 3 = 11 です。
確認ポイント
  • pOHがOH⁻濃度に関係することを説明できる
  • 25℃でpH + pOH = 14を使える
  • 塩基性ではpHが大きくなることを理解できる
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4 酸性・中性・塩基性の判断

水溶液の液性は、pHの値から判断できます。
25℃では、pHが7より小さいと酸性、7なら中性、7より大きいと塩基性です。
ただし、pHの差は水素イオン濃度の差としては10倍単位で大きく変わります。
たとえば、pH 3の水溶液はpH 5の水溶液より、[H⁺]が100倍大きいです。
pHから液性を判断する
pHの範囲 液性
0〜6 酸性 塩酸、酢酸水溶液など
7 中性 25℃の純水など
8〜14 塩基性 NaOH水溶液、アンモニア水など
確認ポイント
  • pHから酸性・中性・塩基性を判断できる
  • pHの差がH⁺濃度の10倍単位の差になることを理解できる
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5 強酸と弱酸

酸には、水溶液中でほぼ完全に電離する強酸と、一部だけ電離する弱酸があります。
強酸の代表例は、塩酸 HCl、硝酸 HNO₃、硫酸 H₂SO₄ です。
弱酸の代表例は、酢酸 CH₃COOH、炭酸 H₂CO₃ です。
同じ濃度なら、一般に強酸の方がH⁺を多く生じるため、pHは小さくなります。
塩酸の電離
HCl → H⁺ + Cl⁻
強酸なので、ほぼ完全に電離すると考えます。
酢酸の電離
CH₃COOH ⇄ CH₃COO⁻ + H⁺
弱酸なので、平衡を考えます。
代表的な強酸・弱酸
分類 代表例 特徴
強酸 HCl ほぼ完全に電離
強酸 HNO₃ 強酸で酸化作用ももつ
強酸 H₂SO₄ 二価の強酸として扱うことが多い
弱酸 CH₃COOH 一部だけ電離
弱酸 H₂CO₃ 炭酸水に関係
確認ポイント
  • 強酸と弱酸の違いを電離の程度で説明できる
  • 代表的な強酸と弱酸を答えられる
  • 同じ濃度なら強酸の方がpHが小さくなりやすいことを理解できる
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6 強塩基と弱塩基

塩基にも、水溶液中で多くのOH⁻を生じる強塩基と、一部だけ反応してOH⁻を生じる弱塩基があります。
強塩基の代表例は、NaOH、KOH、Ca(OH)₂ です。
弱塩基の代表例は、アンモニア NH₃ です。
アンモニアは分子中にOH⁻を含みませんが、水と反応してOH⁻を生じるため塩基性を示します。
水酸化ナトリウムの電離
NaOH → Na⁺ + OH⁻
強塩基として扱います。
アンモニアの塩基性
NH₃ + H₂O ⇄ NH₄⁺ + OH⁻
アンモニアは水と反応してOH⁻を生じます。
代表的な強塩基・弱塩基
分類 代表例 特徴
強塩基 NaOH 水によく溶け、OH⁻を生じる
強塩基 KOH 強い塩基性
強塩基 Ca(OH)₂ 石灰水としても登場
弱塩基 NH₃ 水と反応してOH⁻を生じる
確認ポイント
  • 強塩基と弱塩基の違いを説明できる
  • NH₃が弱塩基である理由を説明できる
  • 代表的な強塩基を答えられる
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7 pHの例題

pHの問題では、H⁺濃度、OH⁻濃度、pOH、酸・塩基の強弱がよく問われます。
計算が出る場合でも、まず酸性か塩基性かを大まかに判断してから進めるとミスが減ります。
例題:[H⁺] = 1.0×10⁻⁵ mol/L の水溶液のpHを答えなさい。
答え:pH = 5
pH = -log[H⁺] なので、[H⁺] = 10⁻⁵ のとき pH = 5 です。
例題:25℃でpH 10の水溶液は酸性・中性・塩基性のどれか。
答え:塩基性
25℃ではpHが7より大きいと塩基性です。
例題:HClとCH₃COOHを比べたとき、一般に強酸はどちらか。
答え:HCl
HClは強酸、CH₃COOHは弱酸です。
確認ポイント
  • H⁺濃度からpHを判断できる
  • pHから液性を判断できる
  • 強酸・弱酸、強塩基・弱塩基を区別できる
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