この教材で学ぶこと
到達目標
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カルボン酸がNaHCO₃と反応してCO₂を発生する理由を説明できる
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エステルの香りと構造の関係を説明できる
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エステルの酸性加水分解とけん化の違いを説明できる
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カルボン酸とエステルを反応結果から判別できる
前提知識
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カルボン酸
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エステル
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酸と塩基
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有機化合物の識別反応早覚え表
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有機反応経路早覚え表
図・写真
※スマホで画像が見づらい場合は、画像を拡大表示するか、別タブで開くと確認しやすいです。
実験情報
目的
カルボン酸とエステルの性質の違いを、気体発生、におい、加水分解の結果から判定する。
原理
カルボン酸は酸性を示し、炭酸水素ナトリウムと反応して二酸化炭素を発生する。一方、エステルは中性に近く、通常NaHCO₃とは反応しにくい。また、エステルは果実のような香りをもつものが多く、加水分解によってカルボン酸とアルコールに分かれる。塩基性条件で加水分解すると、カルボン酸ではなくカルボン酸塩が生じる。
器具
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試験管
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試験管立て
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スポイト
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ビーカー
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湯浴
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ガラス棒
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保護メガネ
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手袋
試薬
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酢酸
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酢酸エチル
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エタノール
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炭酸水素ナトリウム水溶液
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希硫酸または希塩酸
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水酸化ナトリウム水溶液
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リトマス紙またはpH試験紙
手順
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保護メガネと手袋を着用し、使用する試薬を確認する。
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試験管に酢酸を少量入れ、炭酸水素ナトリウム水溶液を加える。
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泡の発生があるか観察する。
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別の試験管に酢酸エチルを入れ、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて比較する。
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酢酸と酢酸エチルのにおいを、直接かがずに手であおぐようにして確認する。
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酢酸エチルに水と少量の酸を加え、湯浴で温める。
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加水分解後のにおいの変化や酸性の変化を確認する。
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別の試験管で酢酸エチルにNaOH水溶液を加え、湯浴で温める。
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酸性加水分解とけん化で生成物が異なることを表にまとめる。
安全上の注意
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酢酸やエステルのにおいを直接吸い込まない。手であおぐようにして確認する。
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酢酸は刺激性があるため、皮膚や目につけない。
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酢酸エチルは引火性があるため、火気に近づけない。
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加熱するときは試験管の口を人に向けない。
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NaOH水溶液は皮膚につくと危険なので、手袋を着用する。
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こぼした場合は自己判断で処理せず、教員や指導者に知らせる。
廃液・廃棄
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有機溶媒を含む廃液は、指定された有機廃液容器に入れる。
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酸や塩基を含む廃液は、指導者の指示に従って処理する。
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反応後の試験管は、指定された方法で洗浄する。
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においの強い廃液を放置しない。
覚え方・暗記ポイント
カルボン酸はNaHCO₃でCO₂を発生する。
エステルは通常NaHCO₃でCO₂を発生しにくい。
低分子エステルには果実のような香りをもつものが多い。
酸性加水分解ではカルボン酸とアルコールができる。
けん化ではカルボン酸塩とアルコールができる。
酢酸エチルのけん化では、酢酸ではなく酢酸ナトリウムができる。
1
カルボン酸とNaHCO₃の反応
カルボン酸は酸性を示すため、炭酸水素ナトリウムと反応して二酸化炭素を発生します。
このとき泡が出るため、カルボン酸を見分ける手がかりになります。
フェノールも弱酸性ですが、カルボン酸ほど酸性が強くないため、通常NaHCO₃とは二酸化炭素を発生しにくいです。
カルボン酸と炭酸水素ナトリウム
R-COOH + NaHCO₃ → R-COONa + CO₂ + H₂O
CO₂の発生がカルボン酸識別の重要な目印です。
確認ポイント
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NaHCO₃でCO₂を発生する官能基を説明できる
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カルボン酸とフェノールの酸性の違いを説明できる
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気体発生を識別反応として使える
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2
エステルの特徴
エステルは、カルボン酸とアルコールから水が取れてできる化合物です。
低分子のエステルには果実のような香りをもつものが多く、香料として利用されるものもあります。
ただし、においだけで物質を完全に判定するのは危険なので、反応結果と組み合わせて判断します。
エステル化
R-COOH + R'-OH ⇄ R-COOR' + H₂O
カルボン酸とアルコールからエステルができます。
確認ポイント
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エステルの基本構造を説明できる
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エステル化の反応式を説明できる
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エステルのにおいを補助的な識別情報として扱える
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エステルの加水分解とけん化
エステルは水と反応して、カルボン酸とアルコールに分かれます。酸性条件で行う場合を酸性加水分解といいます。
一方、NaOH水溶液などの塩基性条件で加水分解すると、カルボン酸ではなくカルボン酸塩ができます。
この塩基性加水分解は、油脂から石けんを作る反応と同じ考え方で、けん化と呼ばれます。
酢酸エチルのけん化
CH₃COOC₂H₅ + NaOH → CH₃COONa + C₂H₅OH
生成物は酢酸ではなく、酢酸ナトリウムになる点に注意します。
確認ポイント
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酸性加水分解とけん化の違いを説明できる
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けん化でカルボン酸塩ができることを説明できる
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酢酸エチルの分解生成物を判断できる
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