この教材で学ぶこと
到達目標
-
アミノ酸の基本構造を説明できる
-
双性イオンを説明できる
-
ペプチド結合の形成を説明できる
-
タンパク質の検出反応を区別できる
1
アミノ酸とは
アミノ酸は、アミノ基 -NH₂ とカルボキシ基 -COOH をもつ有機化合物です。
タンパク質を構成する基本単位であり、生体にとって非常に重要です。
高校化学では、まずグリシンとアラニンを確実に覚えるとよいです。
アミノ酸は酸としても塩基としても働くため、両性化合物として扱われます。
確認ポイント
-
アミノ酸がアミノ基とカルボキシ基をもつことを説明できる
-
アミノ酸がタンパク質の構成単位であることを説明できる
↑ 目次へ戻る
2
代表的なアミノ酸
グリシンは最も簡単なアミノ酸です。
アラニンは、グリシンの水素の一つがメチル基に置き換わったような構造をもちます。
構造式は最初は難しく見えますが、アミノ基とカルボキシ基を見つけることを意識すると理解しやすくなります。
代表的なアミノ酸
|
名称
|
構造式
|
特徴
|
|
グリシン
|
NH₂CH₂COOH
|
最も簡単なアミノ酸
|
|
アラニン
|
CH₃CH(NH₂)COOH
|
メチル基をもつアミノ酸
|
↑ 目次へ戻る
3
双性イオン
アミノ酸は、同じ分子内に酸性を示すカルボキシ基と、塩基性を示すアミノ基をもちます。
そのため水溶液中では、正電荷と負電荷を同じ分子内にもつ双性イオンとして存在しやすいです。
アミノ基は H⁺ を受け取って -NH₃⁺ になり、カルボキシ基は H⁺ を失って -COO⁻ になります。
注意:双性イオンは、アミノ酸の融点が高いことや水に溶けやすいことにも関係します。
↑ 目次へ戻る
4
ペプチド結合
アミノ酸同士は、カルボキシ基とアミノ基が反応して水が取れることで結合します。
このときできる -CONH- の結合をペプチド結合といいます。
アミノ酸が2個つながったものをジペプチド、多数つながったものをポリペプチドといいます。
ペプチド結合の形成
アミノ酸 + アミノ酸 → ジペプチド + 水
水が取れて結合するため、脱水縮合の一種です。
確認ポイント
-
ペプチド結合が -CONH- であることを覚える
-
ペプチド結合が脱水縮合でできることを説明できる
↑ 目次へ戻る
5
タンパク質とは
タンパク質は、多数のアミノ酸がペプチド結合でつながった天然高分子です。
酵素、筋肉、髪、皮膚など、体のさまざまな部分に関係しています。
タンパク質は熱、酸、塩基、有機溶媒などによって構造が変化することがあります。
このような構造変化を変性といいます。
アミノ酸・ペプチド・タンパク質の関係
|
名称
|
説明
|
|
アミノ酸
|
タンパク質をつくる基本単位
|
|
ペプチド
|
少数のアミノ酸がペプチド結合でつながったもの
|
|
ポリペプチド
|
多数のアミノ酸がつながったもの
|
|
タンパク質
|
特定の立体構造と働きをもつ天然高分子
|
↑ 目次へ戻る
6
検出反応
アミノ酸やタンパク質は、特有の検出反応で確認できます。
ニンヒドリン反応とビウレット反応は、テストでもよく出ます。
どの物質を検出するのか、何色を示すのかをセットで覚えましょう。
アミノ酸・タンパク質の検出反応
|
反応名
|
検出するもの
|
陽性の色
|
|
ニンヒドリン反応
|
アミノ酸
|
紫色
|
|
ビウレット反応
|
タンパク質・ペプチド結合
|
赤紫色
|
|
キサントプロテイン反応
|
芳香族アミノ酸を含むタンパク質
|
黄色
|
例題:ペプチド結合を検出する反応は何か。
答え:ビウレット反応
ビウレット反応は、タンパク質やペプチド結合をもつ物質で赤紫色を示す反応です。
例題:アミノ酸を検出する代表的な反応は何か。
答え:ニンヒドリン反応
ニンヒドリン反応はアミノ酸の検出に用いられ、陽性では紫色を示します。
注意:ニンヒドリン反応はアミノ酸、ビウレット反応はペプチド結合を検出する反応として整理すると覚えやすいです。
確認ポイント
-
ニンヒドリン反応とビウレット反応を区別できる
-
ペプチド結合とタンパク質の関係を説明できる
↑ 目次へ戻る