有機化学 / polymer_natural_compound_summary

高分子・天然有機化合物まとめ

合成高分子、天然高分子、糖類、アミノ酸、タンパク質、油脂などを高校化学の範囲で整理する実戦まとめ教材です。
難易度:標準 目安:50分
# 有機化学 # 高分子 # 天然有機化合物 # 糖類 # タンパク質 # 油脂 # 合成樹脂

この教材で学ぶこと

到達目標

  • 高分子化合物の基本を説明できる
  • 付加重合と縮合重合を区別できる
  • 代表的な合成高分子を答えられる
  • 糖類の分類を説明できる
  • アミノ酸とタンパク質の関係を理解できる
  • 油脂・セッケン・合成洗剤の基本を整理できる

前提知識

  • 有機化合物
  • 官能基
  • 重合
  • アミノ酸
  • エステル
  • 糖類
目次

1 高分子化合物とは

高分子化合物とは、多数の小さな分子がつながってできた分子量の大きな化合物です。
高分子を作る小さな分子を単量体、つながってできた大きな分子を重合体といいます。
合成高分子には、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロンなどがあります。
天然高分子には、デンプン、セルロース、タンパク質、天然ゴムなどがあります。
高分子は、プラスチック、繊維、食品、生体内物質など、身近なところで多く使われています。
高分子の基本用語
用語 意味
単量体 高分子を作る小さな分子 エチレン
重合体 単量体が多数つながったもの ポリエチレン
重合 単量体がつながって高分子になる反応 付加重合、縮合重合
高分子化合物 分子量の大きい化合物 合成樹脂、タンパク質
確認ポイント
  • 高分子化合物の意味を説明できる
  • 単量体と重合体を区別できる
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2 付加重合

付加重合とは、二重結合をもつ単量体が次々に付加して高分子を作る反応です。
付加重合では、小さな分子が脱離しません。
代表例は、エチレンからポリエチレン、塩化ビニルからポリ塩化ビニル、スチレンからポリスチレンなどです。
単量体の二重結合が開いて、分子どうしがつながっていくと考えると分かりやすいです。
エチレンの付加重合
n CH₂=CH₂ → [-CH₂-CH₂-]n
二重結合が開いてポリエチレンになります。
付加重合の代表例
単量体 重合体 用途の例
エチレン ポリエチレン 袋、容器
プロピレン ポリプロピレン 容器、繊維
塩化ビニル ポリ塩化ビニル パイプ、シート
スチレン ポリスチレン 発泡スチロール
テトラフルオロエチレン ポリテトラフルオロエチレン フッ素樹脂
確認ポイント
  • 付加重合が二重結合をもつ単量体で起こることを説明できる
  • 代表的な付加重合の例を答えられる
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3 縮合重合

縮合重合とは、単量体どうしが結合するときに、水などの小さな分子が取れて高分子になる反応です。
代表例には、ナイロンやポリエチレンテレフタラートがあります。
ジカルボン酸とジアミンからポリアミド、ジカルボン酸とジオールからポリエステルができます。
縮合重合では、官能基どうしの反応が重要です。
付加重合との違いは、小さな分子が脱離するかどうかです。
縮合重合の代表例
高分子 結合 特徴
ナイロン アミド結合 ポリアミド
ポリエチレンテレフタラート エステル結合 ポリエステル、PET
タンパク質 ペプチド結合 アミノ酸が縮合
デンプン グリコシド結合 グルコースが縮合
確認ポイント
  • 縮合重合では水などの小分子が取れることを説明できる
  • 付加重合と縮合重合を区別できる
  • ナイロンやPETを縮合重合の例として説明できる
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4 合成繊維・合成樹脂

合成高分子は、合成繊維や合成樹脂として利用されます。
ナイロンはポリアミド系の合成繊維です。
ポリエステルは衣類やペットボトルなどに使われます。
ポリエチレンやポリプロピレンは、軽くて加工しやすい合成樹脂です。
ポリ塩化ビニルは、パイプやシートなどに使われます。
代表的な合成高分子
高分子 分類 用途
ポリエチレン 合成樹脂 袋、容器
ポリプロピレン 合成樹脂 容器、繊維
ポリ塩化ビニル 合成樹脂 パイプ、シート
ナイロン 合成繊維 衣類、ロープ
ポリエステル 合成繊維・樹脂 衣類、ペットボトル
フェノール樹脂 熱硬化性樹脂 電気部品など
確認ポイント
  • 代表的な合成高分子と用途を答えられる
  • 合成繊維と合成樹脂を区別できる
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5 糖類

糖類は、炭水化物とも呼ばれ、単糖、二糖、多糖に分類されます。
単糖には、グルコースやフルクトースがあります。
二糖には、スクロース、マルトース、ラクトースなどがあります。
多糖には、デンプン、セルロース、グリコーゲンなどがあります。
デンプンやセルロースは、グルコースが多数つながった天然高分子です。
糖類の分類
分類 特徴
単糖 グルコース、フルクトース それ以上加水分解されない糖
二糖 スクロース、マルトース、ラクトース 単糖2個からなる
多糖 デンプン、セルロース、グリコーゲン 単糖が多数つながる
確認ポイント
  • 糖類を単糖・二糖・多糖に分類できる
  • デンプンとセルロースがグルコースからできることを理解できる
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6 デンプンとセルロース

デンプンとセルロースは、どちらもグルコースが多数つながった多糖です。
デンプンは植物の貯蔵物質として存在します。
セルロースは植物の細胞壁の主成分です。
同じグルコースからできていますが、結合のしかたが異なるため性質が違います。
デンプンはヨウ素デンプン反応で青紫色を示します。
デンプンとセルロース
物質 構成単位 特徴
デンプン グルコース 植物の貯蔵物質、ヨウ素で青紫色
セルロース グルコース 植物の細胞壁、繊維状
グリコーゲン グルコース 動物の貯蔵多糖
確認ポイント
  • デンプンとセルロースがグルコースからできることを説明できる
  • ヨウ素デンプン反応で青紫色を示すことを覚える
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7 アミノ酸とタンパク質

アミノ酸は、アミノ基 -NH₂ とカルボキシ基 -COOH をもつ化合物です。
アミノ酸どうしが縮合してできる結合をペプチド結合といいます。
多数のアミノ酸がペプチド結合でつながったものがタンパク質です。
タンパク質は、生体内で酵素、筋肉、髪、皮膚などを構成する重要な物質です。
タンパク質は熱や酸・塩基で変性することがあります。
アミノ酸とタンパク質
用語 意味
アミノ酸 アミノ基とカルボキシ基をもつ化合物
ペプチド結合 アミノ酸どうしが縮合してできる結合
タンパク質 多数のアミノ酸がつながった高分子
変性 熱や酸などでタンパク質の構造が変わること
確認ポイント
  • アミノ酸がアミノ基とカルボキシ基をもつことを説明できる
  • ペプチド結合とタンパク質の関係を理解できる
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8 油脂とセッケン

油脂は、グリセリンと高級脂肪酸がエステル結合した化合物です。
油脂を水酸化ナトリウムなどの強塩基で加水分解すると、セッケンとグリセリンができます。
この反応をけん化といいます。
セッケンは、高級脂肪酸のナトリウム塩またはカリウム塩です。
セッケン分子は、水になじみやすい部分と油になじみやすい部分をもちます。
油脂のけん化
油脂 + NaOH → セッケン + グリセリン
油脂のエステル結合が塩基で加水分解されます。
油脂とセッケン
用語 意味
油脂 グリセリンと高級脂肪酸のエステル
けん化 油脂を強塩基で加水分解する反応
セッケン 高級脂肪酸のNa塩やK塩
グリセリン 油脂の分解で生じる三価アルコール
確認ポイント
  • 油脂がグリセリンと高級脂肪酸のエステルであることを説明できる
  • けん化でセッケンとグリセリンができることを覚える
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9 合成洗剤

合成洗剤は、石油などを原料として作られる洗浄剤です。
セッケンと同じように、水になじみやすい部分と油になじみやすい部分をもちます。
セッケンは硬水中のCa²⁺やMg²⁺と反応して沈殿を作り、洗浄力が落ちることがあります。
一方、合成洗剤は硬水中でも比較的洗浄力を保ちやすいものがあります。
環境への影響も含めて扱われることがあります。
セッケンと合成洗剤
項目 セッケン 合成洗剤
主な成分 高級脂肪酸塩 合成界面活性剤
硬水中 沈殿を作りやすい 洗浄力を保ちやすいものがある
共通点 親水基と疎水基をもつ 親水基と疎水基をもつ
確認ポイント
  • セッケンと合成洗剤の違いを説明できる
  • 界面活性剤が親水基と疎水基をもつことを理解できる
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10 高分子・天然有機化合物まとめ表

高分子や天然有機化合物は、名称、構成単位、結合、性質をまとめて覚えると整理しやすいです。
問題では、単量体、重合方法、天然高分子の構成単位などがよく問われます。
高分子・天然有機化合物まとめ
物質 分類 構成・特徴
ポリエチレン 合成高分子 エチレンの付加重合
ポリ塩化ビニル 合成高分子 塩化ビニルの付加重合
ナイロン 合成繊維 アミド結合をもつ
PET ポリエステル エステル結合をもつ
デンプン 多糖 グルコースからなる
セルロース 多糖 グルコースからなる植物細胞壁成分
タンパク質 天然高分子 アミノ酸がペプチド結合
油脂 エステル グリセリンと高級脂肪酸からなる
確認ポイント
  • 代表的な高分子の構成単位や結合を答えられる
  • 天然高分子と合成高分子を区別できる
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11 高分子・天然有機化合物まとめ例題

高分子・天然有機化合物では、単量体、結合の種類、分類がよく問われます。
付加重合と縮合重合、糖類、タンパク質、油脂を優先して整理しましょう。
例題:エチレンが付加重合してできる高分子は何か。
答え:ポリエチレン
エチレンの二重結合が開いて重合し、ポリエチレンになります。
例題:アミノ酸どうしが縮合してできる結合を何というか。
答え:ペプチド結合
ペプチド結合で多数のアミノ酸がつながるとタンパク質になります。
例題:デンプンにヨウ素液を加えると何色を示すか。
答え:青紫色
ヨウ素デンプン反応により青紫色を示します。
例題:油脂をNaOHで加水分解する反応を何というか。
答え:けん化
けん化によりセッケンとグリセリンができます。
例題:PETのようにエステル結合をもつ高分子を何というか。
答え:ポリエステル
エステル結合が繰り返し含まれる高分子です。
確認ポイント
  • 付加重合と縮合重合を区別できる
  • 糖類・タンパク質・油脂の基本を説明できる
  • 高分子の代表例を答えられる
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