有機化学 / reaction_summary

有機化学の反応まとめ

有機化学で重要な付加、置換、酸化、脱水、エステル化、加水分解、重合をまとめて整理する教材です。
難易度:標準 目安:45分
# 有機化学 # 反応まとめ # 付加反応 # 置換反応 # 酸化 # エステル化 # 加水分解 # 重合

この教材で学ぶこと

到達目標

  • 有機化学の代表的な反応を分類できる
  • 構造式から起こりやすい反応を予想できる
  • 付加反応と置換反応を区別できる
  • アルコール・アルデヒド・カルボン酸の酸化関係を整理できる
  • エステル化と加水分解を逆向きの反応として理解できる
  • 付加重合と縮合重合を区別できる

前提知識

  • 構造式の読み方
  • 官能基
  • アルカン
  • アルケン
  • アルコール
  • アルデヒドとケトン
  • カルボン酸とエステル
  • 高分子化合物
目次

1 有機反応を整理する考え方

有機化学では、多くの反応が出てきますが、反応の種類ごとに整理すると理解しやすくなります。
代表的な反応には、付加反応、置換反応、酸化、還元、脱水、エステル化、加水分解、重合があります。
反応を覚えるときは、反応物、反応条件、生成物、どの官能基が変化したかをセットで確認しましょう。
構造式から官能基を見つけることが、反応を予想する第一歩です。
有機反応の大まかな分類
反応の種類 主な対象 反応のイメージ
付加反応 アルケン・アルキン C=CやC≡Cに原子が加わる
置換反応 アルカン・芳香族化合物 Hなどが別の原子団に置き換わる
酸化 アルコール・アルデヒド 酸素が増える、または水素が減る
脱水 アルコールなど 水が取れて二重結合などができる
エステル化 カルボン酸 + アルコール エステル + 水
加水分解 エステルなど 水で結合が切れる
重合 アルケン・二官能性分子 小分子が多数つながる
確認ポイント
  • 有機反応を種類ごとに分類できる
  • 反応物・条件・生成物・官能基の変化をセットで確認できる
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2 付加反応

付加反応は、二重結合や三重結合に原子や原子団が加わる反応です。
アルケンやアルキンの代表的な反応です。
付加反応では、C=CやC≡Cの結合が開いて、単結合に近い形になります。
水素、臭素、ハロゲン化水素、水などが付加することがあります。
エチレンへの水素付加
CH₂=CH₂ + H₂ → CH₃-CH₃
エチレンがエタンになります。
エチレンへの臭素付加
CH₂=CH₂ + Br₂ → CH₂Br-CH₂Br
臭素水の赤褐色が消える反応です。
エチレンへの水の付加
CH₂=CH₂ + H₂O → CH₃CH₂OH
エタノールが生成します。
アセチレンへの水素付加
HC≡CH + H₂ → CH₂=CH₂
まずエチレンが生成します。
付加反応の見分け方
見つける構造 反応の特徴 代表例
C=C 二重結合が開く エチレンの付加反応
C≡C 三重結合に付加する アセチレンの付加反応
臭素水の脱色 不飽和結合の確認 アルケン・アルキン
確認ポイント
  • 付加反応が不飽和結合で起こることを説明できる
  • 臭素水の脱色とC=C・C≡Cを関連づけられる
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3 置換反応

置換反応は、分子中の原子や原子団が別の原子や原子団に置き換わる反応です。
アルカンのハロゲン化や、ベンゼンのニトロ化・ハロゲン化などが代表例です。
アルカンでは光の存在下でハロゲンとの置換反応が起こります。
ベンゼンは安定なベンゼン環を保ったまま置換反応を起こしやすいです。
メタンの塩素置換
CH₄ + Cl₂ → CH₃Cl + HCl
光の存在下で進みます。
ベンゼンのニトロ化
C₆H₆ + HNO₃ → C₆H₅NO₂ + H₂O
濃硝酸と濃硫酸を用いてニトロベンゼンが生成します。
ベンゼンの塩素化
C₆H₆ + Cl₂ → C₆H₅Cl + HCl
触媒の存在下でクロロベンゼンが生成します。
付加反応と置換反応の比較
反応 主な対象 イメージ
付加反応 アルケン・アルキン 二重結合や三重結合に加わる
置換反応 アルカン・芳香族化合物 Hなどが別の原子団に置き換わる
確認ポイント
  • 置換反応が原子や原子団の置き換わりであることを説明できる
  • アルカンとベンゼンの置換反応を区別できる
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4 アルコールの反応

アルコールは、有機化学の反応の中心になる重要な化合物です。
アルコールは酸化、脱水、エステル化などの反応を起こします。
第一級アルコールは酸化されるとアルデヒドを経てカルボン酸になります。
第二級アルコールは酸化されるとケトンになります。
第一級アルコールの酸化
R-CH₂OH → R-CHO → R-COOH
アルデヒドを経てカルボン酸になります。
第二級アルコールの酸化
R-CH(OH)-R' → R-CO-R'
ケトンになります。
エタノールの脱水
CH₃CH₂OH → CH₂=CH₂ + H₂O
条件によりエチレンが生成します。
アルコールのエステル化
R-COOH + R'-OH ⇄ R-COO-R' + H₂O
カルボン酸と反応してエステルをつくります。
アルコールの主な反応
反応 生成物 ポイント
第一級アルコールの酸化 アルデヒド → カルボン酸 エタノール → アセトアルデヒド → 酢酸
第二級アルコールの酸化 ケトン 2-プロパノール → アセトン
脱水 アルケンまたはエーテル 条件で生成物が変わる
エステル化 エステル カルボン酸と反応
確認ポイント
  • アルコールの酸化生成物を分類ごとに答えられる
  • アルコールの脱水とエステル化を区別できる
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5 アルデヒドとカルボン酸への流れ

第一級アルコール、アルデヒド、カルボン酸は酸化の流れでつながっています。
第一級アルコールを酸化するとアルデヒドになり、さらに酸化するとカルボン酸になります。
アルデヒドは還元性を示し、銀鏡反応やフェーリング反応で検出できます。
カルボン酸は酸性を示し、アルコールと反応してエステルをつくります。
酸化の流れ
R-CH₂OH → R-CHO → R-COOH
第一級アルコール、アルデヒド、カルボン酸のつながりです。
エタノールから酢酸
CH₃CH₂OH → CH₃CHO → CH₃COOH
エタノール、アセトアルデヒド、酢酸の流れです。
酸化の流れと性質
段階 一般構造 性質・反応
第一級アルコール R-CH₂OH 酸化される
アルデヒド R-CHO 還元性、銀鏡反応
カルボン酸 R-COOH 酸性、エステル化
確認ポイント
  • 第一級アルコールからカルボン酸までの流れを説明できる
  • アルデヒドの検出反応を答えられる
  • カルボン酸の代表的な反応を説明できる
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6 エステル化と加水分解

エステル化は、カルボン酸とアルコールからエステルと水ができる反応です。
加水分解は、エステルが水と反応してカルボン酸とアルコールに戻る反応です。
塩基性条件でのエステルの加水分解では、カルボン酸の塩とアルコールができます。
油脂の塩基性加水分解は、けん化と呼ばれます。
エステル化
R-COOH + R'-OH ⇄ R-COO-R' + H₂O
カルボン酸とアルコールからエステルができます。
エステルの酸性加水分解
R-COO-R' + H₂O ⇄ R-COOH + R'-OH
エステルがカルボン酸とアルコールに戻ります。
エステルの塩基性加水分解
R-COO-R' + NaOH → R-COONa + R'-OH
カルボン酸塩とアルコールが生成します。
エステル化と加水分解
反応 反応物 生成物
エステル化 カルボン酸 + アルコール エステル + 水
酸性加水分解 エステル + 水 カルボン酸 + アルコール
塩基性加水分解 エステル + NaOH カルボン酸塩 + アルコール
けん化 油脂 + 強塩基 グリセリン + 高級脂肪酸塩
確認ポイント
  • エステル化と加水分解を逆向きの反応として理解できる
  • 塩基性加水分解の生成物を答えられる
  • けん化を説明できる
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7 重合反応

重合反応は、小さな分子である単量体が多数つながって高分子になる反応です。
付加重合では、二重結合をもつ単量体がつながります。
縮合重合では、官能基同士が反応し、水などの小分子が取れてつながります。
ポリエチレンやポリプロピレンは付加重合、PETやナイロンは縮合重合でできる代表例です。
付加重合
n CH₂=CH₂ → [-CH₂-CH₂-]n
エチレンからポリエチレンができます。
縮合重合
単量体 + 単量体 → 高分子 + H₂O
結合ができるときに水などが取れます。
付加重合と縮合重合
反応 単量体の特徴 代表例
付加重合 C=Cをもつ エチレン → ポリエチレン
付加重合 C=Cをもつ 塩化ビニル → ポリ塩化ビニル
縮合重合 2つ以上の官能基をもつ PET
縮合重合 2つ以上の官能基をもつ ナイロン
確認ポイント
  • 付加重合と縮合重合を区別できる
  • 代表的な高分子と単量体を対応させられる
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8 反応を見抜くチェック表

有機反応は、構造式のどこが変化しているかを見ると判断しやすくなります。
二重結合が単結合になっていれば付加、Hが別の原子に置き換わっていれば置換、-OHがC=Oに変わっていれば酸化を考えます。
反応式を丸暗記するだけでなく、構造の変化を読み取る練習をしましょう。
構造変化から反応を見抜く
構造の変化 反応名
C=C が C-C になる 付加反応 エチレン + H₂
HがClなどに置き換わる 置換反応 メタン + Cl₂
R-CH₂OH が R-CHO になる 酸化 エタノール → アセトアルデヒド
R-CHO が R-COOH になる 酸化 アセトアルデヒド → 酢酸
-OHが取れてC=Cができる 脱水 エタノール → エチレン
R-COOHとR'-OHがつながる エステル化 酢酸 + エタノール
R-COO-R'が切れる 加水分解 酢酸エチルの加水分解
確認ポイント
  • 構造の変化から反応名を判断できる
  • 有機反応を暗記ではなく構造変化で整理できる
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9 有機反応まとめの例題

有機反応の問題では、反応名、反応物、生成物、条件がよく問われます。
構造式を見て、どの官能基がどう変化したかを確認しましょう。
例題:CH₂=CH₂ + H₂ → CH₃CH₃ は何反応か。
答え:付加反応
二重結合に水素が付加し、エタンが生成しています。
例題:CH₃CH₂OH → CH₃CHO は何反応か。
答え:酸化
第一級アルコールであるエタノールが酸化され、アセトアルデヒドになっています。
例題:CH₃COOH + C₂H₅OH → CH₃COOC₂H₅ + H₂O は何反応か。
答え:エステル化
カルボン酸とアルコールからエステルと水が生じています。
例題:n CH₂=CH₂ → [-CH₂-CH₂-]n は何反応か。
答え:付加重合
エチレンの二重結合が開いて、多数つながりポリエチレンができます。
確認ポイント
  • 代表的な有機反応の名前を答えられる
  • 反応式から反応の種類を判断できる
  • 官能基の変化を説明できる
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